十種香札ってこんなの

Category: 茶道具全般

十種香札は、香道具を応用したもので、
表面に菊・桐・松・梅・桜・柳・竹・萩・水仙・牡丹などの絵、
それぞれの花毎の小箱(札箱)の裏面に、
月一・月二・月三・花一・花二・花三・一・二・三と書かれた札が1枚ずつと、
客(またはウ)と書かれた札が3枚、合計12枚の札が1セットになっているそうです。

札の1セットは、札箱と呼ばれる小箱(10組ある)に納められ、
外箱に全て収まるようになっているみたいです。

■十種香札を使用する七事式
表千家の場合は、少なくとも七事式の「数茶」と「一二三」で使用するようです。

裏千家の場合は、以下の表で一覧にしてみました。

七事式 道具 備考
一二三之式 長盆・札箱・小折据・掛物・花入・
通常の点前道具・
花月札(月・花・一・二・三)
修証即不無染汚不得
5人で行う。八畳を基本とする。風炉・炉とも行う。
法麿之式 長盆・札箱・小折据・掛物・花入・花台セット・
通常の点前道具・炭手前道具・
花月札(月・花・一・二・三)
一二三之式を基に十二代又みょう斎が考案した。

5人で行う。八畳を基本とする。風炉・炉とも行う。
員茶之式 大折据・掛物・花入・干菓子器・莨盆セット・
通常の点前道具
役を決めるときのみ中折据・雪月花札
老倒疎慵無日 閑眠高臥対青山
7人以上で行う。八畳を基本とする。風炉・炉とも行う。
一回行うことを「一扁という」
花寄之式 大折据・掛物・花入・花台セットなど
役を決めるときのみ中折据・雪月花札
7人以上で行う。八畳を基本とする。風炉・炉とも行う。
十一代玄々斎が復興した形式のもの。
今日庵では、利休忌・宗旦忌・精中忌・円能忌・無限忌に手向けとして参列者の代表で行う。

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ここでは、十種香札の使い方(裏千家)について簡単に説明しようかと思います。

一二三之式・法麿之式の場合、
十種香札を使って点前の修証を行い、
各人が小折据の中に札を入れる、
といった使い方をするようです。

員茶之式・花寄之式の場合、
大折据に十種香札を入れて取り回し、
札元(ふだもと)が読み上げた絵柄の札の人から、
茶をいだだき、点前をしたり、花を入れたりするそうです。

大折据に十種香札を入れて、員茶之式・花寄之式に用いる時は、
同じ絵柄の「一」の札1枚、
「客」の札1枚の2枚ずつを折据に入れるみたいです。

上段に「一」の札、下段に「客」の札を、
文字を上にして客の人数分だけ並べるとか。

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ここでは「黒檀」について説明しようかと思います。

■植物としての黒檀
黒檀は、カキノキ科カキノキ属の熱帯性常緑高木で、
インドやスリランカなどの、
南アジアからアフリカに広く分布しているそうです。

樹高25m、幹の直径1m以上になるようですが、
生育がきわめて遅いみたいです。
幹は平滑で黒褐色だとか。

果実は直径2cmくらいで、食用になり、
カキの実を小さくしたような感じだそうです。

■利用方法
黒檀の木材は、銘木として古くからよく知られるようです。

製品の素材に用いられる、
心材の材質の特徴としては、
漆黒の色合いで緻密・重厚・堅固である点が挙げられるとか。

細工用の木材として、
家具・仏壇・仏具・建材・楽器・ブラシの柄、
などに使用されるようです。

特にピアノの黒鍵、ヴァイオリンなど弦楽器の指板、
カスタネット(打楽器)やチェスの駒、
などに用いられているそうです。

■木材としての黒檀
唐木3大銘木の一つで、
以下のように分類されているとか。

本黒檀:全体が漆黒色
縞黒檀:黒色と紅褐色
青黒檀:青緑色を帯びた黒色
斑入黒檀:黒色と黄褐色

極めて重く硬い木で、
木目はほとんど見えないようです。
切削は極めて困難とされるみたいです。

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