茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。

灰ってこんなの

灰(はい)は、草や木、動物などを燃やしたあとに残る物質で、
微量に含まれている無機質、特に金属元素(カリウム・カルシウム・マグネシウムなどの化合物類)が、
燃焼しても気体にはならず、固体として残るものが灰だそうです。

古来より有用な化学物質として広く用いられ、
象徴としても世界の様々な文化、伝承に登場するようです。


■「生灰(きばい)」と「あく抜き灰」
さて、灰の中でも、水を通していない灰を「生灰」と呼んでいるそうです。
一般販売されている茶道用の灰で、「あく抜き灰」以外の灰はこの生灰になるようです。
ふるってありますが、洗って仕立ていないためアクが混入しているそうです。
お茶の灰は、この生灰を洗い、用途別に仕立てるみたいです。炉用と風炉用があるとのこと。

「あく抜き灰」は、生灰を洗い、ゴミやアクを除去し用途に応じて仕立てた灰だそうで、
仕立て方により「風炉灰」「炉灰」「しめし灰」に分かれるようです。
生灰に比べると、ずいぶん高価なのだとか。
 風炉灰:きめがとても細かい
 炉灰:荒めでざらっとした感じ
 しめし灰:炉灰に色気・湿気を含む
炭手前はこのしめし灰の湿り具合・色・粒子の大きさなどで、
撒き具合・炭火の熾り具合が微妙に違ってくるみたいです。


■「風炉灰」を仕立てる
「風炉灰」を仕立てる時は、よく乾かしたあく抜き灰を、
40目→50目→65目など目の荒い方から細かい順にふるい、更に乳鉢で擂るそうです。
ふるいで落ちない荒い灰は炉灰にすると良いようです。

風炉灰は、灰の粒子が細かく、なめらかなことが重要なため、
市販品では再現することが難しいみたいです。

風炉灰は洗わないそうです。これは、灰のアルカリ成分が水に溶けやすく、
水を通す事で抜けてしまうと思われる為とか、
洗った風炉灰をもとに戻すのは、すごく大変な作業だからといった理由があるみたいです。


■「炉灰」を仕立てる
「炉灰」を仕立てる時は、洗った灰を少々湿り気のあるかたまりのうち、
10目程(荒め)のふるいを通し、乾かせば完成みたいです。
ふるいは園芸用の土篩(細目)でも良いようです。
ポイントは、
@灰の粒子が荒く、粒もあり、ざらっとしていること。
A洗った灰は半乾のうちにふるう。
だそうです。

使用後の炉灰は、また洗って、ふるい、炉灰に仕立てて、乾燥させるとまた使えるとのこと。
乾燥は盛夏の頃が良いそうです。
この時、番茶や丁子などの煮汁をかけて乾かしても色が着いて良いみたいです。
1シーズン炉で炭を使うと、粒が砕けてサラサラになるので毎年洗って仕立直すことになるようです。


■「しめし灰」を仕立てる
「しめし灰」を仕立てる時は、あく抜き後の灰や使用済の炉灰に番茶や丁子などの煮汁をかけ、
手で揉みながら、茶汁(着色・湿気)をいき渡らせ、天日で干しながら乾燥させることから始めるようです。
この作業を着色に納得するまで繰り返し、湿り気があるうちに10目程のふるいを通すことで完成みたいです。
完成したら、湿り気が抜けないうちに壷などに入れて保存するそうです。

しめし灰の着色は、夏の暑い日に行うそうです。
これは、着色と乾燥が短時間で繰り返せる為なのだとか。


■灰の種類

ここでは、灰の種類を簡単にまとめてみます。
種類備考
生灰水を通していない灰。
あく抜き灰ゴミやアクを除去し用途に応じて仕立てた灰。
風炉灰(ふくさ灰)板風炉以外の風炉全般と瓶掛に用いる。
保存年数の長短により色が変化し、長い歳月をかけて手入れした灰ほど、
色に深みが出てくる。
また、香炉用の灰にも用いる。
藁灰稲藁の太くて芯が固い、丸みを帯びた真直ぐなものを選び、
塩水に浸して水気を切り、焙烙に並べて蓋をし、蒸焼きにしたもの。
名残のやつれ風炉や、擂鉢などの侘びた風炉に通常の灰形をして、
上に一本一本並べて使用する。
藤灰(化粧灰)樹皮を剥いだ藤を焼いたもの。
風炉の蒔灰に用い、土風呂の灰形を仕上げて、坎の卦を切ったあと、
最後に少量蒔く。
炉灰炉に灰を入れる時は、乾いた下地灰を入れ、
炉の中の形ができると、最後に湿し灰を全体に蒔く。
色の濃淡は、灰作りに費やした歳月の長短に比例する。
湿し灰蓄えた灰に湿り気を与えたもの。
火の熾(おこ)りを良くし、風情が加わるため、炉の灰の仕上げ、炉の蒔灰に使用する。
粒子の大小や色あいの異なる灰を、「雅な茶」「侘びの茶」「格調高い茶」など、
趣きによって使い分ける。
廻り炭之式の筋半田にも用いる。
縄灰稲藁を綯(な)った縄を燃やしたもの。
藁の灰の持ち味を崩さないようにして、厳寒期や侘びの趣向では、
席中の手焙や火桶、寄付や掛待合の大火鉢などに用いる。
籾灰籾殻を燻(くす)べて作った灰。
寒中の茶会や、待合の火鉢、本席の手焙と、種々出る際に、
目先を変えるために用いることもある。

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