茶道具 翔雲堂

ちょこっと和歌

何処(いづく)にか 船泊(ふなは)てすらむ 安礼(あれ)の崎 漕(こ)ぎ廻(た)み行きし 棚無(たなな)し小舟(をぶね)

(高市連黒人[たけちのむらじくろひと]『万葉集』巻1-58)


商品No.0286
作品名:水玉蓋置(トルコ釉)
作者:加賀瑞山
価格:8,000円
備考:桐箱入
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何処にか 船泊てすらむ 安礼の崎
 漕ぎ廻み行きし 棚無し小舟

高市連黒人が旅先で詠んだ和歌みたいです。

旅の途中の宿に泊まって、
昼間見た小舟の事を思い、
自分の旅に対する不安を、
海に浮かぶ小舟に重ねてしまっているようです。

この時代の人々は、旅先の道々に、
その土地に居ついた神々や精霊がいると信じたそうです。

そこを通る時には、幣をささげたり、
土地讃めの歌を詠んで旅の無事を祈ったのだとか。

逢魔ヶ時(夕方)から夜は、
神々や精霊、悪しき魔物が、
もっとも活動を活発にする時間と、
信じられたみたいです。

「いまごろは何処に船を泊めているのだろう、
 安礼の崎を漕ぎめぐって行った、
 あの小さな棚無しの舟は・・・。」


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