「釜」について

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万代屋釜


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茶湯釜は、大別して
 「芦屋(あしや)」
 「天命(てんみょう)」
 「京作(きょうさく)」
の三種みたいです。

西村道冶著『釜師之由緒』によると、
 「釜鋳元祖は、土御門院建仁年中、
  栂尾明恵上人、筑前国蘆屋に御茶湯釜初而鋳しむる也」
とあって、

茶湯釜の起源は、
建仁年間(1201年~1204年)に明恵上人が、
芦屋の鋳物師に鋳させたのに始まるそうで、
桃山時代以前のものをとくに「古芦屋」と呼ぶみたいです。

※「天命釜の方が古いよ」とする説もあるとか。

以下、「芦屋釜」についてのみ説明しようかと思います。
なお、他の2つはホームページで説明しています。

■芦屋釜
芦屋釜の特色は、
引中型(ひきなかご)を用いていることと、
真形(しんなり)釜が多く、
鐶付(かんつき)は鬼面を用い、
地肌は滑らかで鯰肌(なまずはだ)が多く、
陽鋳の絵画的地紋で飾られていること、
のようです。

また、胴部には羽をめぐらしていて、
多くは地にヘラ押しによる文様を表しているそうです。

ちなみに、「引中型」の説明をすると、
 中子(なかご)が、縄を巻いた上に、
 もみ殻・寸莎・髪の毛などを混ぜた土を塗り、
 軸を回転させる方法で作成するため、
 回したことで出る挽き目が、
 うっすらと釜の内側に細い筋として残る状態のこと
を言うみたいです。

※中子(なかご):胴部の厚みが薄く、
 鋳型の中空部を作るために内に収める型のこと。


釜

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「富士釜」について

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富士釜


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富士釜と言えば、立礼(御園棚など)でしょうか。

道具うつりが良く、
釜の山形(やまなり)、棚の地面(平面)が
深山幽谷に佇む、侘び数寄を思わせられます。

釜の湯気が霧のように立ち込める中、
聞こえてくる松風の音。
いつしか自然と一体となったような気分になります。

茶道を通じ、自然に、いざなわれながら、
一椀をいただくのも一興ではないでしょうか。


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「車軸釜」について

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車軸釜


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荷車などの車輪の中心部に似ているところからの呼称で、
古くからこの名があるとか。
天明に多く見られるそうです。

外周部分を支えている「リム」と、
車輪の中心にある「ハブ」をつなぐ部分を
「スポーク」と呼ぶそうで、
左写真の車軸釜はこの「スポーク」がはっきり出ていますが、
「スポーク」がなく、円盤状になっているものも多々あるようです。


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「富士釜」について

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富士釜(風炉用)


太宰治著『富嶽百景』に
「富士には月見草がよく似合う」
とありますが、

富士山が「世界文化遺産」として登録されて
とてもうれしく思っています。

口が小さく、肩から胴にかけて、
裾が広がり富士山の姿に似た形の釜で、
筑前芦屋や博多芦屋で、
天正から慶長期にかけて盛んに作られたそうです。

天命では、室町末期の作に鬼面鐶付のものが、
京作では、道仁の「桜地紋」、五郎左衛門の「牡丹紋」などが、
好みものでは、裏千家四世仙叟好みの「四方富士釜」、
表千家七世如心斎好みの「擂座富士釜」、
裏千家十三世円能斎好みの「南鐐富士釜」、
裏千家十四世淡々斎好みの「三友地紋」、
などがあるそうです。


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