茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。

主菓子・干菓子・振出?

北海道と言えば、京都に負けないおいしいお菓子がたくさん。
例えば、千秋庵「本栗」、柳月「きなごろも」、六花亭「べこ餅」、
三星「よいとまけ」、へそまんじゅう本舗「へそまんじゅう」、
壺屋総本店「き花」、高橋製菓「氷点下41度」、花月堂「どらやき」、
菓子處大丸「ほっちゃれ」・・・。どれもおいしいですよ。


■奇数は陽数
お茶菓子は、1・3・5と奇数個でお出ししますが、これは陰陽思想の奇数は陽数
というところから来ているみたいです。

中国で陽数は、神聖なるもの・無限なるもの・偉大なるものを意味し、
上は皇帝から下は庶民まで、縁起のよいものとして愛用されているとのこと。
中国ではとくに始めと終わりの「三」と「九」にこだわる傾向が強いそうです。

陽数の極になる9が重なる日は「重陽」と言うのもここから来ているようです。


■菓銘とご製
以下に、月別の代表的なお茶菓子を一覧にしてみようと思います。
※参考にした資料が古いため、現在、存在しない菓子があるかもしれません。
菓銘ご製備考
1かるかん明石屋 島津斉彬、1854年、菓子職人八島六兵衛を藩の御用菓子人とし、 山芋とうるち米を配して創製した蒸し菓子。白くて四角い。
益寿糖(えきじゅとう)いと重菓舗 1716年頃から御用を承っていたという、禁裡へ献上していた薬菓子。 もち米、砂糖、ごま、肉桂などを練って、求肥餅のように仕立てた彦根銘菓。 白っぽくて四角い。
寒紅梅(かんこうばい)川端道喜 少し黒みがかった本紅で染めた餅皮に、ふっくらと五弁状にヘラを入れて、 こし餡を包んだもの。
2下萌(したもえ)鶴屋吉信 白い外郎皮のしたからほのかに戻り色が見える、口当たりの柔らいかい菓子。
玉椿(たまつばき)越後屋若狭 紅椿の美しさを練り込んで作られた菓子。
此の花(このはな)松屋常盤 此の花は、梅の花の異称。中は小豆餡を丸め、外は紅白の金団を染め分けに着せる。 裏千家十一代玄々斎は「咲分(さきわけ)」と銘した。
梅衣(うめころも)川端道喜 柔肌のような餅でこし餡を包み、手際良く折り畳んで、花のしなやかさを表わしている淡彩色の餅菓子。 梅の焼印が付いている。
椿餅(つばきもち)川端道喜 日本最古の餅菓子。餡を道明寺ホシイで包み、上下に先を少し切った椿の葉を当てる。
3若緑金団(わかみどりきんとん)越後屋若狭 緑のよもぎ餡と白餡を大胆に色分けしたもの。
引千切(ひっちぎり)末富 よもぎ餅のくぼみに小豆餡を載せる。角のようなところはちぎったときにできる。
花車(はなぐるま)末富 花弁を順に風車のように折りたたんで、薄桃色の薄皮で餡玉を包んだもの。
蕨餅(わらびもち)鶴屋吉信 蕨粉を煮て固めた皮で、こし餡を丸く包み、表面に豆の粉をつけたもの。
西王母(せいおうぼ)鶴屋八幡 中国の伝説に西王母という長寿の仙女が、三千年に一度実を結ぶ桃を漢の武帝に献上した。 この桃を紅色のこなしでかたどった黄身餡入りのもの。
4木の芽薯蕷(きのめじょうよ)鶴屋吉信 つややかな白い肌の薯蕷饅頭の上に、香りの良い山椒の若芽を飾った端正な菓子。
