茶道具 翔雲堂
た行の茶杓銘
ここでは、「泪の茶杓」について説明します。
「泪の茶杓」というのは、
千利休
が
豊臣秀吉
に切腹を命じられ、
その猶予期間に自らの手で削った中節形の茶杓のことだとか。
1591年2月、その茶杓を使用した生涯最後の茶会の後に、
古田織部
に分け与えたのがこの泪の茶杓だそうです。
茶杓は白竹で樋が深く通り、有腰で、
利休
の茶杓の中でも
とくに薄作りにできているようです。
利休
は一体どんな思いで「泪」と名付けたのでしょう。
古田織部
は、この茶杓を本来用いられるべき、着色のない木地の竹筒ではなく、
黒漆で丹念に塗りあげた茶杓用の筒を自作して入れたそうで、
位牌としての意味づけを
したみたいです。
所蔵する名古屋・徳川美術館では年に一度、
利休
の命日に当たる2月28日の前後、
一週間ほど公開しているとのこと。
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