「茶入」について

Category: 茶入


上野肩衝茶入


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茶入(ちゃいれ)は、抹茶を入れるのに用いる茶器全体を指すのですが、
ここでは、薄茶器に対する陶磁器製の茶器として、説明しようかと思います。

茶入は、「濃茶器」「小壺」「擂茶壺(すりちゃつぼ)」
などとも呼ばてるみたいです。
焼き物の種類として、5つに大別してるみたいで、
「唐物」「島物」「瀬戸」「後窯」「国焼」があるらしいです。
※もっと細かい分類もあるようです。

■唐物茶入
中国産の「唐物茶入」は、
室町時代以前に日本に来たものが特に尊ばれてるみたいです。

「唐物」自体は宋・元・明時代の美術作品を指して、
産地が不明な舶来品なども唐物と言ったりしてるようです。

■茄子
古くは唐物茶入の最上位におかれていたようです。

茄子の名は、茶入の全体の形が、
野菜の茄子の実に似ていることに由来しているとか。

「九十九髪茄子・松本茄子・富士茄子」を
天下三茄子と呼ぶようです。

■文琳
古来、唐物茶入の中で茄子と文琳は、
その最上位にあるみたいです。

文琳の名は、林檎の形に似ていることに由来しているようです。

文琳とは林檎の雅称で、
中国唐の第三代皇帝高宗の時、
李謹という者が見事な林檎を帝に献じたところ、
帝は喜んで李謹を文琳郎の官に任命した、
という故事があるのだとか。

■肩衝
肩衝の名は、肩の部分が角ばり、肩が衝(つ)いているように
見えることに由来しているそうです。

桃山時代、次第に小間の茶が追求される中、
書院に適した格式の高い茄子よりも、
肩衝が重要視されるようになったみたいです。

肩衝茶入は大きさにより、
大きいものを「大肩衝」、
小さいものを「小肩衝」、
丈けのつまったものを「半肩衝」
とそれぞれ呼ぶとか。

現在生産される茶入の多くはこの肩衝だそうで、
今日では、縦長の茶入を全て、
肩衝と呼ぶ場合すらあるみたいです。

「初花・楢柴肩衝・新田肩衝」を
天下三肩衝と呼ぶそうです。

■茶入の蓋
茶入の蓋は共蓋ではなくて、
そもそも無いみたいで、別に作るようです。

茶入の素材と違って蓋は
「象牙・角・唐木・プラスチック」などで出来ていて、
蓋の裏は金箔張りが使われるみたいです。

金箔を使うのは、
当時「金は毒で変色するから」と思われていたせいで、
実際は、金はどんな毒にも反応しないとのこと。


茶入

「茶入」に関するページは、こちらから。

瀬戸茶入・万代屋緞子・大燈金襴 佐久間勝山

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瀬戸茶入



一般的には、茶入に仕覆は一つですが、
三つ四つと持っている茶入もあります。
洋服で言えば、着替えを持っているということになります。
すごくお洒落と言えるのではないでしょうか。

緞子と金襴という違った切地を持っているため、
茶会によっては、違った使い道があると思います。
また、瀬戸茶入なので、幅広く使えます。
全体の姿も美しいです。

鵬雲斎大宗匠の箱書の字は、細いけれども力強い感じを受けます。
割合お若い時の字なのでしょうか。