「六角柳(結び柳)」について

Category: 茶道具全般

六角柳(ろっかくやなぎ)は、
床柱に生ける場合や床の間奥隅に掛ける、
長く垂らした柳(シダレヤナギ)の枝を中間で結び、
輪にして床に流したものだそうです。

茶室の小間であれば楊枝柱に掛けるとか。

掛ける釘は「柳釘」というようで、
花器は青竹で長さ1尺程、径2寸~3寸、
これに柳の細く長い枝を数本(3本・5本)生けるみたいですが、
枝は長く、畳に引きずるほど喜ばれるのだとか。

縁起の良いとされる椿・千両・万両・松・南天・水仙などを
根元の花器に生けるようです。

■結び柳
「結び柳」とも言うそうで、
結びの「むす」は、「産(む)す」や「生(む)す」
という言葉に繋がるみたいです。

また、万物を生みだす優れた神「産霊(むすび)の神」とも通じたり、
旧年と新年を無事に結んでいくという意味も込めらているようです。

柳を結んだ大きな輪は、
「一陽来復」の太陽を表わすそうです。

「一陽来復」は、一年で最も日の短い「冬至」を境に、
昼の長さが増すことから、
「物事が好転する」という意味になるそうです。

また「輪」に「和」の意を重ね合わせたもの、
丸く結んだ形から「平和」や「円満」の象徴、
などの意味も含まれるようです。

■利休が最初に用いた
唐代の張喬の漢詩にある、
旅に出る友人に柳を結んで贈る故事から、
利休が送別の花として
「鶴一声胡銅鶴首花瓶(つるのひとこえこどうつるくびかへい)」に、
柳を結んで入れたのが、
茶席で用いられた最初みたいです。