茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。


なお、一部の作品、販売しています。

台十能ってこんなの

「十能」というのは、小型のスコップや柄杓のような形をした、
日本の炭・灰を運ぶための家庭道具あるいは農具のことだそうです。
「十の能力(使い道)がある」から、十能と称されるようになったという説もあるとかないとか。

鍋の形状に近い「炭十能」というのもあって、鋳鉄製、銅製、アルミニウム製などがあるそうです。
「火起こし」に似た形だけど、底部に炎を通す隙間がないので、
木炭を炭十能に入れ直火に掛けることでの着火は難しいようです。
この炭十能に、熾った炭を入れたまま畳に置けるよう木製の台座とりつけたものが「台十能」だとか。
当然「台十能」も、直火に掛けることができないので、炭への着火には全く適さないみたいです。

「十能」の説明をすると、鉄製であることが多く、
柄の部分まで鉄製のものを「共柄(ともえ)」
柄が木製であれば「木柄(もくえ)」
と呼ばれるそうです。
共柄十能に関しては、そこらの百円ショップでも売っていそうな値段みたいです。

稲垣休叟著『茶道筌蹄』に「台十能 利休形、鉄台、桑柄」とあるそうです。

湖月老隠著『茶式湖月抄』には利休形十能の寸法が記載されているようです。
作品名:台付十能セット
備考:紙箱入

台付十能セット
※画像を押すと拡大できます。
ここでは、「火起」の説明をしようと思います。

「火起」自体は炭を保持する容器に過ぎず、
炭への着火に際して炎が上がる熱源に乗せて(あるいは被せて)使用するそうです。

現代の日本の「火起」は片手鍋に似た形状で、
底に炎を通す穴が開いていて、ガスコンロなどに乗せて使用するようです。

「火起」はガス火にかけて使用するのですが、IHでは使えないそうです。
また、カセットコンロでの使用も厳禁とのこと。
ガスボンベの残量によっては、半径数メートルが火の海となるみたいです。

「火起」の使い方は、
適量の木炭を入れて、ガス火にかけるだけです。
大きな備長炭は着火しにくいのですが、小さなものや細いものを混ぜると
早く着火するとのこと。
底の鋳物が真っ赤に加熱し、その部分から木炭に火が移るそうです。
木炭の種類にもよりますが、10分〜20分ほどで着火するとのこと。

「火起」は大切に使うと、数年間、数百回の使用に耐えるみたいです。
「火起」の塗装は耐熱性がないため、1度使うと加熱で剥がれてしまうようで、
すぐにサビが出て、変色するのですが、性能的な問題はないそうです。

なお、 「火起」について は、別ページで説明しています。


作品名:台付十能(小判型)
備考:中古品/紙箱入

台付十能(小判型)
※画像を押すと拡大できます。
清少納言著『枕草子』に
「火など急ぎ熾して、炭持てわたるもいとつきづきし」
という一文が出てきます。

平安時代、地球規模で低温の時期にあったそうで、
貴族の着用していた十二単(じゅうにひとえ)も、
当時としてはちょうど良い服装だったのかもしれません。


■火など急ぎ熾して
現代の火起こし器などがなかった昔、
火の熾し方は、木の棒を板に摺り合わせる「摩擦方式(火きり)」と
火打ち道具による「打撃発火方式」だったようです。

『日本書紀』のヤマトタケルの神話に、火打ち道具の記述があるそうです。
平安時代には貴重な御神宝だったようで、
清少納言たちが実際に使っていたかどうか。
ただ、着物を着て「火きり」する姿も想像しにくいので、
実際、何で火を熾していたのでしょうね。

火打石が一般に普及するには、江戸時代を待つ必要があるのだとか。

火打石で火を熾す場合、火打ち道具として
「火打石」「火打鎌(火打ち金)」「ほくち(誘火綿)」「付け木」
の四点セットが必要だそうです。

まず、左手に持った「火打石」を、右手の「火打鎌」の縁で、
打ち擦る様にカチンと打ちつけるようです。

火打石の上に「ほくち」を載せ、火花を散らすと、
火花が着火してじわじわと「ほくち」が燃えだすのだとか。

最後に「ほくち」に「付け木」をあてて軽く息を吹きかけると、
炎になって燃えだすそうです。

慣れると三十秒ほどで着火できるのだとか。


■炭持てわたる
「火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし」とあるように、
火を熾した後、部屋の火桶(火鉢)まで持っていったようなのですが、
さて、どんなもので運んだのでしょう。

紫式部著『源氏物語』第二十七帖の巻名「篝火(かがりび)」から推測すると、
当時、既に石か鉄素材を使って、
長時間、火を燃やし続ける「照明」を利用していたことがわかります。

鉄器は紀元前3世紀頃、青銅とほぼ同時期に日本へ伝来しているため、
紫式部より十年ほど昔の清少納言の時代にも、
「十能」のような鉄器が、すでにあったのかもしれませんね。



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