月 | 菓銘 | ご製 | 備考 |
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1 | かるかん | 明石屋 | 島津斉彬、1854年、菓子職人八島六兵衛を藩の御用菓子人とし、 山芋とうるち米を配して創製した蒸し菓子。白くて四角い。 |
益寿糖(えきじゅとう) | いと重菓舗 | 1716年頃から御用を承っていたという、禁裡へ献上していた薬菓子。 もち米、砂糖、ごま、肉桂などを練って、求肥餅のように仕立てた彦根銘菓。 白っぽくて四角い。 | |
寒紅梅(かんこうばい) | 川端道喜 | 少し黒みがかった本紅で染めた餅皮に、ふっくらと五弁状にヘラを入れて、 こし餡を包んだもの。 | |
2 | 下萌(したもえ) | 鶴屋吉信 | 白い外郎皮のしたからほのかに戻り色が見える、口当たりの柔らいかい菓子。 |
玉椿(たまつばき) | 越後屋若狭 | 紅椿の美しさを練り込んで作られた菓子。 | |
此の花(このはな) | 松屋常盤 | 此の花は、梅の花の異称。中は小豆餡を丸め、外は紅白の金団を染め分けに着せる。 裏千家十一代玄々斎は「咲分(さきわけ)」と銘した。 | |
梅衣(うめころも) | 川端道喜 | 柔肌のような餅でこし餡を包み、手際良く折り畳んで、花のしなやかさを表わしている淡彩色の餅菓子。 梅の焼印が付いている。 | |
椿餅(つばきもち) | 川端道喜 | 日本最古の餅菓子。餡を道明寺ホシイで包み、上下に先を少し切った椿の葉を当てる。 | |
3 | 若緑金団(わかみどりきんとん) | 越後屋若狭 | 緑のよもぎ餡と白餡を大胆に色分けしたもの。 |
引千切(ひっちぎり) | 末富 | よもぎ餅のくぼみに小豆餡を載せる。角のようなところはちぎったときにできる。 | |
花車(はなぐるま) | 末富 | 花弁を順に風車のように折りたたんで、薄桃色の薄皮で餡玉を包んだもの。 | |
蕨餅(わらびもち) | 鶴屋吉信 | 蕨粉を煮て固めた皮で、こし餡を丸く包み、表面に豆の粉をつけたもの。 | |
西王母(せいおうぼ) | 鶴屋八幡 | 中国の伝説に西王母という長寿の仙女が、三千年に一度実を結ぶ桃を漢の武帝に献上した。 この桃を紅色のこなしでかたどった黄身餡入りのもの。 | |
4 | 木の芽薯蕷(きのめじょうよ) | 鶴屋吉信 | つややかな白い肌の薯蕷饅頭の上に、香りの良い山椒の若芽を飾った端正な菓子。 |
水山吹(みずやまぶき) | 鶴屋吉信 | 軽羹の黄色地で上下をはさみ、中央に若緑の羊羹をいれている菓子。 | |
春の水(はるのみず) | 末富 | 薯蕷饅頭を渦の形にまとめ、うっすらと水色に染めぼかした菓子。 | |
嵯峨の春(さがのはる) | 川端道喜 | 薄紅の道明寺皮を仕立て、氷餅の粉をまぶしている菓子。 | |
花筏(はないかだ) | 川端道喜 | 紅に染めた求肥皮で桜の焼印を散らしている菓子。 | |
鶏卵素麺(けいらんそうめん) | 鶴屋八幡 | 江戸時代に唐船で南蛮人から伝習したものの一種。 鶴屋八幡のものは、卵の香りが抹茶の香りをそがないよう改良されている。 | |
5 | 岩根躑躅(いわねつつじ) | 松屋常盤 | 黄緑の金団の山に、紅色を取り入れた、さえざえとした色合いの菓子。 |
落とし文(おとしぶみ) | 末富 | 木の葉を巻いた形をしている菓子。 | |
五月雨(さみだれ) | 越後屋若狭 | 降り続く雨足の流れを小豆餡の筋で表し、表面を清澄な錦玉で覆った菓子。 | |
菖蒲饅頭(あやめまんじゅう) | 虎屋 | 薯蕷饅頭仕立てで、菖蒲の図柄を染めていて、紫と緑の彩りの入れ方が趣のある蒸し菓子。 | |
麦手餅(むぎてもち) | 松屋常盤 | 餅皮に豆の粉をまぶし、中はこし餡の大振りな餅が原型となっている菓子。 | |
唐衣(からごろも) | 末富 | 謡曲『杜若(かきつばた)』を織り込んだも。、 しっとりとした外郎皮で餡を花の形に包んている菓子。 | |
粽(ちまき) | 川端道喜 | 吉野葛を練った水仙粽は笹の葉の表で巻き、羊羹粽は裏巻きにしてイグサで縛る菓子。 | |
6 | 水藻の花(みずものはな) | 生風庵 | 葛の皮から青えんどう餡が透けて見える菓子。 |
夏木立(なつこだち) | 鶴屋八幡 | 白餡を赤い外郎で包み、さらに吉野葛を薄く流して包んだ葛菓子。 葛の端々から紅がのぞく。 | |
葛饅頭(くずまんじゅう) | 虎屋 | こし餡を丸めて、上質の吉野餡を水溶きし、砂糖を加えて練ったものをかけて包んだ菓子。 | |
紫陽花(あじさい) | さゝま | 錦玉羹をさいの目にして、泡雪羹でまとめ、中はさらりとした甘さの白餡の菓子。 | |
青梅(あおうめ) | 美鈴 | 餡玉を梅干しをすり混ぜた緑餡で梅形に包み、砂糖をまぶした菓子。 | |
