茶道具 翔雲堂
ひと口知識
※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。
乳緒(乳縄)ってこんなの
乳緒(ちお)は、壷飾の際に、茶壷の乳(耳)に通す緒のことで、
左右の二つの乳に通して結び垂れるものだそうです。
茶壺の装束に使われる紐は二種類あって、長緒と乳緒からなるようです。
乳緒は、真・行・草とあるうちの行と草にあたる、
「行:総角(あげまき)結び」「草:淡路結び」
に使われるそうです。
総角結びは、輪を左右に出し、中を石畳に結び、房を垂らした形だそうです。
文箱(ふばこ)や御簾(みす)などの飾りに使うようです。
淡路結びは、明治以降に考案された結び方で、
水引の色を使い分ける事で、慶弔ともに用いるそうです。
中部地方以北では結び切りの変形として扱われ、
「何度もあってはならないこと」に対してのみ用いるようです。
逆に、関西以西や北陸の一部では、
結婚以外の祝事にも赤白のあわび結びが普通に使われるのだとか。
淡路結びの水引には「赤白」「金銀」「黒白」などがあるそうで、
それぞれ、
赤白:祝い事全般に用いられる。
金銀:結婚祝い・結納などに用いられる。
黒白:香典やお供えなど、主に仏事に用いられる。
となるみたいです。
なお、一般的に「紅白」の水引と呼ばれているものの、
ほとんどは「赤白」の水引の誤用なんだとか。
正式な「紅白」の水引は、皇室の祝い事にのみ用いられるもので、
紅というよりは、玉虫色と言われる濃い緑色なんだそうです。
稲垣休叟著『茶道筌蹄』に
「乳緒長緒を用ゆるは千家にては随流斎より始る」
とあるそうです。
久須美疎安著『茶道望月集』には少々長いですが、以下の話があるそうです。
「乳緒と云物は其乳の数幾ツ有ても表を前になして置、
其左右に成たる乳二ツ計に附る事と可知。
乳毎に悉く附るにてはなし。
是を元結とも云也。是も色は紫か赤か。
口覆の長緒とは色の替りたる能。
此太サは口覆の長緒の太サとは一倍太きが能。
組様は四ツ打にして、其打留を六分計切残して、
総の如にして留る能。
掛様は其乳へ通し二ツに折て、
其一方の緒を一重わなにして、
一方の緒を其わなへ通して、結び締て下げおく也。
悉く筆に及難し。
其結び締る所は、
上より其長サの三分一程の所にて結び留る能。
下へ下るは三分二也。
偖此乳緒の用は、此緒を取添て、
壷を扱ふ為の用と可知。依て取緒とも云。
然共必是を持て、扱ふと云にてもなし先は飾也。」
また、
「口緒」について
「茶壺」について
「長緒」について
は、それぞれ別ページで説明しています。