茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。


なお、一部の作品、販売しています。

扇子ってこんなの

古くは扇(おうぎ)と呼んだそうで、
「(扇ぐ)あふぐ」の派生形の「あふぎ」から来ているようです。
木の薄板を重ねたり、紙を折りたたんで製作する扇は、
日本で発明されたものなんだそうです。
骨の材質は、一般的には竹製または木製の物が多く、
象牙・鼈甲なども骨の素材とする場合もあるとか。


■「扇」の意味
「扇」という漢字は本来軽い扉のことを意味し、
そこから転じて「うちわ」のことを言うようになったみたいです。
「うちわ」は紀元前の中国で用いたり、古代エジプトの壁画にも、
王の脇に巨大な羽根うちわを掲げた従者が侍っている図があるそうです。
日本では利田遺跡(佐賀県)で、うちわの柄が出土した例があるとのこと。

「扇」としては、
奈良時代から平安時代の初期にかけて世に現れた「檜扇」、
平安時代の中頃までに、5本または6本の細い骨に紙を貼った「蝙蝠扇」、
室町時代には両面に紙を貼った扇の上端が広がる「中啓(末広)」
それ以降に開発された、両面貼りでも末が広がらない扇「沈折(しずめおり)」
などがあるようです。


■世界の扇子へ
日本の扇はコンパクトに折り畳めるという利点が高く評価され、
中国の北宋の時代に、中国やヨーロッパなどへ輸出されたみたいです。

現在では、有名ブランドの扇子もあるそうで、「angers(アンジェ)」「Roen(ロエン)」
「CELINE(セリーヌ)」「Loewe(ロエベ)」「宮脇賣扇庵」「高久」「ANNA SUI(アナスイ)」
「京扇堂」なんかがあるみたいです。特に「CELINE(セリーヌ)」は女性に人気のようです。


■「扇子」に関わる諺など
肝心要の「要(かなめ)」は、扇の骨を綴じるための末端に近い部分に、
小さい穴をあけてはめ入れる部分のことだそうです。
「かにのめ」とも言うとか。扇は、綴じてある「要」の部分が壊れたら、
ダメになってしまうから、「最も大切な部分」のことを指すみたいです。
扇子の要は、金属やプラスチック、鯨のひげなどで出来ているようです。

座って挨拶をするときに、胸元から畳んだ状態の扇子を自らの膝前に置き、
それを境にするように相手に礼を行うのですが、
これは扇子に自他の境をつくる結界としての役割をもたせたものだそうです。
葬儀の際に喪主に挨拶する場合なども同様に行うとか。

夏炉冬扇(かろとうせん)の意味は、無用の物事のたとえですが、
これは「予が風雅は夏炉冬扇のごとし。衆にさかひて用(もちゐ)る所なし」
から来ているそうです。


■文献
藪内竹心著『源流茶話』に、以下の話があるそうです。
問:
「近頃、茶席へ扇をさして席入りされる人がいます。
また、刀掛でも扇を抜いて席入りする人もいます。
どちらが正しいのでしょうか。」
答:
「昔から、四季を通じて扇をさして席入りします。
なぜならば、席入りした正客が初めからすぐ上座に着くと、
次客は床や道具の拝見がしにくくなります。
その場合は、正客は仮座へ着き、
連客が迷わないように、
また元の座に戻る時の目印に、
おのおの席入りの後は、定座の傍らに扇を抜いて置かれました。

そのほか、壷荘りや外題荘りに扇を用いることがあります。
また、茶入の大蓋・割蓋は、扇を二・三間開いた上にのせます。
しかし、もし正客が扇をささずに席入りされた場合は、
連客も正客に従い、扇をささずに席入りをします。
非常に暑いからといって、小座敷で無神経に扇を使ってはなりません。
なぜならば、扇の風で掛物が動き、塵を起こしますので、、
気をつけなければなりません。」


■扇子の種類

さて、扇子(扇)には以下のような種類があるそうです。
種類 備考
冬の扇(檜扇/中啓) 主に儀礼用。
檜扇は、宮中で用いられた木製の扇のことで、
女性の用いるものは特に袙扇(あこめおうぎ)とも呼ぶみたいです。

