作品名:茶掃箱セット
備考:生地茶漏斗/紙箱入 |
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稲垣休叟著『茶道筌蹄』に、
「茶ハキ箱 利休形二重マハリサン、桐、茶の革組、 内に茶合と二重茶漏斗と銀茶杓とを入る」 とあるそうです。 ここでは、この文章の中から「茶合」を説明しようかと思います。 茶合は、茶量・仙媒(せんば)・茶則・茶計などとも呼ばれるそうです。 材質は竹製がほとんどで、他に木製、金属製、象牙製、玉製があるみたいです。 抹茶用は桜の木で椀(わん)形に作り、 煎茶(せんちゃ)用は二つ割りにした竹で作るようです。 煎茶道で使用される道具のひとつ「茶合」。煎茶道の道具は大半が中国の起源ですが、 これは日本起源の道具なんだそうです。 江戸時代中期に、売茶翁が茶葉の量と投入の便宜のためにこの道具を考案したそうです。 はじめは簡素なものだった茶合だけれど、文人趣味により、 次第に、裏面に漢詩を書いたり、中国風の彫刻を施したりするのが流行したのだとか。 有名な文人や職人による細工がほどこされた物は高価で取り引きされることも少なくないみたいです。 茶合を作った売茶翁は1675年生まれ、『茶道筌蹄』は1816年に刊行された書物。 特に文献はないのですが、利休形茶掃箱に「茶合」が入るようになった年代は、 「江戸中期ごろ」ということになるでしょうか。 |
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