「佐々木道誉」について

Category: 茶人・茶道作家

佐々木道誉(佐々木導誉)は、佐々木佐渡判官入道や、
京極高氏(きょうごくたかうじ)とも呼ばれ、
茶をゲームとして楽しむ「闘茶」を広めた人とのこと。

また、茶道の他、連歌などの文芸や、
立花・香道・笛・近江猿楽の保護者となったようです。

当時の庶民の間でも、茶を点てて、
どちらの泡が先に消えるかといった「闘茶」があるなど、
様々なルールで以降100年以上に渡り流行ったとか。

この「闘茶」は「茶香服(ちゃかぶき)」として、
現在、誰でも参加できる風流な品質飲み当てゲームが、
伝わっているようです。

■現代の茶香服
宇治市で行われている茶歌舞伎(茶香服)は、
ふつう玉露二種、煎茶三種を用い、
それぞれの茶に花・鳥・風・月・客の名前をつけて熱湯をさし、
90秒たったもので飲み分けるのだそうです。

一回飲むごとに、自分の思った茶銘の種別札を札箱に入れ、
そして一通り(5回)すめば札箱をあけて採点するのだとか。
これを5回繰り返してその合計点で順位を決めるようです。

これは、服装ややかましい礼儀作法にはまったく関係なく、
誰でもが参加できる風流な品質飲み当てゲームみたいです。
採点方法は、煎じ札を出して競技者に出した茶の順番を教えて採点するそうです。
全部正解の場合は「皆点」5点とし、あと3点、2点、1点、0点となるようですが、
全部誤りの場合は0点と言わずに「チョット」と表現するのだとか。

■花見の会での「闘茶」
『太平記』にこんな話があるそうです。

桜の名所として知られる勝持寺で、ある時、花見の会を開くそうです。

本堂の前に咲く桜の大木と、左右二本ずつに真鋳の花瓶を鋳かけて、
一双の花が生けられているように見せるようです。

その前に大机を置き、大きな香炉に名香を一度に焚きたてたとか。

椅子に座った数百人の客に珍味を持った食事を出した後、
「茶」が出されるそうです。

そして、百人分の茶百服が何度も点てられ、その茶が
「本茶」か「非茶」かを飲み当てる「闘茶」が行われたみたいです。

景品には、沈香・中国産の反物・砂金・太刀など、
豪華な景品が出されたのだとか。


茶人1

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