7 | 七夕(たなばた) | さゝま | 白地に赤が目立つ四角い菓子。 |
星の影(ほしのかげ) | 川端道喜 | こし餡入りの薄紅と黄色の団子を青竹の串に間をあけて通し、牽牛と織女を表わした菓子。 | |
玉だれ(たまだれ) | 栄太楼総本舗 | 緑色の餡に山葵の風味をきかせ、求肥で巻き込んだ菓子。 | |
水牡丹(みずぼたん) | 越後屋若狭 | 薄紅色がほのかにのぞく薯蕷餡を絞り、錦玉で巻いた、いくぶん大振りの菓子で、青葉を添える。 | |
夏衣(なつごろも) | 鶴屋吉信 | 寒天のなかに道明寺粉を混ぜ込んで不透明にした皮で、小豆のこし餡を巻いた菓子。 | |
8 | 水面(みなも) | 末富 | 紅色のこし餡を入れて渦型に流し固めた菓子。錦玉には寒天と砂糖で透明に仕上げるもののほか、 こし餡や道明寺ホシイを混ぜるものもある。 |
岩もる水(いわもるみず) | 鶴屋吉信 | 錆のある草色に染めて煮た葛を岩に、白い部分を水に見立てた菓子。 上質の本葛を使って透明感を際立たせている。 | |
朝顔(あさがお) | 末富 | 外郎皮で紅のこし餡を畳み包んだ形の菓子。 | |
水羊羹(みずようかん) | 越後屋若狭 | 甘みも薄く、するりとのどを過ぎる柔らかさは、暑い季節にピッタリと合う。 | |
琥珀(こはく) | 末富 | 寒天と砂糖を主体にした錦玉羹に大徳寺納豆を散らしてあり、ほのかに塩気がある菓子。 | |
9 | 桔梗餅(ききょうもち) | 虎屋 | 小豆のこし餡を和三盆の白下糖風味の河で包んだ餅菓子。 |
初雁(はつかり) | 松屋常盤 | 百合根を散らし込んだ黒砂糖入りの葛菓子。 | |
萩の餅(はぎのもち) | 川端道喜 | もち米とうるち米を合わせて蒸し、つぶして小豆餡で包んだ菓子。 | |
豊年(ほうねん) | 鶴屋吉信 | 黄色の軽羹ふうを実った稲に、羊羹仕立ての緑色を豊作の稲田に見立てた菓子。 | |
山路の菊(やまじのきく) | 鶴屋八幡 | 栗の風味、香りを生かし小豆のこし餡と合わせた菓子。 | |
10 | まさり草(まさりぐさ) | 鶴屋吉信 | まさり草は菊の異名。外郎皮で細かく花弁を写し、中は小豆のこし餡で、腰高にまとめたも菓子。 |
山づと(やまづと) | 末富 | 薯蕷皮で餡を包んだ菓子で、中に栗が入っている棹物。 | |
栗金団(くりきんとん) | 越後屋若狭 | 新栗の自然な色合い、自然の香りが際立つ菓子。そぼろの姿が端麗。 | |
11 | 龍田餅(たつたもち) | 川端道喜 | 薄紅色の細長い餅皮で餡を三角に包み、紅葉型の焼印を打って仕上げた菓子。 |
よわい草(よわいくさ) | 鶴屋吉信 | よわい草(ももよ草)は菊の異名。葉を思わせる小豆色のぼかしが品の良い菓子。 | |
織部饅頭(おりべまんじゅう) | 虎屋 | 薯蕷饅頭の包み皮に、織部焼の釉が緑色を染め、井げたなどの焼印を押した菓子。 | |
初霜(はつしも) | 松屋常盤 | 紅葉、黄葉に彩られた秋の山々の連想を金団で表わし、つくねいものそぼろを霜に見たてて添えた菓子。 | |
12 | 袴腰餅(はかまごしもち) | 川端道喜 | 餅皮でこし餡を包み、袴腰のような形にした菓子。 |
柴の雪(しばのゆき) | 松屋常盤 | 小倉餡を入れた小豆金団は、黒砂糖台の味わいで、つくねいもを裏ごししている菓子。 | |
姫椿(ひめつばき) | 鶴屋吉信 | 薄紅色の外郎製で、中は白餡。口触りがやわらかい。 | |
蕎麦饅頭(そばまんじゅう) | 虎屋 | 薯蕷皮に蕎麦粉を加えて素朴な味わいにした菓子。上に黒胡麻が載っている。 | |
うすらひ | 亀末広 | 薯蕷餡の上下の間に黒餡をはさみ、一つの方形を氷裂形に切り目を入れた菓子。 |
読み:おもがし
主菓子 |
生菓子の中でも上品なもの「上生(じょうなま)」を指すらしく、大福・おはぎなどの「朝生(あさなま)」は別物みたいです。
十二か月でも違いをつけていて、1月の「葩餅(はなびらもち)」、六月の「紫陽花」、十一月の「吹寄せ」 などいろいろあるようです。 |
読み:ひがし
干菓子(乾菓子) |
水分20%以下の和菓子の総称で、生菓子と対をなす言葉ですが、茶菓子としては「朝生」は省くみたいです。
水分30〜35%の「半生菓子」(最中や石衣)なんてのもあったりします。(半生菓子は、もう干菓子とは違うかな?) 主菓子同様、八月の「団扇」、九月の「兎煎餅」などいろいろあるようです。 |
読み:ふりだし
振出 |
そもそもここに分類して良いのかどうか・・・。
茶箱に仕組んで、金平糖や砂糖豆・霰(あられ)・甘納豆など小粒の菓子を入れる小形の菓子器のことだとか。 名称は、お菓子を振って出すから振出とのこと。でも茶道では回し出し。 なお、振出に関しては 「振出について」のページ にて別途説明しています。 |