9月 21, 2017
ここでは、竹蓋置について説明します。
竹蓋置(たけのふたおき)は、竹を逆竹に切って、
節に小さな空気抜の穴をあけた蓋置だそうで、
運び点前または小間で用いるようです。
炉・風炉の別があるみたいで
風炉用は「天節(てんぶし)」といい上端に節があり、
炉用は「中節(なかぶし)」といい節が真中よりすこし上にあるとか。
吹貫のものは時期を選ばず用いるのだとか。
ただ、利休時代、天節を風炉に、中節を炉にと、
定めた記録(逸話)はないそうです。
裏千家八代一燈より以前は、
炉・風炉での蓋置の区別はなかったみたいです。
竹蓋置は、引切(ひききり)ともいい、
当初、青竹を鋸で切ったものを一回限りの使い捨てとしたようです。
後に、使われた青竹を油抜きして花押などを乞う様な事が行われ、
転じて白竹の蓋置ができたみたいです。
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蓋置の種類は多く、特に「表七種(千利休選出)」と
「裏七種」の「七種蓋置」が有名みたいです。
表七種は「火舎」「五徳」「三葉」「一閑人」「栄螺」「三人形」「蟹」で、
裏七種は「印」「惻隠」「太鼓」「輪」「井筒」「糸巻」「駅鈴」だとか。
ここでは、七種蓋置について一覧にしてみます。
まずは、表七種蓋置から。
表七種
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火舎(火舎香炉)
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ほや。
火舎は、火屋・穂屋とも書き、香炉・手焙・火入などの上におおう蓋のこと。
七種蓋置のうち、最も格の高いものとして扱われ、主に長板や台子で総飾りをするときに用いる。
火舎は、「火舎香炉」の略称で、小さな火舎香炉を起用したのが最初。
利休は「香炉蓋置」と言ったとか。
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五徳
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ごとく。
炉や風炉中に据えて釜を載せる五徳をかたどった蓋置。
火舎蓋置に次ぐ格の蓋置として、台子、袋棚にも用いられるが、
透木釜、釣釜を使う炉の場合や、切合の風炉の場合など、
五徳を使用しない場合に用いる。
※三本の爪のうちひとつだけ大きな爪がある場合は、
それを「主爪」というのだとか。
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三葉
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みつば。
三つ葉は、セリ科の多年草。和名の由来は葉が3つに分かれている様子から付いた名前。
大小の三つ葉を上下に組み合わせた形の蓋置。
ふつうは大きな三つ葉形と小さな三つ葉形が
背でくっついた形で交互についている。
仙叟好の片三つ葉は、半分はまるい高台になっているとか。
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一閑人
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いっかんじん。
井筒形の側に井戸を覗き込むような姿の人形がついた蓋置。
閑人(ひまじん)が井戸を覗いているようなので別名「井戸覗き」ともいう。
人形の代わりに龍・獅子などが付いたものもあり、
また、人形のないものは井筒(いづつ)、無閑人(むかんじん)などともいうとか。
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栄螺
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さざえ。
栄螺貝の内部に金箔を押したものを使ったのが最初といわれ、
のちにこれに似せて唐銅や陶磁器でつくたものを用いるようになったとか。
置きつけるときは口を上に向けて用い、
飾るときは口を下に向けて飾る。
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三人形
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みつにんぎょう。
三閑人・三漢人・三唐子ともいい、
三人の唐子が外向きに手をつなぎ輪になった形の蓋置。
中国では筆架・墨台で文房具の一つで、それを蓋置に見立てたものだとか。
三体の内の一体だけ姿の異なる人形があり、その人形を正面とする。
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蟹
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かに。
文鎮や筆架などの文房具を蓋置に見立てたものみたいです。
蟹蓋置は、東山御物にあり、
足利義政が慈照寺の庭に十三個の唐金の蟹を景として配し、
