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=====朝顔釘===== =====稲妻釘===== =====稲妻走釘===== =====折釘===== =====落掛釘===== ------------か行---------- =====掛物釘===== =====釜蛭釘===== =====喚鐘釘===== =====華鬘釘===== ------------さ行---------- =====軸釘===== =====軸掛釘===== =====撞木釘===== =====撞木掛釘===== =====隅打釘===== ------------た行---------- =====竹釘===== =====銅鑼釘===== ------------な行---------- =====中釘===== =====二重折釘===== ------------は行---------- =====柱釘===== =====走釘===== =====花釘===== =====花蛭釘===== =====蛭鐶===== =====蛭鉤===== ------------ま・や・ら・わ行---------- =====向釘===== =====無双蛭釘===== =====無双折釘===== =====無双釘===== =====役釘===== =====柳釘===== |
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種類 | 備考 |
役釘 | 床の間などに掛物や花入などを掛けるために打たれる釘全般のこと。 |
中釘(向釘) | 茶室の床の間の壁の中央に打ってある折れ釘型の金具。
掛花入を掛ける。 古くは折釘が用いられたが、 花入を掛けない時には軸が掛かるため、 後には掛物の裏を損じないよう、 折釘の先が出し入れできる無双折釘が多く使われるようになった。 書院造りでは、紙を貼ってある張付壁なため、中釘は打たない。 土壁の床の場合、一間以上あっても、中釘を打つ。 七事式で一間床の時、掛軸と花を両方飾る諸飾りで行う花月や且座などの場合、 中釘は使わないが、廻り花の場合は、正式には、中釘に花入を掛ける。 中釘の高さは、 「不審庵」は床天井六尺六寸で三尺一寸一分、 「待庵」は床天井五尺二寸三分で三尺三寸五分、 「又隠」は床天井六尺七寸三分で三尺三寸、 「如庵」は床天井六尺四寸五分で三尺五寸、 「官休庵」は床天井六尺二寸三分で三尺七寸二分 となっている。 『利休百首』に 「花入の折釘うつは地敷居より 三尺三寸五分余もあり」 とある。 |
無双折釘 (無双釘) | 座が丸浮(まるうき)のものと、
平沈(ひらしずみ)のものがあり、 丸浮のものは表千家、平沈のものは裏千家で用いられる。 |
軸釘 (掛物釘・軸掛釘) | 床の間の正面の壁に、掛物を掛けるために打たれる釘のこと。
竹釘と金属釘の二種がある。 |
竹釘 | 軸釘の一種。
釘先が、床の間の天井中央廻縁下端より九分下がり、 壁から九分出るように、皮目を上にして斜めに打つ。 張付壁の床の間などには打たず、 天井廻縁下端に二重折釘を打つ。 横幅の広い大横物を掛けるために、三本の竹釘(三ツ釘)を打つことがある。 『利休百首』に 「掛物の釘打つならば大輪より 九分下げて打て釘も九分なり」 「竹釘は皮目を上にうつぞかし 皮目を下になすこともあり」 「三つ釘は中の釘より両脇と 二つわりなるまんなかに打て」 とある。 |
稲妻走釘 | 軸釘の一種。
床の間の廻縁下端に仕込んで左右に動くようにした、 頭を二重に折り曲げて鉤形にした釘。 床の間に二幅対や三幅対や広幅の横物などを掛けるとき、 二重折釘を水平に移動して掛物の幅に合うようにするために使われる。 普通は廻縁の下に取り付けた細い横木「四分一(しぶいち)」に仕込むことが多く、 「無双四分一(むそうしぶいち)」という、掛軸を吊るす釘がついたものもある。 |
二重折釘 | 軸釘の一種。
床の間の天井廻縁下端に、掛物を掛けるために打つ、 頭を二重に折り曲げた釘のこと。 紹鴎時代までの床の間の内壁は、釘を打つことができなかったため、 天井廻縁下端に打った。 |
