2月 02, 2015
今日からは、酒器(しゅき)について、
説明していこうかと思います。
酒器は、茶事にだされる懐石に用いる、
酒を入れて注いだり、
酒を飲むための道具のことだそうです。
酒器には、銚子・引盃・盃台・
徳利・石盃などがあるようです。
最近では「車で来ておりますので」と、
お酒を飲めない場合もあるみたいです。
その場合、せっかく勧めていただいたお酒なので、
「不調法でございますので」と言って、
形だけ受け、目立たないように
盃台にあけると良いようです。
盃台には、したみ(したたり)受けがあるので、
そこに落とすそうです。
「懐石道具」に関するページは、こちらから。
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2月 01, 2015
香物鉢(こうのものばち)は、
茶事にだされる懐石において、
湯桶と一緒に最後に持ち出される、
漬物を入れた鉢をいうそうです。
必ず沢庵を用いて、他に季節の漬物を一種か二種、
取り合わせるようです。
ただ、暁(あかつき)の茶事や朝茶事では、
「何もございませんが、せめて香の物でも」
との心入れで、五種盛りにするみたいです。
沢庵をまず盛って、あとは、刻んだもの・
ざんぐり切ったもの・薄く切ったもの・
細長く切り揃えたものと、
形を変えて取り合わせ、
味においても、塩漬・ぬか漬・辛子漬・
醤油漬・粕漬・酢漬等、変化を持たせるそうです。
■容器について
香物鉢は、小鉢を用いることが多く、
しかも侘びた風情のものが好まれるのだとか。
また、香の物が取り易い様に、
口縁が反った端反形が多いそうです。
香物鉢の代表的なものとして、
古染付雁木鉢・御本刷毛目鉢・伊賀沓鉢・
唐津沓鉢・黒織部沓鉢・唐津片口・
黄瀬戸銅鑼鉢・三島や南蛮編笠鉢などがあるようです。
■古くは引重(ひきじゅう)
むかしは「引重」と呼ばれる二段重ねの塗箱を用い、
上の重に香の物を、
下の重に焼物を盛り付けたみたいです。
かつては「香の物」が主菜にも数えられ、
向付・煮物・香の物で一汁三菜ともされたものを、
余りに淋しいということで、引重を用いて、
主菜の香の物を上の重に入れ、
それに添えて下の重に焼物を入れて出すようになったようです。
その後、焼物が主菜になって、
引重に替り皿鉢を用いるようになり、
香の物も付け合せていたものが、
香の物を湯桶を出すときに、別に鉢で持ち出すようになっていくとか。
現在でも、朝茶や極侘びの茶事では焼物が省かれ、
煮物までを主菜として、
初献のすぐ後に香の物を出して客に預けることもあるそうです。
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1月 31, 2015
強肴(しいざかな)は、初風炉や開炉、席披き(せきびらき)など、
祝い事の折りに良く出されるみたいです。
強肴については、流儀によって、
焼物のあとに出す肴を「預鉢」、
八寸のあとに出す肴を「強肴」とすることもあるようです。
焼物のあとに出される預鉢には、
飯の菜(おかず)になるような炊き合わせとして
「煮物」などを盛ることが多いそうです。
八寸のあとに出される強肴には、
酒の肴になるものを出すことが多いのだとか。
また、炊き合わせを「預鉢」、
和え物や珍味などを「強肴」と称することもあるみたいです。
八寸のあとに出される「強肴」には、
和え物や酢の物などを入れる小鉢や、
酒の肴として海鼠腸・雲丹・酒盗・塩辛の類を入れる、
小振りの珍器が選ばれるそうです。
古赤絵・青磁手桶・青磁馬上杯・唐津石ハゼ・
黄瀬戸半筒などが珍肴入として用いられたりするようです。
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1月 30, 2015
預鉢(あずけばち)は、
茶事にだされる懐石において、
一汁三菜の後に、鉢に盛り合わせて出す料理で、
亭主は鉢を客に預けて水屋に下がり、
客はこの鉢を取り回すようです。
焼物鉢よりやや小さめの方が好ましいそうです。
懐石は、一汁三菜が基本なのですが、
もう一品との心入れから、
亭主は徳利と石盃を持ち出して、
客に酒を注いで回るみたいです。
そして、二度目の飯器を持ち出した後、
鉢と徳利を正客に預けるとか。
その間に亭主は水屋に下がって十分程で
食事を取るそうです。
(これを亭主相伴というみたいです。)
この預鉢は、炊き合わせや酢の物などを、
鉢に持って出すようです。
今日では、料理全体が贅沢になっているみたいですが、
本来懐石では、向付や煮物椀などに使った魚の、
残った部分を利用して旬の野菜と一緒に炊き合わせたり、
和え物にしたりして出すのだとか。
素材そのものを無駄にせず、
粗末に扱わずに大切にするということが、
原点でもあるそうです。
■「さかな」とは
古くは、「取肴(八寸)」とは別に、
ただ「肴(さかな)」とのみ記されることが多く、
「肴」はもともと副食を「な」といい、
「菜」「魚」「肴」の字をあてていたもので、
「さかな」は酒のための「な(おかず)」という意味なのだとか。
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1月 29, 2015
焼物鉢(やきものばち)は、
一汁三菜の三菜目にあたる、
焼物を入れる鉢だそうです。
一般的には客の数だけ焼物鉢に盛り込んで出し、
客は向付に焼物を取り、
鉢を次客に手送りするようです。
焼物鉢は、備前・信楽・織部などの、
手ごろな平鉢が多く用いられ、
「手鉢」という手の付いた鉢類も、
好んで用いられるみたいです。
■焼物鉢以前は引重(ひきじゅう)
焼物の器に陶磁器を使うようになったのは、
明治期以降ともいわれるとか。
むかしは焼物とはいわず、
引物・引菜(ひきな)と呼ばれたそうで、
引重と呼ばれる二段重ねの塗箱を用い、
上の重に香の物を、
下の重に焼物を盛り付けたようです。
古くは「香物(こうのもの)」が主菜に数えられ、
向付・煮物・香物で一汁三菜とされたものを、
余りに淋しいということで、
引重を用いて、主菜の香物を上の重に入れ、
それに添えて下の重に焼物を入れて、
出すようになったみたいです。
引重は、現在では、
あらたまった茶事のときに使われているとか。
■魚以外の焼物
焼物は主に魚の切り身を焼いたものが多いようですが、
別に魚以外のものを使って焼いてもかまわないそうです。
また、揚げ物や蒸し物でも良いとか。
例えば、貝類では、アワビやホタテ貝など、
その身自体が大きくて食べがいのあるもの、
野菜では、暑気ばらいに加賀茄子の田楽や、
長いもの付け焼など、
炉の季節だと、堀川ゴボウや筍の輪切りを、
焼いたものなども良いそうです。
精進もので、湯葉の付け焼や生麩は、
季節に関係なく使えるようです。
鳥獣類だとローストビーフや牛肉の鍬焼き(くわやき)、
合鴨をフライパンで焼いたものなど、
炉の季節には、うずらの山椒焼なども良いみたいです。
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