その一つを紹鴎が蓋置に用いたのがその始まりだとか。
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続いて、裏七種蓋置について。
裏七種
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印
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足利義政が臨済禅師の銅印を蓋置に用いたのが初めみたいです。
火舎蓋置と同様に扱うが、
火舎蓋置は草庵には用いないが、
印の蓋置は草庵でも用いるとか。
自分から読む方に向けて柄杓の柄をつけ、
飾るときは印面を下にする。
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惻隠
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そくいん。
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太鼓
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輪が中ほどで膨らんでいるもの。
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輪
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単に「吹貫(ふきぬき)」ともいう。
元は台子皆具の一つ。
唐銅製の円筒形のもので、
多くは精巧な地紋や透かしがある。
のちに陶磁製や竹製のものも造られる。
輪が中ほどで膨らんでいるものを「太鼓」、
輪が中ほどで細くなったものを「千切(ちぎり)」という。
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井筒
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いづつ。
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糸巻
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四本の柱を立て上下で繋いだ形。
糸を紡ぐ糸枠の形をしているためこの名があり
「糸枠(いとわく)」ともいう。
実際の糸を巻いたものや、本あるいはそれ以上のものもある。
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駅鈴
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円形の中央を丸く抜いた環状を横に割った形。
律令制で官命によって旅行する者に
中央官庁と地方コクガから下付した鈴のこと。
主に槍の鞘建水に用いる。
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■長建水とは
七種建水のうち、長建水(細建水)は、
「槍鞘(やりのさや)」「棒の先(ぼうのさき)」
「箪瓢(たんぴょう)」の三種で、
皆、底に蓋置を据えることができないため、
柄杓の馘を落し、柄に蓋置を掛けて運び出すそうです。
槍鞘は端午の節句に駅鈴と共に用いられることが多く、
武家茶などでも好まれているのだとか。
槍鞘は槍(武具)に、駅鈴は馬に因んだ道具のようで、
このような道具組にするそうです。
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9月 01, 2017
動画のこれは、七種蓋置です。
左手前から、「三つ葉」「一閑人」「五徳」
左手奥から、「栄螺」「蟹」「三人形」「火舎」
となります。
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七種蓋置に関しては、
『茶湯古事談』に
「近代七ツのふた置といふハ、三ツ葉、蟹、
さゝひ、ほや香炉、三人坊主、五徳、わ、此等也となん 」
とあるそうです。
それぞれの代表的な文献の記述を見てみると以下のようになるようです。
<火舎蓋置>
『南方録』
穂屋 天子四方拝の時、
用玉ふ香爐といへり、
さまによりて蓋置に用る時も、
殊外賞翫の一ツ物なり、
草庵に用たる例なし、
袋棚以上に用、
手前の時、賞翫の置所等秘事口傳
『茶道筌蹄』
火屋 ホヤ香爐をかり用ゆ
『源流茶話』
「ほや香炉と申候ハ、
いにしへ唐物宝形つくりえ香炉のふたを翻し、
釜のふた置ニ見たて、袋をかけ、真の具に被定候、
ほやとハ蓋宝形つくりなれは也」
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<五徳蓋置>
『南方録』
火卓 爪を上にしても、
又下にしても用、
火卓掛の炉、又は風炉に相応せず、
釣釜によし
『茶道筌蹄』
五徳 開山五徳と云は紹鴎所持、
台子は切懸釜ゆへ、いにしへは五徳を多く用ゆ
