茶道具 翔雲堂


ひと口知識

※内容に間違いがあるかもしれませが、ご了承ください。
また、ここの文章に関しては、質問等は受け付けていません。ごめんなさい。

金輪寺ってこんなの

金輪寺(きんりんじ)は、和物の塗物茶器の初めとされ、
胴は寸切りの如く、置蓋で、蓋の甲が丸みをもち、
掛かりが少し外に広くなっているそうです。

由来は、小型の経筒を茶器に転用したとも、
後醍醐天皇が金輪寺で使用した茶器ともいわれるとか。

今井宗久著『今井宗久茶湯日記抜書』の1555年4月1日の利休会に
「キンリンシ茶入」
とあるそうで、江戸時代初期までは濃茶器として用いられたが、
のち薄茶器として使用されたと捉えることができるのだとか。

金輪寺茶器の本歌は、 足利義政→義昭→織田信長→大雲院と伝来したものだそうで、
蓋裏に「勅」、底に「廿一内」という朱漆書がなされているみたいです。

この金輪寺茶器は、蔦の老樹を材とした刳物で、蓋の立上がりと底に檜が嵌め込んであり、
外側は透漆を薄く掛けた木地溜塗で、内側と糸底は黒漆塗りで、
寸法がたいそう大振りで、身が上方に向って末広がりになり、蓋の被りが大きいのたとか。
勅願の納経筒ではないかとも言われているそうです。

経筒(きょうづつ)というのは、「納経(のうきょう)」と呼ばれる、
宗教的行為に使われた道具で、中に経典を入れて経塚に納める円筒形の容器のことみたいです。
平安時代末期から鎌倉時代にかけての末法思想の頃に、特に盛んに行われたようです。

稲垣休叟著『茶道筌蹄』に
「金輪寺蔦大中木地蔦、外溜、内黒、
大は濃茶器、中はそつ啄斎薄茶器に用ゆ、
元来は吉野山にて、後醍醐帝一字金輪の法を修せられしとき、
僧衆に茶を給ふ、其とき山にある蔦を以て茶器を作る、
故に金輪寺茶器と云、
修法所を金輪寺といひしとぞ、
今の蔵王堂の側の実城寺是なり、乾に当る也、
三代宗哲の写しは、京寺町大雲院の模形なるよし、
大雲院は織田信忠公の菩提所なり、
此茶器信長公の伝来七種の一ツなり、
底に廿一之内とあり、朱の盆添ふ」
とあるみたいです。

林宗甫著『大和名所記(和州旧跡幽考)』に
「実城寺 実城寺又は金輪寺ともいふ。
後醍醐天皇の皇居にさだめられ、
此の御代にこそ北京と南朝とわかたれて、年号なども別にぞ侍る。
爰にして新葉和歌集などをえらび給ひ、
又天皇、御手づから茶入れ十二をきざませ給ふ。
或いは廿一ともいふ。そのかたち薬器にひとし。
世に金輪寺と言ふこれなり。
漆器と言ひながら勅作にて侍れば、
盆にのせ、金輪寺あひしらひとて、茶湯前もありとかや。」
とあるそうです。

また、
「棗」について

「中次」について

「薄茶器」について

「棗の形」について

「中次の形」について

「棗の塗り」について
は、別ページで説明しています。
※なお「金輪寺」は、中次の形で紹介しています。

作品名:金輪寺(溜塗)
価格:6,000円
備考:紙箱入

金輪寺(溜塗)
※画像を押すと拡大できます。
利休の金輪寺(こんりんじ)という茶器は、
棗の種類に属すそうですが、少し形が変わったものをいうそうです。

春日山が蒔絵されており、
紺色の古金襴の袋に入っているとか。

本歌は後醍醐天皇の勅作で、
今も吉野の吉水院(きっすいいん)にあるようです。
また、堺にもあるとか。

そのほか、偽物を所持している人もたくさんいるようです。

もし、本物を入手して使用するときは、
松皮盆に載せて使うのが故実なのだとか。

金輪寺の形を写して、桑または、
花欄(かりん)で薄溜塗にして使われているみたいです。

通常の金輪寺(きんりんじ)は、
内側は黒塗、外側は溜塗に仕上げた作例が多いとか。

相阿弥が珠光に宛てた伝書(茶書)『烏鼠集』には、
 「頭切金輪寺吉野ヨリ出」
と注記があるそうで、
『草人木』にも、
 「つんきり也、金輪寺といふ」
とあるみたいで、
頭切と金輪寺とは、形状にさほど区別がなかったことが窺えるようです。


■金輪寺の試作説
『石州三百ヶ條』には、
 「金輪寺ハ後醍醐の作也、
 うるしの木のよし、
 正作ハ盆にものる也」
とあるそうです。

また、久須見疎安著『茶話指月集』には、
 「後醍醐院勅作ノ茶器號金輪寺、
 芳野吉水院什物」
とあるみたいです。

これは、金輪寺に試作品があったということみたいですが、
真偽は不明なのだそうです。


溜塗金輪寺棗
価格:5,000円
備考:紙箱入

溜塗金輪寺棗
※画像を押すと拡大できます。
一般的な漆器の色には、白・黒・朱・溜(ため)などがあるそうです。

白漆は、ベースとなる生漆の色が茶色だそうで、
白漆といってもベージュ色をしているみたいです。

黒や朱は、色漆そのものの色みたいですが、
溜は、色漆をつくる際にベースとなる、
褐色味の強い透明な漆(主に朱合漆)を、
厚めに塗り仕上げることによって表現する色だとか。

地に使う漆の色によって見える色合いが異なるようで、
朱溜塗・紅溜塗・黄溜塗と区別されるみたいです。

また、木の素地を見せた木地溜塗というのもあるそうです。

なお「溜」の名前は、
「溜(たま)り醤油の色」に由来するという説もあるとか。



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