「燗鍋」について

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燗鍋


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燗鍋(かんなべ)は、
「銚子」とか「銚子鍋」とも言うそうです。

銚子の「銚」は「鍋」のことだとか。

燗鍋は、古くは「さしなべ」「さすなべ」ともいったそうで、
注ぎ口のある鍋に弦をつけ、
湯を沸かしたり酒を温めるのに用いたみたいです。

燗鍋の材料としては、金属製のほかに、
古染付・新渡染付・古九谷・志野・織部・古清水・御菩薩などの
塗物や陶磁器のものもあるようです。

釜師の手になるものが多く、
一般的には丸形・角形・阿古陀形なのですが、

富士形・鶴首・車軸・四方・平丸など釜の形に倣い、
そこに口と手を付けたもの、
舟形・七宝形・竹節形など

種々の器形を型どった珍しいものも作られているそうです。

釜のように霰・浪・雷紋・糸目・七宝などの
地紋のあるものも多くあるのだとか。

燗鍋(銚子)の蓋は、共蓋で、
青磁・染付・色絵・祥瑞・織部・志野などが
用いられるようです。

中には、香炉の蓋、茶器の蓋、香合の蓋などを利用し、
それらの蓋に合わせて燗鍋(銚子)を作らせたものもあるようです。


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「錫いぶし」の製造工程

Category: 燗鍋, 製造工程


錫燻銚子


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以下に、錫いぶしの製造工程を説明しようと思います。

溶解 232℃で溶け始め液状化したスズを、
 232℃:黄色がかった銀色
 240~250℃:赤味がかった色
 260℃:青味を帯びたグレイ
のどれかに変色させる。
鋳造 土型・金型・木型などに、錫の地金液をゆっくり流し込み約30~50秒後に型を開ける。
加工 鋳造で出来た一次製品は旋盤加工で型を削り、表面をなめらかにする。
内側も削り、指先の感触でそれを判断し最適の厚みを創る。
形状とともに厚みが重要なポイント。
絵付け 絵付けは、耐酸性の高い漆で行われ、下書きはせず最初から筆で描いていく。
腐食作業 絵付けしたものを、希硝酸溶液に浸ける。
希硝酸溶液に浸けるとすぐに表面が白色化し始める。
およそ20分程度浸けておくと、絵付けされている部分が浮き上がる。
イブシ加工 必要に応じて、漆に油煙の顔料を混ぜ色合わせした漆を塗って着色する。
室生と呼ばれる容器の中で、温度は20℃、湿度70%に保ち乾燥させる。
一日一度しか漆の付色、作業が出来ないので、5日間に渡り同じ作業を繰り返す。
仕上げ 漆の艶出し作業。
木工用ロクロに作品を固定し、ロクロの回転を利用して柔らかい布で磨く。


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「燗鍋」の歴史

Category: 燗鍋, 茶道史

燗鍋は、古くは「さしなべ」「さすなべ」ともいったそうで、
注ぎ口のある鍋に弦(つる)をつけ、湯を沸かしたり酒を温めるのに用いたみたいです。

やがて、柄のついた銚子ができると、
弦をつけたものは「提子(ひさげ)」と呼ばればれすようになり、
長柄の銚子が式正の器とされるようになると、
提子は銚子に酒の減った時に注ぎ加えるのに用いるものとなったそうです。

江戸後期には徳利が流行し、のちには徳利をも銚子と通称するようになるのだとか。

江戸時代の文献『貞守漫稿』に
「江戸近年式正にのみ銚子を用ひ、略には燗徳利を用ふ」
とあるそうです。

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