作品名:釜鐶(菊桐象嵌入)
作者:木村清五郎 備考:桐箱入 |
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菊と桐の紋と言えば、
豊臣秀吉
の家紋や高台寺蒔絵、日本の国章でしょうか。
日本では、法令上明確な国章は定められていないみたいですが、 皇室の「十六八重表菊」と、日本政府の「七桐花紋」は、 国章に準じた扱いを受けているようです。 ちなみに、パスポートの表紙に表示されている菊花紋章は 「十六一重表菊」なんだそうです。 象嵌(ぞうがん)は、素材として金属だけではなく、 彩色した木材や骨片、貝殻、陶磁器なども用いられるそうです。 布目象嵌の場合、以下のような工程を経るそうです。 1.鉄・真鍮・四分一(銀と銅の合金)生地の表面を、専用の鏨で布目模様の溝を彫る。 2.薄く延ばし型取りした純金・青金・純銀の板・線を、そのくぼみに金槌を使いながら埋め込む。 3.表面の微細な段差をなくし、漆を塗り、焼きをいれた後に研ぐ。(この工程は数回繰り返される。) 4.全体を再度研磨して仕上げる。(はめ込んだ部品やその周囲にさらに彫刻を施す場合もある。) |
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作品名:釜鐶(松竹梅象嵌入)
作者:木村清五郎 備考:桐箱入 |
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松竹梅は、もともと中国の「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」が日本に伝わったものだそうです。
歳寒三友は、宋代より始まった、中国の文人画で好まれる画題のひとつで、松・竹・梅の三つを指すようで、 文同・蘇軾等が竹を水墨画の主題として描き始めたのが、始まりだそうです。 この歳寒三友、文人の理想「清廉潔白・節操」を表現したものとして、 「松と竹は寒中にも色褪せず、また梅は寒中に花開く。」 と認識されていたみたいです。 日本に伝わったのは平安時代で、江戸時代以降に民間でも流行するけど、 「松竹梅」といえば「目出度い」ことの象徴と考えられていて、 本来の中国の認識とは大きく異なっているようです。 |
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