棗 |
大棗・中棗・小棗があって、棗の基本となるものは利休形。
更に細分するとそれぞれ大・中・小があって、 全部で九種類。 |
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尻張棗 | 中棗で裾の方が張っているもの。 | |
胴張棗 | 中棗の胴が張ったような心持であるが、実際には少ないもの。 | |
平棗 |
大棗をずっと低くしたもので、大体直径が高さの二倍以上はあるもの。
随分種類が多い。 |
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白粉解 |
中棗と平棗との間で、比較的太短い感じのもの。
香合に多く、薄茶器には少ない。 「おしろいとき」と読む。 |
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長棗 | 平棗とは反対に、小棗をそのままうんと背を高くした細長いもの。 | |
鷲棗 |
小棗の尻張形で、蓋から次第に裾に至るほど張ってくる。
これに限って、上から鷲づかみに取り置きするのが 扱いの約束となって、この名称がある。 |
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碁笥棗 |
棗はすべて碁笥底になっていて、胴から裾へやや張って、底部が広いもの。
蓋が極く浅く、ほとんど立ち上りを見ないほど。 碁石の容器に似ているところからの名称。 「ごけなつめ」と読む。 |
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丸棗 |
全体が球状をなしている。
碁笥底ではなく、少し上り気味の平底のもの。 「一名毬棗」とも言う。 |
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河太郎棗 | 仙叟好で、大棗と中棗の間の大きさ、蓋の甲が平たく凹んでいるもの。 | |
老松棗 |
原叟が、山崎妙喜庵にある名木豊公袖摺松で好んだもので、
碁笥棗に似た身へ、蝶番付の割蓋がついているもの。
単に割蓋のみのものは「一燈好」である。 |
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帽子棗 | 撫肩裾張で、冠せ蓋、溜塗のもの。 ただ、名称は蓋から来た名で、棗というには適さない。 |
中次 | 大小、高低、それに真塗の他、溜・朱・摺漆等あるが、 およそ合口が中程にあるものの総称である。 | |
面中次 | 蓋の肩に面が取ってあるもの。 | |
雪吹 |
肩と裾との面が取ってある。
蓋と身との境目がわからないようになっているところから、 一寸先も見えない吹雪にたとえ、この名がある。 「ふぶき」と読む。 |
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面取 | 蓋のみ面取ったもの。 | |
茶桶 |
合口がずっと上にあり、蓋も浅いもの。
茶桶には、種類がいくつかある。 |
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寸切 | 茶桶より一層蓋が浅く、ほとんど一文字に近いもの。 | |
金輪寺 |
「きんりんじ」と読むが、「こんりんじ」と読むのが真実である。
寸切の蓋の甲が丸味を持ち、且つ、掛りが少し外へ広くなっているもの。 昔、後醍醐天皇が吉野金輪寺において、一字金輪法を修せられ、 後、衆僧に茶を賜った際に勅命により作られた茶器であったところから、 寺の名をとってこう呼んでいる。 「金林寺」とも書く。 蔦で出来ていて、内部は黒塗、外は溜塗で木目を見せる。後に、桑・松・竹等でも作っている。 |
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薬器 |
茶桶と似ているが、やや異なり、椀形・飯櫃形などがある。
「やっき」と読む。 |
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立鼓 |
中次の中央部が細くなって、あたかも鼓を立てた如きであることからこの名が付いた。
「りゅうこ」と読む。 |
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阿古陀 |
瓜の如く、丸胴の肩から裾にかけて、数条の堅筋が入っているもの。
多くは溜塗で、小さな摘みの木地蓋がついている。 始め如心斎の好み。 |
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鮟鱇 | 下部が丸く、口へ漏斗型に開いているもの。一文字蓋。 | |
瓢中次 |
瓢箪の形をした中次で、蓋の中央に小さな摘みがあるもの。
全体に糸目の入ったものが多く、塗りは朱か摺漆が多い。 本来遠州好という。 |
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甲赤 |
黒塗の浅い身へ、朱の中次蓋が掛かったもの。
裏千家常叟の好み。 |
棗 | 大棗・中棗・小棗 | |
雪吹 | 大雪吹・小雪吹 | |
中次 | 真中次・小中次 | |
茶桶 | 大茶桶・小茶桶 | |
鷲棗 | 鷲棗 | |
面中次 | 面中次 | |
寸切 | 寸切 | |
白粉解 | 白粉解 | |
平棗 | 平棗 | |
帽子棗 | 帽子棗 |