「莨盆」について

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莨盆


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莨盆は、最初、香盆を見立てたもので、
香炉を火入に、シュ殻入を灰吹、香合を煙草入とし、
盆の前に煙管を二本置くのは、
香箸に見立てたものだったようです。

喫煙に必要な火入・灰落し(灰吹)・煙草入・きせるなどを
ひとつにまとめた莨盆は、
刻み煙草の喫煙に便利なようにと改良され、
機能的に優れたものとなっていくようです。

盆形以外に箱形のものも作られるなど、
さまざまな意匠が考えられ、
蒔絵なんかもあったみたいです。

たとえば、持ち運びやすくした「手提げ莨盆」や、
風で灰が飛ばないようにした「風覆手付き莨盆」、
火入が回転する「蒔絵四方形手付き莨盆」、
小物入れをつけた「寝覚形莨盆」や「箪笥形莨盆」など。


莨盆

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溜香狭間透莨盆(柿合塗) 鳳斎

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溜香狭間透莨盆(柿合塗)



手無しの莨盆で、大きな透かしがあり、
通常の莨盆より中の火入が映えて見えます。
また、塗りがとても良いですね。

正客の前に、置かれるとより一層引き立つことでしょう。

一閑塗山道莨盆 安本表雲斎

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桐木地莨盆(銀杏透かし)



山道の莨盆の一閑塗で、仕事が丁寧です。
全体が黒色なので、どんな色の火入を持ってきても似合います。

茶席のテーマによっては、
モダンな火入を入れても楽しいことでしょう。