茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。


なお、一部の作品、販売しています。

香盆ってこんなの

香盆(長盆)は、裏千家は塗り製を使い、表千家は桑製を使うようです。

神保博行著『香道の歴史辞典』の「香道用語集」をよると、
「四方盆(しほうぼん):正方形の香盆のこと。志野流では四方盆略手前に使用する。
また(中略)八角一枚札を並べる際には、 大中小と大きさが異なる三枚の四方盆が一組となった三枚盆を使用する。」
のだそうです。

香道志野流のお手前には、乱箱(乱盆)を使用する「真手前」の他に
「四方盆略手前」、「長盆略手前」のお手前があり、
四方盆式は十九世家元 幽求斎宗由宗匠、
長盆式は十八世家元 頑魯庵宗致宗匠が考案したお手前だそうです。

ここで、乱箱(みだればこ)について補足すると、
香元がお手前をする香道具一式を入れるもので、深さ7cm位の箱様の盆のことだのようです。
セットをする香道具の位置にも流派により一定の方式があり、これを組付(くみつけ)と呼ぶのだとか。
乱盆とも言って、御家流では蒔絵のものが多いが、志野流は桑生地も使用するみたいです。

香道には以下の流派があるそうです。

ちなみに、現在は、御家流と志野流の二つが主流となっているそうですが、 江戸時代には加えて米川流が盛んだったみたいです。
御家流 三条西実隆を流祖とし、室町時代以来大臣家である三条西家によって継承されたが、 後に亜流は地下(武士・町人)にも流れる。
戦後、一般市民(民間)の香道家・一色梨郷や山本霞月などにより、 堂上御家流香道を継承していた三条西尭山が正式に近代御家流宗家として推戴され、 三条西家の当主が御家流家元を継承している。現宗家は三条西尭水。
志野流 室町時代の志野宗信を発端とし、四代目から現在の蜂谷家に引き継がれる。 2009年現在家元は第二十世で、蜂谷幽光斎宗玄。
米川流 東福門院に指南したことで知られる米川常伯を祖と仰ぐ志野流の分流で、 大名家に広く支持されたが維新廃藩によりそのほとんどが絶えている。 現在、安藤家流として見ることができる。
風早流 江戸時代前期の公卿風早実種を祖とする御家流の分流であるが、現在は勢力が小さい。
古心流 柳原家。
泉山御流 家元・泉涌寺長老。
香道翠風流 2012年現在の家元は翠山。
香雅流 -
香道御家流 霽月会 前家元 山本霞月の流れを汲む流派。
香道直心流 昭和27年発足。家元は松崎雨香。会長は浅草寺第24世貫首、清水谷恭順大僧正。

作品名:溜塗香盆
価格:10,000円
備考:紙箱入

溜塗香盆
※画像を押すと拡大できます。
塗りの仕上げ法は「ろいろ仕上げ法」と「塗り立て法」に大別できるそうです。

「ろいろ仕上げ法(ろいろ塗)」というのは、
油の入らない漆を塗り、炭で研いでから摺り漆-磨き工程を繰り返し磨き仕上げを行いつやを上げる技法のようです。
ケヤキやトチの木地に使われ、木目の美しさを活かした「木地ろいろ」というのがあるみたいです。

「塗り立て法(塗り放し)」というのは、
刷毛を使って塗ったままで仕上げる技法のようです。
「溜塗(ためぬり)」は、ここに分類されるとのこと。

その他、「素材を貼った塗」「絞漆を使った塗」「摺漆仕上げ(拭き漆)」などがあるので、
漆塗に関して、以下に表にしてみようと思います。
ろいろ仕上げ 木地ろいろ 木地に目止めを行った上に透漆を塗り、ろいろ仕上げをしたもの。
塗り立て仕上げ 真塗(しんぬり) 以前は、黒漆の塗り放しのことだったが、
現在は、油の入っていない「黒ろいろ漆」や「赤ろいろ漆」に、
顔料を混入した色漆を刷毛で塗り放しで仕上げたもの。
溜塗(ためぬり) 褐色味の強い透明な漆を厚めに塗り立て仕上げたもの。
「朱溜塗」「紅溜塗」「黄溜塗」がある。
花塗(はなぬり) 真塗と同様に花塗うるし(油のはいった漆)を塗り放しで仕上げたもの。
朱塗(しゅぬり) 上塗りに、朱漆を使って塗り仕上げたもの。
潤塗(うるみぬり) 塗りの際に、朱漆や弁柄漆と黒漆をまぜたうるみ漆を塗って仕上げたもの。
また,黒漆に紅殻や朱を混合したり、
朱合漆に油煙と朱または紅殻を混ぜた漆を使って塗る場合もある。
素材を貼った塗 布目塗(布張塗/ぬのばりぬり) 布目の活かした変塗の一種。
素地あるいは錆研ぎした上に,麻布を糊漆で貼り、
布目に錆漆をしごき付けて軽く研ぎ、
その上に「下塗り」「中塗り」を行い最後に「上塗り」を塗り立てて仕上げたもの。
一閑塗(いっかんぬり) 薄美濃紙などの和紙を糊漆で貼り、薄く刷毛で漆を塗り紙肌を残して仕上げたもの。
白檀塗(びゃくだんぬり) 中塗り後箔を貼り、褐色味の強い透明の漆を塗って仕上げたもの。
絞漆を使った塗 刷毛目塗 絞漆(しぼうるし)を使い、刷毛目を残してその面白さを活かした塗。
刷毛目の高さは絞漆の粘稠剤の種類や量によって調節できる。
叩き塗 下塗りをした上に、絞漆を塗り、絹でつつんだ「たんぽ」を使って、
塗面を軽く叩いて皺のような模様をつくりながら塗っていく方法。
塗った絞漆の種類や量によって皺の高さが違ってくる。
摺漆仕上げ(拭き漆) 摺漆 生漆を布などにつけ、木地に摺り込み、余分な漆を和紙などでふき取る。
これを7〜8回ほど繰り返して行い薄く均一な漆膜を作り仕上げる木地を生かした塗技法。


