「[露地道具]石燈籠」について

Category: 露地道具

石燈籠(いしどうろう)は、元々奈良時代以降、
社寺(神社であれば本殿の前、寺院であれば本堂の前)に、
献燈として奉納されてきたもので、庭園の照明などに使われた例は、
露地に使われる以前は一例もないそうです。

立花実山著『南方録』に、
石燈籠が用いられる以前の照明の記述があるそうで、
「暁会、夜会のときは、腰掛に行燈を置く、
亭主も手燈籠を以って戸口まで出て一礼してから、
座敷の準備に立ちかえるがよい。
手燭を持って迎えにでる亭主もあるが、
それでは、風が吹いている夜などは火が消えやすいので、
格別に難儀をするものである。」
とあるようです。

以降、石燈籠が所々で使われるようになると、
久須見疎安著『茶話指月集』によれば、
「石燈籠の見事なものを求めて、
社寺の旧跡や、遠山森林の中にあるのを尋ね、
謝礼の金子を厚くして石燈籠を望む人はまことに多い。」
といったことがあったようです。


石燈籠

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