2月 04, 2014
「銅鑼」について
Category: 銅鑼
薮内竹心著『源流茶話』にこんな話があるようです。
昔は、銅鑼は、露地の木々が深くて銅鑼の音が静かに響く時に、
中立の客への案内の代わりに銅鑼を打ちました。
たとえ露地の木々が深くても、
客が貴人であれば、銅鑼を打たずに、
亭主は中露地を越えて、
よけ石より相伴の客に向かって
謹んで案内をするべきです。
愚祖剣仲が賞愛した銅鑼を孫の紹春が所持していましたが、
ついに茶会でその銅鑼を打つことはありませんでした。
息子の某(なにがし)が、
なぜ銅鑼を打たないのかと尋ねたところ、
「浅い露地ではあれほど銅鑼は打たないものです。
だいたい銅鑼に限らず、たとえ持っていても、
取り合わない道具は出さないものです。」
と語ったといいます。