10月 07, 2014
「茶の湯の正月」について
Category: 茶道史
11月初旬、現在の暦での立冬をもって、
新しい年のはじめとするそうです。
この日を迎えて茶室の「炉」をひらき、
春に摘んだ新茶を葉茶の形で茶壷にたくわえたものを、
壷の口封を切って使いはじめるのだとか。
この「口切」「開炉」の重なる時節の茶事は、
正午に客を案内して始められるようです。
■壷飾
壷飾(壺飾り)は、口切の茶事に行うのだとか。
壷飾には真・行・草の結びがあるそうで、
それぞれ、
「真:両わな結び(正面)」
「行:総角結び(客付)」
「草:淡路結び(勝手付)」
と呼ばれる結びになるみたいです。
■両わな結び
「両わな結び」は、
伊勢貞丈著『包結記』に、
「基本の水引結びの形は、
丸いものを結ぶ「片わな結び」、
平たいものを結ぶ「両わな結び」、
それと結びきり。
それぞれ陰陽説に従い、
丸いものは天の形であるから陽を表していて、
一方平たいものは、
地のかたちで陽を意味する。」
といった内容があるそうです。
また「わな(輪奈)」は、
糸や緒を輪状にする意味のようです。
■総角結び
「総角(あげまき)結び」は、
古墳時代の男子の結髪である「美豆良(みづら)」が変形したもので、
頭髪を左右に分けて頭上に巻き上げ、
双角状に両輪を作ったものなんだとか。
揚げて巻くが語源となっているそうです。
死者の霊魂から子供を守る、
魔よけといった呪詛的な意味合いがあったみたいです。
■淡路結び
「淡路結び」は、
基本的にほどけないようになっているようで、
祝儀用の水引などは、金銀と紅白の二種類あるそうです。
金銀結びは、結婚式に使用され、
二度とない、切れないことを表すみたいです。
紅白結びは、御礼など、
一度だけの大切なことに使用されるとか。