水山吹(みずやまぶき)鶴屋吉信 軽羹の黄色地で上下をはさみ、中央に若緑の羊羹をいれている菓子。
春の水(はるのみず)末富 薯蕷饅頭を渦の形にまとめ、うっすらと水色に染めぼかした菓子。
嵯峨の春(さがのはる)川端道喜 薄紅の道明寺皮を仕立て、氷餅の粉をまぶしている菓子。
花筏(はないかだ)川端道喜 紅に染めた求肥皮で桜の焼印を散らしている菓子。
鶏卵素麺(けいらんそうめん)鶴屋八幡 江戸時代に唐船で南蛮人から伝習したものの一種。 鶴屋八幡のものは、卵の香りが抹茶の香りをそがないよう改良されている。
5岩根躑躅(いわねつつじ)松屋常盤 黄緑の金団の山に、紅色を取り入れた、さえざえとした色合いの菓子。
落とし文(おとしぶみ)末富 木の葉を巻いた形をしている菓子。
五月雨(さみだれ)越後屋若狭 降り続く雨足の流れを小豆餡の筋で表し、表面を清澄な錦玉で覆った菓子。
菖蒲饅頭(あやめまんじゅう)虎屋 薯蕷饅頭仕立てで、菖蒲の図柄を染めていて、紫と緑の彩りの入れ方が趣のある蒸し菓子。
麦手餅(むぎてもち)松屋常盤 餅皮に豆の粉をまぶし、中はこし餡の大振りな餅が原型となっている菓子。
唐衣(からごろも)末富謡曲『杜若(かきつばた)』を織り込んだも。、 しっとりとした外郎皮で餡を花の形に包んている菓子。
粽(ちまき)川端道喜 吉野葛を練った水仙粽は笹の葉の表で巻き、羊羹粽は裏巻きにしてイグサで縛る菓子。
6水藻の花(みずものはな)生風庵 葛の皮から青えんどう餡が透けて見える菓子。
夏木立(なつこだち)鶴屋八幡 白餡を赤い外郎で包み、さらに吉野葛を薄く流して包んだ葛菓子。 葛の端々から紅がのぞく。
葛饅頭(くずまんじゅう)虎屋 こし餡を丸めて、上質の吉野餡を水溶きし、砂糖を加えて練ったものをかけて包んだ菓子。
紫陽花(あじさい)さゝま 錦玉羹をさいの目にして、泡雪羹でまとめ、中はさらりとした甘さの白餡の菓子。
青梅(あおうめ)美鈴 餡玉を梅干しをすり混ぜた緑餡で梅形に包み、砂糖をまぶした菓子。
7七夕(たなばた)さゝま 白地に赤が目立つ四角い菓子。
星の影(ほしのかげ)川端道喜 こし餡入りの薄紅と黄色の団子を青竹の串に間をあけて通し、牽牛と織女を表わした菓子。
玉だれ(たまだれ)栄太楼総本舗 緑色の餡に山葵の風味をきかせ、求肥で巻き込んだ菓子。
水牡丹(みずぼたん)越後屋若狭 薄紅色がほのかにのぞく薯蕷餡を絞り、錦玉で巻いた、いくぶん大振りの菓子で、青葉を添える。
夏衣(なつごろも)鶴屋吉信 寒天のなかに道明寺粉を混ぜ込んで不透明にした皮で、小豆のこし餡を巻いた菓子。
8水面(みなも)末富 紅色のこし餡を入れて渦型に流し固めた菓子。錦玉には寒天と砂糖で透明に仕上げるもののほか、 こし餡や道明寺ホシイを混ぜるものもある。
岩もる水(いわもるみず)鶴屋吉信 錆のある草色に染めて煮た葛を岩に、白い部分を水に見立てた菓子。 上質の本葛を使って透明感を際立たせている。
朝顔(あさがお)末富 外郎皮で紅のこし餡を畳み包んだ形の菓子。
水羊羹(みずようかん)越後屋若狭 甘みも薄く、するりとのどを過ぎる柔らかさは、暑い季節にピッタリと合う。
