10月 10, 2017
動画は、「雪点前」の道具組です。
雪点前は、裏千家第11代家元の玄々斎が伊勢崎松坂の一旅舎に滞在中に、
考案したものだそうです。
花点前=春、卯の花点前=夏 、月点前=秋、雪点前=冬
と対応させた場合の「冬」にあたります。
特徴は、お盆を使わず、「掛子」を使うことで、
茶碗、棗、茶杓は、仕覆に入れるようです。
この仕覆は、三ツ組仕覆というとか。
袋にいれた茶杓(中節・象牙でも良い)は、
掛子に斜めに置くとか。
動画の道具組にはないのですが、
「建水」も必要なようです。
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■掛子とは
ここでは、掛子(かけご)の説明をします。
掛子は、茶箱などの収納をより効率よくするため、
箱の縁に掛けて、その中にはまるように作った、
平たい箱のことだそうで、点前の際に茶碗を置いて、
安定良く茶を点てるのにも用いるみたいです。
茶籠にはほとんどみかけないそうですが、
茶箱には添うものがあるようです。
最初から箱と一揃いで作られている場合が多いみたいで、
茶筅筒がつかえないよう、その部分が丸く開けてあるのだとか。
雪点前と月点前に使用するみたいです。
雪点前では、箱に掛子を掛け、袋に入れた茶杓を斜めに置き、
その上に二つ折りにした古帛紗を載せ、
さばいて畳んだ帛紗を置いて、蓋をするそうです。
月点前では、箱に掛子を掛け、古帛紗を二つ折りにして中央に入れ、
その上に香合・小羽箒を置き、左側に袋に入れた茶杓を置き、
さばいて畳んだ帛紗を置いて、蓋をするみたいです。
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■鑑賞
今回は、裏千家五代不休斎常叟好の
「木地茶箱」について説明します。
裏千家五代不休斎常叟好の木地茶箱は、
十代認得斎と十一代玄々斎が写しているそうです。
玄々斎の写しには、玄々斎筆の書付が添い、
箱蓋表に「三之内」と玄々斎が墨書しているそうです。
不休斎が好んだ茶箱に、「菓子箱新好之」とされる被蓋の菓子器を、
玄々斎は新たに追加したようです。
茶箱の下部に引き出しがあるそうで、
被蓋によって押さえる仕組みみたいです。
茶箱・菓子器共に、内部には金泥が施されているとか。
木地茶箱のサイズは、高9.4cm、径16.3cm×11.5cmだそうです。
中身は、
・唐津写茶碗(慶入作)
・古瀬戸写茶入(保全作)
・甲赤茶器(七代宗哲作)
・竹茶杓(玄々斎作)
・茶筅筒(七代宗哲作)
・染茶巾筒(保全作)
・菓子箱
みたいです。
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10月 05, 2017
月点前は、花点前=春、卯の花点前=夏 、月点前=秋、雪点前=冬、
と対応させた場合の、秋の季伝物点前だそうです。
裏千家十一代玄々斎が創案したもので、
香合も茶箱に仕組み、香をたくなど、茶箱点前中で最も美しい点前なんだとか。
玄々斎著『茶箱点前の記』に以下のような話があるそうです。
昔も今も茶道を学ぶ人たちは「茶箱」を携えて茶を飲んだ。
しかし、茶箱には点前の手順がなかった。
このまま、手順もなく、みだりに取り扱うのは良くない。
そこで、旅箪笥の習いにある茶の点て方の法に基づいて、
棚板を簡略化して四つに畳んだものを器居(きずえ)と呼び、
この上で茶道具を扱うよう定めよう。
もしくは箱の蓋やかけごの上でも、扱うと定めよう。
程良い方円の盆を用いるのもよいだろう、
などと考えたのです。
「月点前の扱いは唐物、雪点前の扱いは茶通箱、
花点前の扱いは小習事に添うべきもの」
と教え伝えていきなさい。
古老の人たちとよくよく考えて極めた私の趣意を、
ここに記しておく。
こうして「冬・秋・春」に対応した「雪・月・花」の茶箱点前ができるみたいです。
その後しばらくしてから、夏に対応する「卯の花点前」を考案するそうです。
