「[懐石道具他]箸(黒文字)」について

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黒文字(くろもじ)は、「主菓子」に添えて出される楊枝で、
「強肴」などの取り箸としても用いられるそうです。

一客一本使用するのが原則で、
銘々皿には一本、縁高には人数分の本数を添えるそうです。

ただし、食籠や盛込鉢には二本添え、
客はそれを一膳の箸のように扱って、
各自の懐紙に菓子を取り、
再び菓子器に戻して、次の客へ回すのだとか。

善哉のように黒文字一本ではいただきにくい菓子の場合、
黒文字とは別に杉楊枝(杉箸)一本を添え、
箸のように使うみたいです。

黒文字は、流儀により種類や寸法・使い方が異なるそうです。

裏千家では、「強肴」で「酒盗」などには、
黒文字二本を添えるようです。

表千家では、箸先を斜めに切って矢筈になっているとか。
長さは六寸のものを用いるみたいです。

他の流儀は菓子器に合わせて長さを変えるそうです。

元来は亭主が茶事の直前に自ら削って作るもので、
客は使用後、自分の分を懐紙にくるんで、
持ち帰えるのを礼儀としたとか。

■クロモジとは
黒文字の原料クロモジは、クスノキ科の落葉低木で、
本州・四国・九州などの低山や疎林の斜面に分布するようです。

黒文字の名は、若枝の表面に出る斑紋を、
文字に見立てたものなのだそうです。

古くからこれを削って楊枝を作り、
根本に皮を残すのが上品とされたみたいです。

また枝葉を蒸留すると、黒文字油が取れるそうです。
黒文字油はテルピネオール・リモネンなどを含有し、
かつては、化粧品・石鹸などに盛んに使われ、
輸出もされたのだとか。

また、養命酒などの薬用として、
枝(烏樟)や根(釣樟)を利用しているそうです。

■ガーデニング
花や実よりは、葉や枝振りの雰囲気を楽しむ庭木みたいで、
剪定の手間もほとんど掛からないようです。

庭に植えてしまえば水やりは不要で、
鉢植えにした場合も、
土が乾いてから水をやるようにするのだとか。

植え付けは真夏でなければ通年、
いつやっても失敗することはないみたいです。

土は水はけがよく肥沃なものを好むそうで、
赤玉土や腐葉土を入れ、
また堆肥を入れて土を肥沃にしてから植えるのだとか。

日当たりは、一日のうちで半日だけ、
日光が当たるような場所(半日陰)が良いようです。

寒さにも強いそうですが、急激な温度変化に弱いみたいで、
九州など暖かい地域で育てられた苗を、
寒い地域に植えると、寒さで枯れることがあるそうです。

模様よりは香の方が印象に残るみたいで、
クロモジの枝を折るとあたりに、スっとした香りがするとか。


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