茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。


なお、一部の作品、販売しています。

鐶(釜鐶)ってこんなの

鐶に、風炉・炉の別はないようです。
鐶の材質は、鉄のほか、真鍮・南鐐・砂張などがあり、水屋用の鐶は、
釜を傷めないように鉄より柔かい真鍮の輪を使うそうです。
鐶には、いろいろな呼び方があって、
鐶の打ち方によって「石目」「槌目」「空目」と呼んだり、
鐶の形によって「大角豆(鉈豆)」「竹節」「捻鐶」「蜻蛉鐶」「巴鐶」「轡鐶」
「常張鐶」「割鐶」「虫喰」「素張」「大鐶」なんて呼んだりするみたいです。
利休形の「大角豆鐶」が標準で、
真の鐶として、普通の鐶と合わせ目が逆になっている左鐶もあるとか。

藪内竹心著『源流茶話』に、以下の話があるそうです。
問:釜の鐶はいかがでしょうか。
答:昔から、右鐶・左鐶・両合(しあい)・常張鐶(じょうはりかん)・雲龍釜に仕つけられた鐶、
があります。
右鐶・左鐶は左勝手か右勝手かにより使い分けます。
両合は左右ともに合っているので、両合といいます。
常張鐶は、常張釜の上に板状に突き出ている鐶付に用います。
雲龍釜仕つけの鐶、熬釜(ごうかま)の取手、三味線耳は、
みな帛紗で取り扱います。

茶書『千家茶事不白斎聞書』には、鐶の種類の説明のほか、
「名物のくわん、奈良鍛冶の作也、 利休 所持 宗旦 の書付有り、今坂本周斎に有之」
と載っているようです。

稲垣休叟著『茶道筌蹄』には、
「鐶、大小あり、両様とも 利休 所持、今用るは大の方也、シン鍮は真の鐶也、左鐶は古風也」
と載っているそうです。
作品名:釜鐶(菊桐象嵌入)
作者:木村清五郎
備考:桐箱入

釜鐶(菊桐象嵌入)
※画像を押すと拡大できます。
菊と桐の紋と言えば、 豊臣秀吉 の家紋や高台寺蒔絵、日本の国章でしょうか。

日本では、法令上明確な国章は定められていないみたいですが、
皇室の「十六八重表菊」と、日本政府の「七桐花紋」は、
国章に準じた扱いを受けているようです。

ちなみに、パスポートの表紙に表示されている菊花紋章は
「十六一重表菊」なんだそうです。

象嵌(ぞうがん)は、素材として金属だけではなく、
彩色した木材や骨片、貝殻、陶磁器なども用いられるそうです。

布目象嵌の場合、以下のような工程を経るそうです。
 1.鉄・真鍮・四分一(銀と銅の合金)生地の表面を、専用の鏨で布目模様の溝を彫る。
 2.薄く延ばし型取りした純金・青金・純銀の板・線を、そのくぼみに金槌を使いながら埋め込む。
 3.表面の微細な段差をなくし、漆を塗り、焼きをいれた後に研ぐ。(この工程は数回繰り返される。)
 4.全体を再度研磨して仕上げる。(はめ込んだ部品やその周囲にさらに彫刻を施す場合もある。)


作品名:釜鐶(松竹梅象嵌入)
作者:木村清五郎
備考:桐箱入

釜鐶(松竹梅象嵌入)
※画像を押すと拡大できます。
松竹梅は、もともと中国の「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」が日本に伝わったものだそうです。

歳寒三友は、宋代より始まった、中国の文人画で好まれる画題のひとつで、松・竹・梅の三つを指すようで、
文同・蘇軾等が竹を水墨画の主題として描き始めたのが、始まりだそうです。

この歳寒三友、文人の理想「清廉潔白・節操」を表現したものとして、
「松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に花開く。」
と認識されていたみたいです。

日本に伝わったのは平安時代で、江戸時代以降に民間でも流行するけど、
「松竹梅」といえば「目出度い」ことの象徴と考えられていて、
本来の中国の認識とは大きく異なっているようです。



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