作品名:桑香盆
備考:紙箱入

桑香盆
※画像を押すと拡大できます。
桑を含め、広葉樹の国産材にはいろいろありますが、
ここでは、その中から適当に選んだ何種類かを説明しようと思います。
木材の種類備考
椈・山毛欅(ぶな) 産地北海道南部から本州、四国、九州。
色調辺材は淡い黄白色ないし淡紅色で、偽心材は褐色ないし紅褐色。
性質材は重硬で均質であるが、腐朽や狂いは、はなはだしく、
乾燥と取扱いが適切なら用材としての価値を発揮する。特に、曲木加工に適する。
その他材面に放射組織の小さな斑点が現われるのが特徴

桐(きり) 産地北海道南部以南の他、ブラジル、パラグアイ、マレーシア等でも植栽。
アメリカにも自生。
色調くすんだ白色をし、髄は空洞となる。
アクが強く、アク抜きを怠ると、年月を経ると徐々に黒ずむ。
性質日本の木材中最も軽く、切削等の加工は極めて容易。反面、強度は劣る。
その他日本桐の他に、台湾桐、九重桐などの種類があるが、見分けは困難。

欅(けやき) 産地本州、四国、九州に自生し、朝鮮にも分布する。
色調辺材と心材の区分は明瞭で、辺材は灰白色で心材は黄褐色。年輪は明瞭で光沢がある。
性質材はやや重硬で、耐湿・耐久性に優れる。
一方、狂いやあばれが落ち着くまでに、かなりの乾燥時間を要する。
その他古くは、ツキ(槻)とも呼ばれた。
玉杢、牡丹杢、泡杢などの美しい木目模様が現われることがある。

桑(くわ) 産地日本各地に自生し、樺太、朝鮮、中国にも分布する。
色調辺材は黄白色、心材は黄褐色であるが、老樹になると黒味をおびる。
光沢があり木理は美しい。
性質木質はやや重硬で加工はやや難しい。木肌は緻密で仕上がり面は美しい。
狂いは少なく、心材の耐朽性、保存性は高い。
その他樹皮は黄色の染料や和紙の原料となる。

栗(くり) 産地北海道西南部から本州、四国、九州に生育。朝鮮などにも分布する。
色調辺材は狭く、褐色を帯びた灰白色。心材は褐色。
材はタンニンを多く含み、年数が経つと徐々に濃くなり栗色から黒褐色に変化する。
年輪は明瞭。
性質材は重硬で弾力に富む。水湿によく耐え、材の保存性は極めて高い。
加工はやや困難。釘打ちなどで割れやすく予備穴が必要。
その他英語で栗はチェスナットといい、マロンはフランス語。

楠(くす) 産地関東以南の暖地、特に海岸に多い。また、台湾・中国にも分布する。
色調辺材は灰白色から淡黄褐色、心材は紅褐色から暗緑を帯びる。
材はくすんだように見えることもあるが、時に美しい杢が出ることもある。
性質木肌は緻密で、耐湿・耐久性に優れる。加工は容易。乾燥時には狂いが出やすい。
その他根瘤が付きやすく、玉杢や葡萄杢などの美麗な杢が現われる。

春楡(はるにれ) 産地北海道、本州と広いが、大部分は北海道に産する。
また、樺太、千島、朝鮮、中国、シベリアなど広域に生育する。
色調辺材は黄白色、心材は淡褐色。木目は明瞭で美しい。
性質材は、やや重硬で加工はやや困難。ねばりがあるので曲木に適する。
その他一般に言うニレは、ニレ科の樹木の総称で、
「ハルニレ」のほか「アキニレ」「オヒョウ」などがある。

柿の木・黒柿(かきのき/くろがき) 産地日本や中国に分布。本州西部以南に野生のものがあるが、
果樹として全国に広く植裁されている。
色調全体に淡い橙褐色を帯びている。
孔雀の羽の模様に似た孔雀杢が現れることがある。
性質材は重硬で、肌目は緻密。硬いがゆえに加工性にやや難があり、割れやすい。
その他柿渋は漆器の下塗りや渋紙、塗料、防腐剤として用いられる。



作品名:桑香盆セット(上図)
価格:12,000円
備考:紙箱入

作品名:真塗香盆セット(下図)
備考:紙箱入/お盆に少々摺りあり

香盆セット
※画像を押すと拡大できます。
茶道で、聞香(もんこう)の準備をする場合、
聞香炉(もんこうろ)に香炭団(こうたどん)を埋めて灰を押し、
重香合(じゅうこうごう)には、香木を入れた香包(こうづつみ)と、
銀葉(ぎんよう)を入れるそうです。

香盆の上に重香合を、左に聞香炉を載せ、
中央に銀葉鋏を横一文字に置き、
香箸を縁にかけて手なりに置くようです。

聞香炉は、灰を押切にするみたいです。

大切なのは、香炭団が消えないようにすることだそうです。
そのためには、灰(風炉灰)を温めておき、
底からよくかき混ぜて、空気を含ませておくことだとか。

香を焚く際、頂上に銀葉を載せるので、
火入の炭と異なり、香炭団を傾けずに、
まっすぐ立てて埋めるそうです。

重香合には、
上段に香を包んだ香包、
中段に銀葉を入れ、
下段は香の焚きがらを入れ、
蓋を閉めるようです。



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