茶道具 翔雲堂
抹茶を飲むために(裏千家編)
ここでは、裏千家の「大寄せの茶会」における客の作法をみていこうかと思います。
■お辞儀の仕方
「真」「行」「草」の三種類のお辞儀があるようです。
○「真」のお辞儀
両手を静かに膝の前に下ろし、
手が下がるにつれて上半身を自然に前へ進め、
掌を全部畳に付けます。
両手の指先は、揃えるそうです。
背筋を伸ばしたまま、
お腹を膝に付けるくらい上体を前にかがめます。
○「行」のお辞儀
背筋を伸ばして上体を前にかがめ、
手の指の第二関節から先が畳に付くまで下げます。
両手の指先は、揃えるそうです。
○「草」のお辞儀
指先を膝の前の畳に付けて、
上体を軽く前に下げます。
■足運び
畳の縁や敷居は踏まぬようにします。
畳一畳を約五歩(自然な歩幅)で歩きます。
腰を据え、下腹に力を入れて真直ぐに立ち、
あごを引き加減に前方を見ます。
男性の場合の手は、
親指と人差し指の先を合わせ少し丸みをもたせて脇に下ろします。
女性の場合の手は、指を揃えて自然に正面に下ろします。
一足ごとにつま先を軽く上げ気味に、
かかとは畳からあまり離さないように歩きます。
席中に入るには、右足から入り、出るときは左足で出ます。
■立ち方・座り方
○立ち方
両手を膝に軽くあてたまま、
両足を同時に爪立て、かがとの上に腰をのせ、
腰から上の姿勢をくずさないようにして、
両足のかがとを揃えます。
立ち上がるとき、下座の方の膝を立てるのを原則としますので、
普通の席では、右膝を少し立て、
両手は立ちあがるにつれて両脇へおろし、
まっすぐに立ちあがります。
この時、右足が、左足より半歩前にありますので、
左足から前に進みます。
○座り方
片足を少し前にし、
上体を沈め、後ろの足の膝、
出した足の膝の順につき、両膝をそろえながらすわります。
※両足をそろえて膝からすわらぬようにします。
○正座の仕方
男性は、両膝の間にこぶしが二つ、
女性は両膝の間にこぶし一つがはいるくらいあけ、
足は親指が重なる程度にかかとを開いて、
腰をのせます。
両ひじを、男性はこぶしを横に、
女性はこぶしを縦にした形が入る程度に軽く張り、
背筋をまっすぐに伸ばし、
あごを少し引くようにして、
顔はまっすぐ前方を見て正座します。
手は、右手を上にして膝上で軽く組みます。
■扇子の置き方
席入りが終わり、定座に着いたら、自分の後ろ側に右手で置きます。
この時、次客以下は扇子の先(要[かなめ]でない方)が、
正客の方へ向くように置きます。
(正客は、逆に、扇子の先が次客の方へ向くように置きます。)
■お茶菓子を運んでもらった時の礼
亭主は主菓子器を持ち出したときに一礼し、
正客だけ、これを受けて一礼するようです。
続いて干菓子器を持ち出したときにも一礼をするそうです。
■お茶菓子のいただき方
○主菓子
菓子器が送られてきたら、次の客に「お先に」と一礼します。
菓子器に手を添え、菓子器を軽く押し戴き、
お菓子を取り、菓子器を畳の縁外、
次の客との間に置きます。
懐紙は、折り目が手前になるように、
折り返さずに、そのまま置きます。
○干菓子
干菓子器が送られてきたら、次の客に一礼し、
干菓子器を軽く押し戴いてから、
懐紙を出し、菓子器に左手を添え、
右手で、懐紙の上に一つずつ取ります。
懐紙で、指先を清めたあと、
干菓子器を畳の縁外、
次の客との間に置きます。
干菓子は、向こう側、手前側の順で取ります。
■関連リンク
「はじめての茶道」について
「抹茶を飲むために」について
「抹茶を飲むために(表千家編)」について
「抹茶を飲むために(武者小路千家編)」について