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利休好の茶箱として、杉木地茶箱・桐木地茶箱・菊置上茶箱などが伝えられているそうです。
ここでは、利休好 菊置上茶箱について説明しようかと思います。
大小ある桐木地茶箱のうち、大きい方の桐木地茶箱を、
裏千家八代又玄斎一燈が写した菊置上茶箱は、
蓋裏に「利休写(花押)」と墨書しているそうです。
裏千家歴代が直書した茶箱として、最も初期のものの一つみたいです。
菊置上茶箱は、桐木地の長方形の箱で、
中に掛合(かけご)があるようで、
掛合には茶筅筒用の穴が開いているそうです。
茶箱のサイズは、高13.0cm、径20.0cm×13.8cmだそうです。
中身は、
・赤楽茶碗(玄々斎作)
・秋草蒔絵平棗(八代宗哲作)
・竹茶杓 銘:千代見草(玄々斎作)
・赤楽香合
・赤楽茶筅筒
・赤楽茶巾筒
・赤楽振出
みたいです。
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裏千家五代不休斎常叟好に、木地茶箱があり、
十代認得斎と十一代玄々斎が写しているそうです。
玄々斎の写しには、玄々斎筆の書付が添い、
箱蓋表に「三之内」と玄々斎が墨書しているそうです。
不休斎が好んだ茶箱に、「菓子箱新好之」とされる被蓋の菓子器を、
玄々斎は新たに追加したようです。
茶箱の下部に引き出しがあるそうで、
被蓋によって押さえる仕組みみたいです。
茶箱・菓子器共に、内部には金泥が施されているとか。
木地茶箱のサイズは、高9.4cm、径16.3cm×11.5cmだそうです。
中身は、
・唐津写茶碗(慶入作)
・古瀬戸写茶入(保全作)
・甲赤茶器(七代宗哲作)
・竹茶杓(玄々斎作)
・茶筅筒(七代宗哲作)
・染茶巾筒(保全作)
・菓子箱
みたいです。
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10月 04, 2017
茶箱用の茶筅は、通常の茶筅より一回り小さく、
かわいらしいのが特徴です。
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■茶筅の「筅」の字
茶筅の字はもともと鍋などの焦げ付きを落とす道具、筅(ささら)から来ているそうで、
芸術まで高められた高山の茶筅では「筌」の字を使うことが通例だとか。
高山宗砌が 村田珠光 の依頼で開発したのが茶筅の始まりだそうで、近松茂矩著『茶湯古事談』には、
「茶筌は 武野紹鴎 ~ 利休 の頃まで蓬莱の甚四郎、 利休 の頃には高山甚左が作ってそれぞれ天下一と言われた」とか
「高山甚左の子孫の甚之丞や、玉林も茶筌作りで名を馳せた」といったようなことが載っているみたいです。
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■茶筅通し
茶筅通しには、穂先を湯に馴染ませ柔らかくして折れにくくする効果があるそうで、
最初の茶筅通しは、軽くサラサラとお湯に馴染ませるようにすれば良いみたいです。
戻ってきた茶碗に対する茶筅通しは、茶碗と茶筅を同時にすすぐため、
茶筅の穂先に付いたお茶を落とすようにして振るのだそうです。
点てる前を「茶筅湯じ」、点てた後を「茶筅濯ぎ」と呼んで区別することもあるのだとか。
茶筅を上下するのは、穂先を目前で改めて折れや汚れのないことを確かめる意味があるそうで、
予め水屋で穂先が折れていないかを確かめ、次に軽く水にくぐらせ清め茶碗に仕組んだものが、
問題ないかを、改めて確認するようです。
茶筅を茶碗の縁で軽く音を立てる動作は、
真言密教の灑水(しゃすい)の礼に由来した浄(きよ)めの意味があるのだそうです。
ちなみに、灑水(洒水)というのは、密教の儀式を行う前に道場や法具などに香水(こうずい)をかけ、
煩悩や穢れを浄めることだそうです。
