茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。

数寄屋袋ってこんなの

数寄屋袋は、帛紗挟み同様、稽古に必要な物を入れる袋で、
違いは大きさと、内部に仕切りがあるかないかでしょうか。

替えの足袋をしまっておいたり、帛紗挟みをそのまま入れたりすることもでき、
帛紗挟みの代用として使うことも可能な数寄屋袋。
帛紗挟みのように、帛紗を八つ折りにしないで済むため、
最近では、帛紗挟みから数寄屋袋に買い替える人も多いとか。

ここでは、ちょっと話題を逸れて「表装裂地(特に名物裂)」について少し説明しようと思います。

現在、表装裂地の中でも名物裂とされているものは、中国から舶来したものだそうです。
宋・元・明時代の中国で織られた金襴・緞子・間道・その他の裂地で、
当時の茶人・僧侶・上流武士・その他一般好事家などが所持し、
名物といわれる茶器の仕覆・掛け物の表装・寺の斗帳・袈裟などに使われたようです。
その中でも極めて優秀な裂地が、いつしか「名物裂」と称せられるようになったのだとか。

名物裂として明確に規定したのは、寛政3年(1791年)の松平不昧著『古今名物類聚』だそうで、
緞子29種、金襴49種、間道14種、雑載14種の106種の名物裂が登録されているみたいです。
文化元年(1804)刊行の『和漢錦繍一覧』には、
緞子143種、金襴145種、間道35種など全342種が登録されているそうです。
江戸中期には、茶道各流派独自の名物裂が選定され、400種を超えるほどにもなるみたいです。

表装裂地の種類としては以下があるようです。
種類備考
緞子 経(たて)と緯(よこ)の色の異なる先染め練糸を用いて織り出した織物で、
地組織は繻子、文様は地の裏組織を持って表出させた織物だそうです。
繻子組織の織物の起源は中国とされ、鎌倉時代から室町時代以降にかけて、
中国から繻子組織の緞子が渡来したとのこと。
金襴 撚金糸または平箔を織り込んだ織物の総称だそうです。
織質が緞子であれば金襴緞子、錦ならば金襴錦、紗の場合は金紗となるみたいです。
金襴の製造は、中国では宋代で始まり、明代に全盛期を迎えたとのこと。
日本に渡来したのは、鎌倉時代みたいです。
間道 縞文様のある裂を指すのですが、名物裂以外の縞織物は、間道とは呼ばないみたいです。
主として中国広東地方で産出された絹織物であったことからこの名称となったようです。
錦金紗 紗の地に金糸・箔(はく)・絹の色糸などを織り込んで模様を表した絹織物だそうです。
竹屋町 京都の竹屋町で作ったという金紗の織物の一つだそうです。
茶・萌黄(もえぎ)・紺などの色の紗の地に平金糸で文様を織り出したもので、
元和年間(1615年〜1624年)に堺に来た中国人から技術を得たようです。
魚子(ナナコ) 地肌が、魚子という彫金技法による加飾と似ていることに由来するそうです。
等級として、高価なものから織魚子・節魚子・筋魚子(染魚子)があるのだとか。
小紋を織り出した利久魚子と呼ぶものもあるようです。
魚子とは本来、屏風の角金具や引手など、錺金具の地彫として施す粟粒状の模様を指すみたいです。
これは魚の卵に似ていることから付けた名称なんだとか。
シケ(シケは糸偏に圭) 節のあるシケ糸を使用して織った平織の後染品のことで、
主に軸装用の天地裂として用いるそうです。
パー(パーは糸偏に羽) 蕨糊を多用して織った平織物のことだそうです。
塩瀬のような織り方で主として無地物であるようですが、
中には極めて淡く地文を織り出したものもあるとか。
緯糸が経糸の上を2本(3本)、経糸の下を1本、交差させて織られる織組織だそうです。
糸の交錯する点が斜めに走るのが特徴。平織りよりもしなやかな風合いがあり、
伸縮性に優れ、シワがよりにくい等の利点があるとのこと。
紹巴(ショウハ) 千利休の弟子で連歌師の里村紹巴が集めたコレクションを包む気品ある織物の総称だそうです。
つづれ織に似ていて、緯糸が経糸を包み覆うような織り方みたいです。
海気 絹織物の一つで、糸も横糸もともに練り糸を用いた平織だそうです。
近世初期に渡来した中国産で、日本でも甲斐国郡内地方で産するようになり、
甲斐絹の字を当てたみたいです。
捩織(もじりおり)で織られる薄く透き通った絹織物だそうです。
絡み織を用いた、目の粗い絹織物だそうです。

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