茶道具 翔雲堂
ひと口知識
※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。
口緒ってこんなの
口緒(くちお)は、茶壷の蓋の上に被せた口覆の上から、
茶壷の咽喉を結ぶ紐(紫や朱色などの絹の四つ打紐)のことだとか。
表千家の習事十三ヵ条や裏千家の小習十六条の一つ「壷飾」や、
「口切の茶事」に使用されるようです。
壷飾には真・行・草の結びがあるそうで、それぞれ、
「真:両わな結び(正面)」「行:総角結び(客付)」「草:淡路結び(勝手付)」
と呼ばれる結びになるみたいです。
「両わな結び」は、伊勢貞丈著『包結記』に、
「基本の水引結びの形は、
丸いものを結ぶ「片わな結び」、平たいものを結ぶ「両わな結び」、それと結びきり。
それぞれ陰陽説に従い、丸いものは天の形であるから陽を表していて、
一方平たいものは、地のかたちで陽を意味する。」
といった内容があるそうです。
また「わな(輪奈)」は、糸や緒を輪状にする意味のようです。
「総角(あげまき)結び」は、古墳時代の男子の結髪である「美豆良(みづら)」が変形したもので、
頭髪を左右に分けて頭上に巻き上げ、双角状に両輪を作ったものなんだとか。
揚げて巻くが語源となっているそうです。
死者の霊魂から子供を守る、魔よけといった呪詛的な意味合いがあったみたいです。
紫式部著『源氏物語』、薫の歌の中に
「あげまきに 長き契りを むすびこめ おなじ所に よりもあはなむ」
とあるそうです。
「淡路結び」は、基本的にほどけないようになっているようで、
祝儀用の水引などは、金銀と紅白の二種類あるそうです。
金銀結びは、結婚式に使用され、二度とない、切れないことを表すみたいです。
紅白結びは、御礼など、一度だけの大切なことに使用されるとか。
『正伝集』に
「壷装束の掛様は、口覆を掛け長緒を両わなに結留候也。
但し口覆の先は乳の間々に成様になし、
偖わなに結びたる余り、壷の中程より少し上にて、二筋余し候也。
長緒を両方にわなを結下る也。但し結様は直伝に有。」
とあるようです。
『長闇堂記』に
「葉茶壷の口覆い、昔はすみきらすして、
口の緒も長きを、利休すみ丸く、口の緒短くせり」
とあるみたいです。
「茶壺」について
「長緒」について
「乳緒」について
「口覆」について
は、別ページで説明しています。