形 | 種類 | 備考 | ||
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お椀形 | 四つ椀 | 両椀(飯椀/汁椀) | ご飯物や汁物など。 | 稲垣休叟著『茶道筌蹄』より
「利休までは尽く朱椀也、利休より黒椀を用ゆ、朱椀も兼用」 「黒塗丸椀 坪平付、大小とも利休」 |
平椀(平皿/平盤) | 煮物など。 | 胴に帯状の「かつら」と称される加飾挽きが施されている。
伊勢貞丈著『四季草』より 「椀に平皿、壷皿、腰高といふ物あり。 式正の膳には、さいも皆かはらけにもるなり。 煮汁の多くある物は、かはらけにてはこぼるヽゆゑ、 杉の木のわげ物に盛なり。 そのわげ物の平きをかたどりて、平皿を作り、 其わげ物のつぼふかきをかたどりて、つぼ皿を作りたるなり。 そのわげ物にかつらとて、白き木を糸の如く細く削りて、 輪にしてわげ物の外にはめるなり。」 |
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壺椀(壺皿/壺盤) | 和え物など。 | 平椀同様「かつら」が施されている。 | ||
煮物椀(菜盛椀/平) | 主菜である煮物。 | はじめは「平椀」、後に趣向で種々の物が用いられるようになる。
椀蓋の甲・裏、椀の見込みに蒔絵を施したものなど。 |
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吸物椀(小吸物椀/一口椀/箸洗) | 清まし汁など。 | 一口椀と呼ばれるような小吸物椀が見立てで用いられる。 | ||
利休形 | 吉野椀 | 「飯椀」「汁椀」「壷椀(大小)」「平椀」 「二ノ椀」がある。 |
奈良県吉野地方で作られた塗椀。
内外を朱漆や黒漆で塗り、草花文様(吉野絵)を描いた椀 | |
上り子椀 | 「飯椀」「汁椀」「壷椀(大小)」「平椀」 「二ノ椀」がある。 |
端反りの落込み蓋で、底は高台の付いた塗椀。
平椀のみ碁笥底、壺椀のみ被せ蓋。 (※壺椀でも落込み蓋はあるそうです。) | ||
丸椀 | 「飯椀」「汁椀」「壷椀(大小)」「平椀」 「二ノ椀」がある。 |
両椀は四重椀、壺皿と平皿は被せ蓋。
稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「黒塗丸椀 坪平付大小とも利休。」 |
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面桶椀 | 「飯椀」「汁椀」「壷椀(大小)」「平椀」 がある。 |
被せ蓋、桶形、底に高台の付いた塗椀 。
身には帯紐が廻り、蓋に紐はなし。 稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「面桶椀 利休形、何れもうるみ、外蓋菜盛りばかり、坪平は丸椀を仮用ゆ」 (※宗旦好みに、潤塗面桶椀で、飯椀、汁椀、菜盛椀の三椀組があるそうです。) |
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精進椀 | 「飯椀」「汁椀」「壷椀(大小)」「平椀」 「二ノ椀」「楪子」「豆子」がある。 |
禅院で饗応膳として使用された膳椀。
朱塗、高台の内側が黒塗。 稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「精進椀 利休形、香台の内何れも黒し、 平内蓋、楪子底黒、豆子底黒、引鉢皆朱、 但し茶会には常の手付飯器も用ゆ、 折敷朱角切裏黒、但し坪はなし」 | ||
一文字椀 | 「飯椀」「汁椀」「壷椀(大小)」「平椀」 「二ノ椀」がある。 |
蓋の甲と身の底が一文字になった塗椀。
飯椀と汁椀は落込み蓋、坪椀と平皿は被せ蓋で、胴に一筋紐が廻っている。 稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「黒塗一文字椀 坪平付、大小とも利休形」 |
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菓子椀 | 「飯椀」「汁椀」「壷椀(大小)」「平椀」 「二ノ椀」がある。 |
朱塗で縁金のやや低目の蓋付の塗椀。
最も正式な菓子器で、料理椀としても用いられる。 稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「菓子椀 朱黒ツバメ利休形、烹物ワンにかりもちゆ」 |
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碁笥椀 | 飯椀・汁椀とも落込み蓋で、碁笥底になった塗椀。
稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「黒塗碁笥椀 利休形、汁飯椀とも碁笥底、坪平なし。」 |
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プレート形 | 折敷 | 平折敷(角不切) | 四角の物。 |
「飯椀」「汁碗」「向付」「箸」を乗せる。
真:朱の角切(精進用) 行の真:黒塗りの「角不(すみきらず)」 行の行:「角切」 草:春慶・うるみ・摺漆・一閑など。 草の形:舟底・丸盆・半月・糸目・鉋目など。 谷川士清著『倭訓栞』より 「おしき 東鑑に折敷と書り。所謂方盆也。 一説に和卓の音とす。 木の葉を折敷て盤となせし、 上古の名の遣れるもの也。」 |
角切折敷(隅切折敷) | 四隅を落としたの物。 | |||
縁高折敷 | 隅切の縁を高くしたの物。 | |||
足打折敷(高折敷) | 足を付けたの物。 | |||
傍折敷 | 足打折敷の脚に刳形のないの物。 |
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八寸 | 酒の肴
(海の物と山の物)など |
千利休が京都洛南の八幡宮の神器から作ったとか。
稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「八寸。杉木地 利休形。 檜木地 仙叟好。 溜入子 大小 原叟好なり」 |
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通盆(給仕盆) | 飲食物の給仕用 | 利休形:丸/黒/杉の木地/鏡へぎ目
元伯好:一かん張 |