走釘(はしりくぎ) | 軸釘の一種。
織部床などの化粧板(雲板)に仕込んで左右に動くようにした折釘。 床の間に、二幅対や三幅対や広幅の横物などを掛けるときに、 折釘を水平に移動して掛物の幅に合うようにするために使われる。 |
折釘 | 軸釘の一種。
床の間の天井中央廻縁下端より九分がったところに打つ。 |
花釘(柱釘) | 床の間の床柱に、掛花入を掛けるために打つ折釘。
太口と細口があり、通常広間には太口、小間には細口を使用する。 花釘の高さは、通常、広間で四尺内外、小間では三尺六寸内外、 およそ床框と落し掛けとの間の三分の二くらいの所に打つ。 花釘の高さは、 「不審庵」は三尺七寸四分、 「待庵」は三尺九寸、 「又隠」は三尺七寸、 「如庵」は三尺五寸五分、 「官休庵」は三尺九寸 となっている。 |
落掛釘(おとしがけくぎ) 華鬘釘(けまんくぎ) | 床の間の落し掛けの中央正面あるいは裏側に、
釣花入を掛けるために打つ折釘。 千利休は落掛けの内側に、元伯宗旦は落掛けの外側に打った。 『利休相伝之書』に 「釣舟の花入は床のおとしかけの内の真中に釣也、 昔は出舟入舟とて口伝有たれとも、 灯台は舟のへさきを上座に成して釣也」 とある。 |
隅打釘 (柳釘) | 正月の床飾りである結び柳を入れる青竹の花入を掛けるために、
床の間奥の入隅柱に打つ折釘。 角柱用の折座のもの、丸柱用の平座のもの、座のないものがある。 小間では楊子柱に、広間では床柱の正面や床の入隅柱に打つ。 高さは柳が床の天井に当たらないように、 天井廻縁の下端より一尺程下げたところに、 釘の向きを床の奥の壁から四五度の角度になるように斜めに打つ。 元伯宗旦が四畳半茶室「又隠」で、床の入隅でなく、 道具畳の向隅の塗出柱に打つことを好んだ。 |
稲妻釘 (喚鐘釘・銅鑼釘) | 床脇や琵琶床などの天井に、
銅鑼・喚鐘・訶梨勒を吊るすために打つ、 頭を三重に折り曲げて稲妻形にした釘。 銅鑼などを前から奥へ掛けるために、 床脇などの天井の真中に口を前にして打つ。 大きさに、大・中・小があり、 板に穴を開け釘を通し宛木を入れ、 金具で固定する栓差(せんさし)になっている。 |
撞木釘 (撞木掛釘) | 書院や床脇などに喚鐘を吊った場合に、
撞木を掛けるために柱に打つ、座なしの折釘。 撞木の掛け方により一本打つ場合と二本打つ場合があり、 一本の場合は撞木の柄にある掛緒を掛け、 二本の場合は撞木の頭の部分を上にして、 二本の釘に掛け柄を真中に吊るすようにする。 丸柱の場合は一本、角柱の場合は二本並べて打つといい、 表千家松風楼では琵琶棚との境の柱に一本、 裏千家の寒雲亭の書院では向かって右の柱に、 一分五厘幅で五分の出で二本打ってある。 |
花蛭釘 | 床の間の天井に、釣花入を吊るすために打つ蛭釘。
利休の頃までは、床天井の中央に打ち鎖をかけいたが、 のちに床天井の前後中央で、 左右は下座寄り三分の一の位置に打つのが定法となった。 表千家では、通常床天井の前後中央で左右は下座寄り三分の一の位置に、 蛭先を下座に向けて打つ。 裏千家では、通常床天井の前後中央で左右は下座寄り三分の一の位置に、 一間床以上では下座寄り四分の一の位置に、 鉤先は床の間の中心に向けて打つ。 |
朝顔釘 | 床の間の袖壁にある下地窓などに、
朝顔などの蔓物を生ける花入を掛けるために打つ折釘。 釘の先が割れて両側に開くようになっている割足釘で、 下地の葭の間に入れた竹を打ち抜いて、 外れないように割足先を両側に開いて固定するようになっている。 |
無双蛭釘 | 折釘の一種で、床の壁中央に打たれる中釘として打たれる。
掛け花入を掛けるための釘で、釘の部分が引き出し式になっている。 これ、初座で床に掛物をかけるときには、掛物を損じないように、 中に入れておけるようにするため。 |
釜蛭釘 (蛭鐶・蛭鉤) | 釣釜をかけるために天井に取り付ける釘。
炉の上方中央に、鉤先が下座を向くように打つ。 広間は鎖、小間は自在に、弦(つる)・大鐶を用いて釜を釣る。 蛭釘は、もともと蛭の羅隊をした中太の釘のこと。 |