茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。

炭(道具炭)ってこんなの

茶の湯用の炭は、椚(くぬぎ)の樹を材料とした「黒炭」で、
着火性が良く、火がつけば微かな香りが漂い、
樹皮が密着し、しまりがあり、炭の断面が真円のように丸く、
切り口が菊の花のように均一に割れ目があるのが理想的だそうです。

「菊炭」などと呼ぶこともあり、「池田炭」や「桜炭」などが用いられるようです。

炭の名称や寸法などは流儀により異なるようですが、
「胴炭(どうずみ)」「丸毬打(まるぎっちょう)」「割毬打(わりぎっちょう)」
「管炭(くだずみ)」「割管炭(わりくだずみ)」「点炭/添炭(てんずみ)」
「枝炭(えだずみ)」「輪炭(わずみ)/車炭(くるまずみ)」などがあるみたいです。


■炭の種類

以下、各炭について表にまとめてみました。
炭の種類大きさ説明
胴炭(どうずみ)風炉用が長さ四寸、炉用が長さ五寸 道具炭の中で最も大きく、風炉や炉に最初に据えて芯とする炭。
横に寝かせて用いる。
丸毬打(まるぎっちょう)風炉用が長さ二寸、炉用が長さ二寸五分 道具炭の中で最も大きな「胴炭」に比べて細く、長さも半分の炭。
毬打(ぎっちょう)は、正月の遊戯として平安末期から
江戸初期にかけて行われた遊びで木製の毬を打つのに用いた
長い柄のついた槌のことで、
この毬杖に形が似ているところからついた名。
割毬打(わりぎっちょう)風炉用が長さ二寸、炉用が長さ二寸五分 道具炭の中で最も大きな「胴炭」に比べて細く、
長さも半分の「丸毬打」を縦半分に割った炭。
管炭(くだずみ)風炉用が長さ四寸、炉用が長さ五寸 道具炭の中で最も大きな「胴炭」と同じ長さで、
太さが半分以下の細い炭。

丸管炭と割管炭があり、
普通「管炭」というと丸管炭を指す。
割管炭(わりくだずみ)風炉用が長さ四寸、炉用が長さ五寸 道具炭の中で最も大きな「胴炭」と同じ長さで、
太さが半分以下の細い「管炭」を縦半分に割った炭。

細長いため、火種のそばに置いて、
最初の火起りに役立つように用いる。
点炭/添炭(てんずみ)風炉用が長さ二寸、炉用が長さ二寸五分 「丸毬打」と同じ長さの細めの炭で、
炭点前の最後につぐ炭で、
「止炭(とめずみ)」ともいう。

点炭は、文字を書いて、
終わりに点をうつのに似た心持でするところからの名。
また火を起す口火の意味も含んだものとも。
枝炭(えだずみ)/
白炭(しろずみ)
流派により異なる。
各長さは以下のとおり。
表千家:風炉用が四寸、炉用が五寸
裏千家:風炉用が五寸、炉用が六寸
武者小路千家:風炉用が五寸五分、炉用が六寸三分
躑躅(ツツジ)などの細い枝が、
二股・三股になった小枝を焼いたもので、
普通はこれに胡粉を塗り白い色にしたもの。
輪胴(わどう)/輪炭風炉用が長さ一寸五分、炉用が長さ二寸二分 道具炭の中で最も大きな「胴炭」より太く、
長さは半分以下の炭で、
後炭手前のとき「胴炭」の代りに用いる。
車炭(くるまずみ)風炉用が木口一寸五六分、炉用が木口二寸一二分 道具炭の中で最も大きな「胴炭」と同じ太さで、扁平な炭。
武者小路千家で炭斗に炭を組むとき、香合をこの上に載せる。
香合台(こうごうだい)/香台不定
香合を載せるところから呼ばれた名前。
太さは炭斗により、また、香合の大小によって決まりはない。
長さは、丸毬打と同じ。
枕炭(まくらずみ)不定 炭斗の最下部に置いて、他の炭を取りやすいようにする炭で、
枕の役割をするところからの名前。
だいたい、割毬打を用いて、割り口を下にして使用する。



■文献
稲垣休叟著『茶道筌蹄』には、
胴炭/管炭は、炉が五寸・風炉が四寸
輪炭は、炉が二寸二分・風炉が一寸五分
四方炭/毬打/割炭/添炭は、炉が二寸五分・風炉が二寸
といった感じに、炭の大きさが記載されているそうです。

また湖月老隠著『茶式湖月抄』には、
胴炭は、炉が長さ五寸/木口二寸一二分・風炉が長さ四寸/同一寸五六分
輪炭は、炉が長さ二寸三分/木口三寸ほど・風炉が長さ一寸五分/同七八分
四方炭は、長さ二寸五分四方割で用いる
管炭は、炉が長さ五寸/木口七八分・風炉が長さ四寸/木口七八分
毬打炭は、炉が長さ二寸五分/木口八九分より一寸五六分まで大小取交用・
風炉が長さ二寸/木口七八分
といった感じで記載されているそうです。

小西家秘蔵の茶道資料『凌雲帳の地の巻』には、
「炭は寸法通りに切った後、よく水で洗ってから干すと悪臭が少ない。
洗った炭は火であぶったりして干すと更に悪臭が減る。」
と記載されているようです。

「炭切形」について

「炭切溜」について

「炭台」について

「炭斗」について

「炭箸」について

「炭割」について

「火箸」について

「炭割り火箸」について
は、それぞれ別ページで説明しています。
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