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脇引 | 煮物椀や吸物椀などを 一度に数個乗せる。 |
利休形:黒角きらず
仙叟好:溜/長角かんなめ/がばとち/畳付黒 原叟好:一閑/長角ためぬり/畳付黒 元伯好:黒丸(今千家に不用) |
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寸胴形 | 飯器(飯次/食次) | 飯物など | 朝茶などには、竹組の飯器/金物の杓子を用いることもある。
利休形:黒塗り 炉用は手なし、風炉用は手付。 稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「食次 朱 黒塗 朱手付 黒手付 何レモ利休形」 |
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円筒形 | 湯桶(湯次/湯斗) | 「湯の子すくい」がつく。 | 利休形:黒塗り
風炉:金属製の湯次/湯の子すくいを用いることもある。 稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「湯次 黒塗湯ノ子スクヒソフ利休形、 又金ノ湯ノ子スクヒアリ、 金湯次ニソフト同シカラス、 網ノ絵ハ朱ノ湯ノ子スクヒ」 同じく稲垣休叟著『茶道筌蹄』より 「同唐金 金杓子ソフ利休形、 元サハリ写シニテ禅家ニテ銅提ト云テ湯ツギナリ」 |
分類 | 道具名 |
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懐石家具 | 折敷 |
四つ椀 | |
煮物椀 | |
吸物椀(箸洗) | |
八寸 | |
飯器 | |
湯桶 | |
通盆 | |
脇引 | |
懐石器物 | 向付 |
焼物鉢 | |
香物鉢 | |
預鉢 | |
強肴 | |
酒器 | 燗鍋(銚子) |
引盃 | |
盃台 | |
徳利 | |
石盃 | |
その他の懐石道具[包丁] | |
その他の懐石道具[配膳棚] | |
その他の懐石道具[木相] | |
その他の懐石道具[水嚢] | |
その他の懐石道具[箸] | 食箸 |
菜箸 | |
青竹箸 | |
白竹箸 | |
杉箸 | |
黒文字 |
作品名:松花堂弁当/五客入
(小鉢/杉板付) 価格:20,000円 備考:柿合木箱入 |
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松花堂弁当(しょうかどうべんとう)は、中に十字形の仕切りがあり、
縁の高いかぶせ蓋のある弁当箱を用いた弁当だそうです。 陶器の器を入れることができるため、 汁気のある料理を盛ることもできるようです。 仕切りのそれぞれに刺身・焼き物・煮物・飯などを、 見栄え良く配置すると良いそうです。 源流は、幕の内弁当が本膳料理の流れを汲む、江戸時代に遡るものみたいで、 松花堂弁当は懐石料理(茶料理)の流れを汲み、 昭和になってから誕生した様式だそうで、歴史は大きく異なるのだとか。 ■名前の由来 「松花堂」の名は、江戸時代初期の石清水八幡宮(京都府八幡市)の社僧であった、 松花堂昭乗(1584年〜1639年)に因むものみたいです。 昭乗は、農家が種入れとして使っていた器をヒントにこの形の器を作り、 絵具箱や煙草盆として使用していたようです。 その入れ物が、松花堂弁当に発展したのは、昭和8年頃なのだとか。 昭和8年の『西田幾多郎日記』 太田喜二郎『絵茶會記』によると、 貴志彌右衛門の大阪(桜宮)邸内の茶室「松花堂」で茶事が催された折、 彌右衛門が、料亭「吉兆」の創始者となる湯木貞一に、 この器で茶懐石の弁当をつくるようにと命じたのがはじまりみたいです。 その後、毎日新聞が「吉兆前菜」として取り上げたことで話題となり、 松花堂弁当の名が広まったそうです。 ■そのほか IBMのノートパソコンであるThinkPadは、 松花堂弁当の弁当箱をコンセプトにしてデザインされたのだとか。 |
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作品名:竹飯器セット
紙箱入 |
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飯器(はんき)は、共の盛蓋付の低い寸胴形の飯櫃(めしびつ)で、
杓子が添っているそうです。 飯櫃は、炊き上がった飯を移し入れておく器で、 「おひつ」「おはち」などとも言うようです。 多くは木製で、白木(サワラ材)や漆器のものがあるとか。 蓋の形状によって「つめびつ」「のせびつ(関西櫃・地櫃)」 「かぶせびつ(江戸櫃)」があるようです。 朝茶などには、竹組の飯器・金物の杓子を用いることもあるそうです。 新しいものは、木肌がなれないから、 木の香が飯に移ることがあるみたいです。 木の香を抜くには、熱湯で満たし、 これに少量の酢を加えるということを数回繰り返せばよいそうです。 ■歪の語源 飯櫃(めしびつ)は、飯櫃(いいびつ)とも読めるのですが、 「いいびつ」から転じて「歪(いびつ)」という語が生まれたみたいです。 昔の飯櫃は、楕円形だったそうで、 楕円形は綺麗な円形でないことから、 江戸時代以降、形や状態が歪んでいる意味として、 用いられるようになったとか。 |
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作品名:溜塗信玄弁当
備考:紙箱入/10客あり |
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信玄弁当(しんげんべんとう)は、
別名「鷹の羽弁当」とも言うそうです。 鷹の羽は、武田信玄の衣替え紋のことだとか。 武田信玄が考案した信玄袋に入れた、 野外弁当のことみたいです。 弁当の内容に特に決まりはなく、 料理屋では松花堂同様に、 軽い献立で出すところもあるそうです。 なお、信玄袋とは、 持物一切合財を入れられるという意から、 合財袋とも呼ばれたようです。 信玄袋の名称に対しては、 信玄弁当を入れたためとか、 信玄(甲斐絹[かいき]の隠語)を袋に用いたため、 などという説があるみたいです。 甲斐絹とは、経糸と緯糸を、 1:2の割合にして製織した本練り絹織物のことだとか。 |
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