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■貴人清次
なぜ、そうなのかはよくわかりませんが、
裏千家の貴人清次では、
茶筅は貴人の「清」が白竹に対して、
「次」は煤竹の数穂を用いるのだそうです。
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■茶筅の大きさ
茶筅の大きさは、通常は3寸7分(12cm弱)ほどですが、
西大寺の大茶盛(おおちゃもり)で用いられる茶筅は、
高さ1尺2寸(約36cm)もあるみたいです。
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■茶筅の紐
茶筅の紐は、からみ糸・かがり糸などと呼ばれるそうです。
通常は黒の糸を用いるようですが、
流派や趣向によって白や赤の糸を用いることがあるとか。
赤糸の茶筅の代表的なものが、
長寿の祝い事に用いられる祝茶筅みたいです。
還暦や古希では元節、喜寿や米寿では節無しとするのだとか。
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9月 06, 2017
点前道具一式を収納して持ち運びするための箱で、
籠形式の場合は茶籠(ちゃかご)と呼ぶそうです。
茶箱の素材は、木地・塗り物・蒟醤(きんま)など、
茶籠の素材は、籐・竹などを編んだもののようです。
茶籠の場合は、中に入れる道具を保護するため、
内張りか漆塗を施して用いるのだとか。
茶箱は、利休の頃には既にあったようで、表千家には、
利休所持の蒟醤(きんま)の茶箱が伝わっているみたいです。
久保長闇堂著『長闇堂記』に、
「茶弁当はと云ふは、是も利休初めての作なり。」
とあるそうです。
この「茶弁当」というのは、
桐材の箱に木目が見える様に黒漆を薄く塗ったものなんだとか。
江戸時代後半には、裏千家十一代の玄々斎が、
利休形の茶箱を元に茶箱点前を創案し、
玄々斎好の茶箱を作成しているみたいです。
■茶箱の点前
立花実山著『南方録』に以下の話があるようです。
茶箱の点前には二種類あります。
一つは野点の時に茶道具を組み入れておく茶箱で、
これは野点の扱いですみます。
もう一つは、人にお茶を贈る時に持参する茶箱(茶通箱)で、
前もって人に持たせてやることもあります。
中に濃茶と薄茶の両方を入れるか、
濃茶だけにするか、あるいは濃茶二種類にするか、
それは贈る人の気持ちしだいです。
濃茶を秘蔵の茶入に入れることもあれば、
唐物茶入に入れることもあり、
これも気持ちしだいです。
薄茶は棗や中次に入れます。
茶箱は桐製で、蓋には桟を打ちます。
緒はつけずに、白い紙縒で箱の真ん中をくくって封をします。
それには封の三刀という秘事があります。
茶箱の大小は茶入によって異なります。
茶箱の取り扱いや封の切り方は、決してもらさぬこと。
■茶箱の道具一覧
茶箱の道具としては、一般的に、以下のものがあるそうです。
また、上記以外にも、器据や和敬板の他、
三ッ組仕覆・
小羽箒・
火箸・
鶯針・
掛子など、点前により様々なものが入るようです。
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3月 07, 2015
掛子(かけご)は、茶箱などの収納をより効率よくするため、
箱の縁に掛けて、その中にはまるように作った、
平たい箱のことだそうで、点前の際に茶碗を置いて、
安定良く茶を点てるのにも用いるみたいです。
茶籠にはほとんどみかけないそうですが、
茶箱には添うものがあるようです。
最初から箱と一揃いで作られている場合が多いみたいで、
茶筅筒がつかえないよう、その部分が丸く開けてあるのだとか。
雪点前と月点前に使用するみたいです。
「掛子」に関するページは、こちらから。
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