茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。

薄茶ってこんなの

薄茶は、古木でない比較的樹齢の若いお茶の木から採れた茶の葉から製するもので、
刺激性は強いが味わいが軽いものなんだそうです。

元々は、濃茶用の葉茶を紙の袋に入れて茶壷の中に納める際に、
その周囲の隙間を埋めるために用いた「詰茶(つめちゃ)」と呼ばれる
一段品質の低い茶葉だったようです。

とはいえ、粉末緑茶ほど粗野なものではないと思われます。
薄茶の粒子は10μm前後で、粉末緑茶の粒子は40μm〜80μmだそうです。
また、粉末緑茶では、お茶点てできないようです。


■薄茶器
濃茶を入れる容器は濃茶入、薄茶の場合は薄茶器と称していて、
濃茶入は陶器、薄茶器は漆器であるのが原則だとか。

薄茶器には「頭切(ヅキリ)」「薬籠(ヤロウ)」「茶桶(サツウ)」
「金輪寺(キンリンジ)」「中次(ナカツギ)」「吹雪(フブキ)」「棗(ナツメ)」
などがありますが、
詳細は、薄茶器のページに譲るとします。

安土桃山時代頃までは、現在の濃茶と薄茶という区別は明確ではなく、
こうした木製の茶器も、当初は濃茶を点てるために使われていたそうです。
茶器に残った茶を飲むために薄茶が発生したとの説もあるみたいです。

濃茶に対する薄茶の語が生まれたのは、天文年間(1532年〜1555年)頃だそうです。
濃茶を練ることが真の茶とされるそうですが、
利休は侘び茶における真の茶は薄茶を点てることとしたのだとか。

棗などの木製茶器を薄茶器に用いる習慣は、あくまで江戸時代になって、
濃茶と薄茶を別の容器に入れるようになってからのようです。

ちなみに、棗に抹茶を掃く(入れる)時は、
 大中小の棗は「小高く」
 平棗は「なだらか」
 中次(雪吹)は「杉盛(杉なり)」
なのだそうです。


■おいしい抹茶の作り方(手作業編)
玉露は栽培方法はおなじで、収穫の前(最低二週間程度)、
葭簀と稲藁で茶園一面を覆って被覆をし新芽保護するそうです。

覆いをかけることで、お茶の旨味成分のアミノ酸が増加し、
逆に渋みの原因とされるカテキン類(タンニンなど)が減少するのだとか。
また、特徴的な香り(かぶせ香)が生じるみたいです。

新芽は鮮やかな緑で葉の厚みが薄くなる為、
宇治の碾茶の場合、現在でも、一葉一葉大切に手で摘み採っていくそうです。
しかも永年にわたり、品質を落とさないよう1年に一回、一番茶しか摘まないのだとか。
また、茶摘みの摘み頃を見極めるのも豊かな経験が必要のようです。

摘まれた生葉はすぐに蒸気で蒸すそうです。
これは日本のお茶独特のもので、葉の中のビタミンCなどを分解する酸化酵素の作用、
つまり発酵を止める働きをするのだとか。

これを乾燥させると抹茶の原料「碾茶」が完成します。
形状は青海苔に似ていて、その香気は玉露同様、独特のかぶせ香があり、適度に香ばしいのだとか。
茶を摘採まで少なくとも20日以上被覆して、その生葉を蒸して揉まずに乾燥したものだそうです。
碾茶は売っているので、ここまでは手作業じゃないかもしれませんが・・・

この碾茶を茶臼(石臼)でごしごし"と挽いて、粉末状にしたものが抹茶になるみたいです。
碾茶の保存に用いられるのが茶壺だそうです。
茶壺は、古くは抹茶を入れる茶入を小壺と呼んだことに対して大壺とも称されたのだとか。

現代でも茶道では前日などに茶臼でひいたものを供するのだとか。


■碾茶(てんちゃ)の生産量
2006年度の全国総生産量は1650tで、
都道府県別では京都府が789tと最も多く、
次いで愛知県の473t、静岡県の183tなんだそうです。

また、2006年度の市町村別生産量では、
主要産地の愛知県西尾市が329t、
京都府相楽郡和束町が264.5tなんだとか。


■薄茶の文献
立花実山著『南方録』に
「易の云。こい茶の手前に一段と草あり、うす茶の手前に極真あり。
この差別よくよく得心すべし。
時により、所によることなり。
かろきやうにて秘事なり、と云々。」
とあるそうです。

山上宗二著『山上宗二記』に
「薄茶を建てるが専一也。
是を真の茶と云う。
世間に真の茶を濃茶と云うは非也。」
とあるようです。

なお、「濃茶」については、別ページで説明しています。

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