茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。

瀬戸焼ってこんなの

瀬戸焼は、日本六古窯の一つで、
鎌倉時代に、加藤四郎景正が中国の宋から、
施釉陶器の技法を伝えたのが始まりだとか。
この鎌倉時代〜室町時代末までを特に「古瀬戸」と呼んでいるそうです。

桃山時代から、黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部などの茶器が茶の湯の隆盛に伴って多く焼かれ、
日用雑器も作られるようになるみたいです。
江戸時代、伊万里焼に市場を奪われ「瀬戸焼」は衰退していくそうです。

明治に入り、1873年にウィーンで開催された万国博覧会に出品された
「瀬戸もの」が評判となるみたいです。
以後、海外からの注文が多くなり、世界に瀬戸の名が広まるようです。

第一次世界大戦時、海外での陶磁器の生産がストップすると、
海外でも、日本の瀬戸焼の需要が高まるそうです。

世界大恐慌・日中戦争・第二次世界大戦と続く混乱の時代、
陶磁器産業は軍需優先による影響を真っ先に受け、物資・燃料の欠乏を招くようです。
そんな中、瀬戸焼は燃料の石炭の代わりに亜炭(皮木)を使って、
生活用陶磁器や当時不足していた金属製品の代用品の生産へと移行することで、
この時代を乗り越えていくそうです。

第二次大戦後、瀬戸窯業は戦災をほとんど受けなかったことや、
戦後の物資不足による生活用具の需要が高かったことなどにより、
急速に復興していくようです。
そして、日本の高度成長を機に、一層躍進していったみたいです。


■瀬戸焼の釉薬
瀬戸焼に使われる主な釉薬には、以下のようなものがあるそうです。

1.灰釉(かいゆう)/御深井釉(おふけゆう)
 植物の灰を使用した釉薬みたいです。

 瀬戸焼発祥の時から用いられている伝統的釉薬で、
 全ての釉薬の基本となる釉薬だとか。
 
 灰の中に含まれる不純物によって若干色調が変わるようですが、
 酸化焼成では淡い黄緑色、
 還元焼成では淡い青色を呈するみたいです。
 
 御深井釉とは、江戸時代、尾張徳川家の御庭焼として、
 名古屋城下の御深井丸で焼かれていた、
 焼物に用いられた釉薬に由来するそうです。


2.鉄釉(てつゆう)
 酸化鉄を呈色剤とした釉薬のようです。

 瀬戸焼では、鎌倉時代の13世紀末期の「古瀬戸」に、
 使用されたのがその最初だとか。

 含まれる鉄の分量によって、
 黄褐色から黒色まで発色するようです。

 瀬戸黒・天目釉・古瀬戸釉等も鉄釉の一種みたいです。


3.黄瀬戸釉(きせとゆう)
 ごく微量の鉄分により黄褐色に発色する釉薬だそうです。

 桃山時代の16世紀末期に、
 瀬戸の陶工が美濃に移り住んで開発された釉薬だとか。

 装飾のアクセントとして、
 緑色の硫酸銅(タンパン)を使用したものが多いようです。


4.織部釉(おりべゆう)/辰砂釉(しんしゃゆう)
 酸化胴を呈色剤として緑色に発色する釉薬だそうです。

 古田織部が好んだことからこの名が付いたとか。

 桃山時代の17世紀初期に、
 瀬戸の陶工が美濃に移り住んで開発された釉薬みたいです。

 銅は酸化焼成すると織部の緑色に発色し、
 還元焼成すると赤色に発色するのだとか。


5.志野釉(しのゆう)
 長石を中心に使用した釉薬で、
 光沢し白濁した白色に発色するそうです。

 桃山時代の16世紀末期に、
 瀬戸の陶工が美濃に移り住んで開発された釉薬だとか。


6.青磁釉(せいじゆう)
 微量の酸化鉄により青色または緑色に発色する釉薬だそうです。

 瀬戸では、江戸時代後期の19世紀初期に、
 磁器の製造が始まった時から使用され始め、
 特に明治時代以降盛んに使用されたみたいです。

 クロムを使用したクロム青磁も瀬戸では多用されているとか。


7.瑠璃釉(るりゆう)
 呉須、コバルトにより紺青色に発色する釉薬だそうです。

 瀬戸では、江戸時代後期の19世紀初期に、
 磁器の製造が始まった時から使用され始めるようですが、
 高価な呉須を多量に使用するため、
 尾張藩から一時製作が止められたことがあるとか。

 特に明治時代以降、火鉢や植木鉢等に盛んに使用されているみたいです。


■瀬戸焼の装飾方法
絵付け以外に、模様を彫る・貼るなど、
器面そのものを加工する方法や、
器面の形や釉薬に変化をつける方法にも、
瀬戸焼の特徴があるようです。

○印花
 文様を彫り付けた印材などで、
 乾燥前の素地に押しつけて文様を施す方法だとか。
 鎌倉時代の古瀬戸にその例が見られるようです。

○画花(かっか)/沈み彫り
 素地にカンナやヘラなどで文様を刻みこむ方法だとか。

○貼花(ちょうか)
 素地土と同じ粘土で、
 器面に文様を貼りつける方法だそうです。

○浮かし/浮彫り
 器面を掘って、
 模様を凸状に浮き立たせる方法だとか。

○櫛描(くしがき)
 櫛の歯状の施文具を使って文様を施す方法のようです。

○象嵌(ぞうがん)
 彫り込みや陰刻の部分に、
 素地と違う土を嵌め込む方法だとか。

○化粧/刷毛目
 素地土の上に白泥などを塗る方法みたいです。

○掻き落し
 素地の上に違う色の土を塗り、
 表面を削って素地の色を出す方法だとか。

○掛け分け/流し掛け
 発色の違う釉薬を、
 部分的に掛け分けて模様にする方法だそうです。

○ぼかし/吹き墨
 刷毛や霧吹きを使って、濃淡を出す方法だとか。

○イッチン/盛り上げ手
 筒などを使って、
 粘性の高い顔料を盛るようにのせる方法みたいです。


■赤津焼について
特に瀬戸市の東方にある赤津エリアで生産された「瀬戸焼」が、
「赤津焼」と呼ばれているそうです。

瀬戸窯とともに発展した窯で平安時代の開窯みたいです。
当地には室町時代の窯跡である小長曽陶器窯跡が残るとか。

7種類の釉薬(灰釉・鉄釉・古瀬戸釉・黄瀬戸釉・志野釉・織部釉・御深井釉)と、
12種類の装飾技法が今に伝わり、
1977年には、国の伝統的工芸品にも指定されたようです。



なお、「焼物の種類」についての詳細は、こちらから。

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