琥珀(こはく)末富 寒天と砂糖を主体にした錦玉羹に大徳寺納豆を散らしてあり、ほのかに塩気がある菓子。
9桔梗餅(ききょうもち)虎屋 小豆のこし餡を和三盆の白下糖風味の河で包んだ餅菓子。
初雁(はつかり)松屋常盤 百合根を散らし込んだ黒砂糖入りの葛菓子。
萩の餅(はぎのもち)川端道喜 もち米とうるち米を合わせて蒸し、つぶして小豆餡で包んだ菓子。
豊年(ほうねん)鶴屋吉信 黄色の軽羹ふうを実った稲に、羊羹仕立ての緑色を豊作の稲田に見立てた菓子。
山路の菊(やまじのきく)鶴屋八幡 栗の風味、香りを生かし小豆のこし餡と合わせた菓子。
10まさり草(まさりぐさ)鶴屋吉信 まさり草は菊の異名。外郎皮で細かく花弁を写し、中は小豆のこし餡で、腰高にまとめたも菓子。
山づと(やまづと)末富 薯蕷皮で餡を包んだ菓子で、中に栗が入っている棹物。
栗金団(くりきんとん)越後屋若狭 新栗の自然な色合い、自然の香りが際立つ菓子。そぼろの姿が端麗。
11龍田餅(たつたもち)川端道喜 薄紅色の細長い餅皮で餡を三角に包み、紅葉型の焼印を打って仕上げた菓子。
よわい草(よわいくさ)鶴屋吉信 よわい草(ももよ草)は菊の異名。葉を思わせる小豆色のぼかしが品の良い菓子。
織部饅頭(おりべまんじゅう)虎屋 薯蕷饅頭の包み皮に、織部焼の釉が緑色を染め、井げたなどの焼印を押した菓子。
初霜(はつしも)松屋常盤 紅葉、黄葉に彩られた秋の山々の連想を金団で表わし、つくねいものそぼろを霜に見たてて添えた菓子。
12袴腰餅(はかまごしもち)川端道喜 餅皮でこし餡を包み、袴腰のような形にした菓子。
柴の雪(しばのゆき)松屋常盤 小倉餡を入れた小豆金団は、黒砂糖台の味わいで、つくねいもを裏ごししている菓子。
姫椿(ひめつばき)鶴屋吉信 薄紅色の外郎製で、中は白餡。口触りがやわらかい。
蕎麦饅頭(そばまんじゅう)虎屋 薯蕷皮に蕎麦粉を加えて素朴な味わいにした菓子。上に黒胡麻が載っている。
うすらひ亀末広 薯蕷餡の上下の間に黒餡をはさみ、一つの方形を氷裂形に切り目を入れた菓子。


読み:おもがし
主菓子
生菓子の中でも上品なもの「上生(じょうなま)」を指すらしく、大福・おはぎなどの「朝生(あさなま)」は別物みたいです。
十二か月でも違いをつけていて、1月の「葩餅(はなびらもち)」、六月の「紫陽花」、十一月の「吹寄せ」
などいろいろあるようです。
読み:ひがし
干菓子(乾菓子)
水分20%以下の和菓子の総称で、生菓子と対をなす言葉ですが、茶菓子としては「朝生」は省くみたいです。
水分30〜35%の「半生菓子」(最中や石衣)なんてのもあったりします。(半生菓子は、もう干菓子とは違うかな?)
主菓子同様、八月の「団扇」、九月の「兎煎餅」などいろいろあるようです。
読み:ふりだし
振出
そもそもここに分類して良いのかどうか・・・。
茶箱に仕組んで、金平糖や砂糖豆・霰(あられ)・甘納豆など小粒の菓子を入れる小形の菓子器のことだとか。
名称は、お菓子を振って出すから振出とのこと。でも茶道では回し出し。

なお、振出に関しては
「振出について」のページ
にて別途説明しています。

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