中啓は、能楽をはじめとする諸芸能でも使われるそうです。
夏の扇(蝙蝠扇) 江戸時代に至っても、公家の夏の扇は蝙蝠扇と称し、骨が扇の裏面に露出していたとか。
他に、現在一般に市販されている両面貼りの骨の多い扇子も夏の扇だそうです。
軍扇 武将が戦場に携えた扇で、骨は黒の塗骨、表は赤地に金の丸で日輪をあらわし、
裏は紺色の地に銀で月と星を描いているそうです。
鉄扇 親骨を鉄製にした扇で、携帯用の護身具、または鍛錬具(手馴し鉄扇)として用いられるそうです。
舞扇(沈折) 沈折の扇。日本舞踊や歌舞伎で使われる。 古くは夏冬共用の形式として10本骨ものが広く用いられたとか。
祝儀扇 冠婚葬祭に用いられる扇で、一般には男性は白扇、女性には金や銀の扇子だそうです。
葬儀用の黒い扇子は不祝儀扇(ふしゅうぎせん)とも呼ばれようです。
唐扇(中国扇) 中国大陸で作られた扇、またその形式を模したもので、
現在日本の夏に見られる扇子の多くはこの形式なんだとか。
洋扇 ヨーロッパで作られた扇、またその形式を模したもので、
絹やレースを貼った洋扇に発展し、孔雀の羽根を用いた扇子も作られたそうです。
羽根扇子 宝塚歌劇などで使用する羽で飾った洋扇で、
ジュリアナ東京でも多く用いられたことから「ジュリ扇」とも呼ばれるとか。
飾り扇 部屋に飾り物として置く扇で、能楽や日本舞踊などには使えないそうです。
クバ扇(くばおーじ) 扇面にヤシ科のビロウ(クバ)の葉を使った沖縄の扇だそうです。
茶扇(茶席扇)・能扇など 蹴鞠・茶道・香道などで用いる扇で、実際には開いて煽ぐような事はないとのこと。
それぞれ定められた扇を持つようです。
茶扇のサイズは「尺寸」「六寸五分」「 六寸」「 五寸」の四種があるそうです。


飾扇
(金地紅梅白梅画)
作者:西垣大道
価格:5,000円
寸法:33cm
備考:紙箱入

飾扇(金地紅梅白梅画)
※画像を押すと拡大できます。
現在、300種以上あるといわれる梅。
ここでは、梅について説明しようかと思います。

園芸学的に分類すると、
花の観賞を目的とする「花梅(はなうめ)」と、
実の採取を目的とする「実梅(みうめ)」に、分けられるそうで、
特に、「花梅」は「3系9性」に分類されるみたいです。

具体的には、以下のようになるみたいです。

園芸学的にみた梅の分類
種類備考
野梅系
(やばいけい)
野梅から変化した原種に近い梅。
中国から渡来した梅の子孫。
枝は細く、花も葉も比較的小さい。
花や葉も小ぶりだが、とてもよい香りがする。
野梅性
(やばいしょう)
原種に近い。
花は、白または淡紅が多く、香りが高い。
新梢は緑色で、日焼けすると赤みがでる。
難波性
(なんばしょう)
枝は細くてよく茂り、矮小気味。
トゲ状の小枝が少ない。葉は丸葉。
比較的晩咲き。花の香りが良い。
紅筆性
(べにふでしょう)
蕾の先が紅く、尖(とが)っている。
青軸性
(あおじくしょう)
枝やガクは常に緑色で、蕾も緑白色。
花は青白色。
緋梅系
(ひばいけい)
枝や幹の内部が紅い。
枝や幹の内部が紅く、
花は紅色、緋色のものがほとんど。
花が白くても、枝の髄が紅いものは
この緋梅系に入る。
葉は小さく、性質は野梅性に近い。
庭木や盆栽に使われるものが多い。
紅梅性
(こうばいしょう)
花色が明るい紅色をしている。
白花のものも含まれる。
新梢は日焼けしても緋梅性ほど濃くならず、
青みが残る。
緋梅性
(ひばいしょう)
花色が濃い紅色〜緋色をしている。
新梢は日焼けすると黒褐色になる。
唐梅性
(とうばいしょう)
花色は咲き始めは桃色〜紅色で、
咲き終わりには白っぽくなる。
花が下向きで、花柄が長いものが主流。
豊後系
(ぶんごけい)
梅と杏(アンズ)との雑種。
葉は大きく育ちの良いものが多い。
アンズに近く、花は桃色のものが多い。
豊後性
(ぶんごしょう)
アンズとの雑種性の強い梅。
枝はやや太く、樹勢は強い。
葉は、丸葉で大きく、表面に毛がある。
花は、大輪で淡紅色のものが多く、晩咲き。
杏性
(あんずしょう)
豊後性よりも枝が細く、葉も小さい。
新梢が細く、日焼けすると灰褐色になる。
葉は小さく、表面に毛もない。
花は、遅咲きのものが多く、香りは低い。


紅梅・白梅という分け方をすると、花の色以外に、
木材の色が違うようです。

心材は、白梅の材は淡色で、紅梅の材は紅がかった色だそうです。

ただ、中には、緋梅系紅梅性のもの(心材が紅)でも、
「雪の曙」という品種のように、白花になるものもあるみたいです。



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