茶道具 翔雲堂

商品No.0437
萩茶入
作品名:萩茶入
作者:宇田川聖谷
価格:15,000円
仕覆:日野間道
備考:桐箱入

■玉柏手について
瀬戸茶入の手分けのひとつに、
玉柏手(たまかしわで)というのがあるそうです。

ここでは、玉柏手の中でも有名な、
中興名物「玉柏(たまかしわ)」について説明しようかと思います。

玉柏は、奈良屋弥兵衛が摂津国難波の浦で取出したため、
小堀遠州が『千載集』の
「難波江の 藻にうつもるヽ 玉柏
 あらはれてたに 人を恋ひはや」
の歌を引いて命銘したようです。

口作は厚手で丸く捻返しが浅く、甑は極めて低く、
肩は丸味を持った撫肩で、胴中が締まった俵形で、
裾以下は赤味を帯びた土を踊箆で切廻し、
底は平面な板起しだが、
糸切だったものが磨り減らしたようにも見えるとか。

総体に柿金気色の上に、肩先から黒釉が掛り、
胴中に石ハゼのような白釉の蛍形の一点があり、
黒釉のなだれが巌石の間に瀧が掛るような景色を見せ置形となり、
その向って左に幅二分程の金気釉が、
裾から胴中辺りまで立ち上がる上り金気釉があり、
裾廻りの釉溜りは厚く金気釉が膨れ上がり光沢が特に麗しいようです。

口から肩にかけて火割れのような一線があり、
その横に茶入半分に達するほどの大ヒビ割れがあるそうです。

伝来は、奈良屋弥兵衛→小堀遠州→前田利常→小堀家→
 土屋但馬守→小堀家→三井三郎助→酒井忠禄。

井伊直弼著『閑窓茶話』には
「玉柏といふ茶入は、
黒きなだれの薬どまりに大なる石はぜあり、
因て遠州玉柏と名づけらる、
玉柏は石の異名なり」
とあるそうです。


■日野間道について
日野という名称は、茶道を利休に学んだ
権大納言・日野輝資(てるすけ)が愛用したことによるものだとか。

本歌の片側には織り耳があり、段文様だそうです。

経・緯の地糸には白茶色の撚りの強い細い木綿糸を用い、
絵緯波・樺茶(かばちゃ)・蘇芳(すおう)・薄紅色を用いているようです。

平組織の打ち込みが荒く透けるガーゼ状の段と、
絹の色緯は経二本ずつ浮かせて打ち込みを密にし、
さらに経緯ともよろける効果を出しているみたいです。

よろけ織りは他の名物裂には見られず、
織り方・糸使いに特徴があるそうです。


■宇田川聖谷(うだがわせいこく)
1940年 山口県に生まれる。
1963年 三輪休和の弟子である玉隆山・吉田萩苑に師事する。
1972年 朝鮮にて開源窯の築窯などを学び、帰国し三連房窯を作る。
1973年 開窯(丹妙山窯)し聖谷と号す。
1991年 相国寺派管長・梶谷宗忍老大師より、号「玄翁」を拝領する。

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