『貞要集』
「総而蓋置を隠架と云也、此心は、水覆の内に入、
台子に置候は、架に隠すと云儀なり、
それを五徳の蓋置計を隠架と云は誤也」
『槐記』
「今の人五徳の蓋置の名を、カクレガと云と覚へたるは大なる僻事なり、
それは五徳のふたおきと云ふ也、
台子の七かざりに風炉釜水指を始として皆カネのものを用る、
柄杓は柄杓立あり茶筌は茶筌のせありて、
蓋置ばかりは飾り付る処なし、
もろもろ荘り付けて亭主の持ち出るものはコボシばかりなり、
夫故蓋置コボシの内へ入込て出るをカクレガと云、
コボシの内へ入て見へざりければなり、
乃至、カネの蓋置をコボシへくみたるをカクレガと云からしてカネのものをカクレガと云、
五徳の名にあらず」
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<一閑人蓋置>
『茶道筌蹄』
青磁一閑人 元来香炉なり、
仙叟箱書付には青磁香炉一閑人とあり、
何れの時よりかフタ置となる
同無閑人 人形のなきを云ふ
赤絵の獅子 一閑人のごとく、人形の所が獅子になる也
『茶道望月集』
惻隠の蓋置は、一閑人共云、是を棚に置時は、
人形を前へ見て置、堵炉の時は人形を向へ見也、
又風炉の時炉にても向点の時は、人形を前へ見て柄杓を掛る、
釜の蓋を置時は、柄杓を取左へ渡し、右手にて横になして、
人形の面を我左の方へ会釈置、夫へ蓋を置事能、
幾度も柄杓置時は堅に取直し置、蓋は兎角横になして置也
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<栄螺蓋置>
『茶道筌蹄』
大は真鍮、千家にては用ひず、小は唐金、利休所持
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<三人形蓋置>
『茶道筌蹄』
唐子三人手を組合せたる形なり
利休所持、原叟書付あり、和物也、冬木氏伝来
『茶道望月集』
三漢人の蓋置迚唐人三人並びたる形あり、
其中に羽織着たる人形有もの也、
夫を表として、四畳半炉にては真向になし、
風炉の向点の炉は前へなして置也
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<蟹蓋置>
『茶道筌蹄』
筆架をかり用ゆ
『雲集蔵帳』
「大名物 蟹蓋置 東山御物 紹鴎 利休 小堀 土屋 酒井雅楽頭」
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<三葉蓋置>
特に参考文献なし。
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10月 04, 2014
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蓋置(ふたおき)とは、
釜の蓋をのせたり、柄杓の「合(ごう)」をのせる道具だそうです。
蓋置は、金属、陶磁器類、木、竹などのものがあるとか。
蓋置の名は、釜の蓋を載せる器ということで、
「蓋置」となったようです。
蓋置は初め、台子皆具の一つとして、唐銅で登場し、
水指などと似た意匠だったそうです。
それが独立して個々に用いられるようになったとか。
唐銅から、それを写した陶磁器、さらに見立応用品なども加わり、
多種類になっていったみたいです。
蓋置のことを「隠架」といった書物(『貞要集』)もあるそうで、
蓋置は建水の中に隠れるという意味みたいです。
ただ、一般的には「蓋置」と言うようです。
蓋置の種類は多く、特に「表七種(千利休選出)」と
「裏七種」の「七種蓋置」が有名みたいです。
表七種は「火舎」「五徳」「三葉」「一閑人」「栄螺」「三人形」「蟹」で、
裏七種は「印」「惻隠」「太鼓」「輪」「井筒」「糸巻」「駅鈴」だとか
「蓋置」に関するページは、こちらから。
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2月 28, 2014
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唐金製なので、長持ちします。
特に蓋置全体の形と、
朝顔の花の見せ方が素晴らしいです。
朝顔と言えば、
利休 と秀吉 の一輪ざしの話
(『茶話指月集』より)を思い出します。
「蓋置」に関するページは、こちらから。
「唐金朝顔蓋置」について はコメントを受け付けていません :
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2月 27, 2014
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全体の形が良く、
特に上の梅の花が
可愛らしいです。
東風と言えば、
菅原道真公のことを思います。
九州の太宰府は、
学問の神として有名です。
「蓋置」に関するページは、こちらから。
「色絵東風蓋置」について はコメントを受け付けていません :
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