1月 26, 2015
向付(むこうづけ)は、
折敷の手前に飯碗や汁碗が置かれ、
その向う正面に置き付けるところからの名みたいです。
主に魚介類の造り身が盛られるとか。
酢の物や和え物にしても良いようです。
朝茶事では、生身は使わない方が良いそうで、
風干しや、ひと塩ものを火取り、野菜と和えたり、
極寒の夜咄では、あつあつの湯葉や風呂ふきを
出したりもするとか。
「何もございませんが粗飯を」との挨拶の後、
最初に膳に載せて持ち出されるのが、
向付みたいです。
向付は、懐石が終わるまで、
焼物や預鉢の料理を取り分ける器になるそうです。
向付は、春季には明るい色調のもの、
夏季には染付の平皿風のものや、
涼味を感じさせる義山(きやまん)が用いられるようです。
秋季には「割山椒」など地味な侘びたもの、
冬季には筒型の少し深い「筒向(つつむこう)」や、
蒸物などの温かいものを盛る蓋付の「蓋向(ふたむこう)」が、
多く用いられるとか。
ただ冬季でも夜咄では「筒向」では中が見えにくいので、
避けるそうです。
向付は、深い鉢形を「深向(ふかむこう)」、
浅い皿形のものを「平向(ひらむこう)」といい、
深い器形の向付を「のぞき」ともいうようです。
「寄向(よせむこう)」といって、
名残などのときに、一同に揃いの物を出さず、
ひとりひとり別々のものを使うこともあるみたいです。
まとめると、以下の様な感じです。
種類 |
備考 |
割山椒 |
山椒の実が3つに裂けた形。 |
筒向 |
円筒形で底が深くなったもの。
上から覗き込まないと中の料理が見えないことから、
古くは「のぞき」の別名もあった。 |
蓋向 |
蓋付きの向付。 |
深向 |
深い鉢形の向付。 |
平向 |
浅い皿形の向付。 |
のぞき |
深い器形の向付。 |
寄向 |
それぞれの客に異なる器を出す。 |
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1月 25, 2015
今日からは、懐石器物(かいせききぶつ)について、
説明していこうかと思います。
懐石器物は、茶事にだされる懐石に用いる鉢の類のことだそうで、
向付・焼物鉢・香物鉢・預鉢などがあるようです。
古くは、懐石道具は塗物が主だったみたいです。
懐石に陶磁器が用いられるようになるのは、
慶長年間(1596年~1615年)で、
古田織部がその主導的な役割を担うそうです。
志野・黄瀬戸・織部の器が登場し、
その後、備前・唐津・高取と続き、
江戸期になって染付・色絵が流行ると、
懐石道具にも取り込まれていくのだとか。
さらに赤絵・祥瑞・九谷・乾山など、
多彩な陶磁器が用いられるみたいです。
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1月 23, 2015
脇引(わきびき)は、縁のついた長方形の盆で、
亭主が煮物椀や吸物椀などを、
一度に数個を載せて出し下げするのに用いるそうです。
多くは黒塗りで、大小二枚入れ子になっているとか。
本来は湯次を湯の子すくいや、
香の物鉢などと一緒に持ち出したもので
「湯盆(ゆぼん)」とも言うようです。
好みは以下みたいです。
利休形:黒角きらず
仙叟好:溜/長角かんなめ/がばとち/畳付黒
原叟好:一閑/長角ためぬり/畳付黒
元伯好:黒丸
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1月 22, 2015
通盆(かよいぼん)は、縁のついた丸盆で、
亭主が飲食物の給仕に用いるようです。
多くは黒塗りで、
大小二枚の入れ子になっているとか。
利休形は、丸/黒/杉の木地/鏡へぎ目で、
元伯好は、一かん張だそうです。
通盆は、小吸物椀を、
正客にだけ運ぶためのお盆のようで、
連客には、長盆を使うみたいです。
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1月 21, 2015
湯桶(ゆとう)は、共の盛蓋付の円筒形で、
胴に注口と把手が付いた、
食後に出される「湯の子」を入れる器のことだそうです。
湯桶には、湯桶と同じ素材でできた
「湯の子すくい」という細長い柄が、
直角に付いた杓子が添っているようで、
これで湯の子をすくうみたいです。
利休形は、黒塗りで、
風炉には、金属製の湯次・湯の子すくいを、
用いることもあるとか。
■湯の子について
湯の子は、二飯器めを出した後、
釜の飯をあけ、釜底に残ってくっついている飯を
弱火で焦がしておこげをはがすそうです。
このおこげを湯桶に移し、
ほんの少し塩加減をした湯を注ぎ入れるようですが、
塩加減は、その時使う香の物と、
沢庵の味とのバランスを考えて調味するみたいです。
■持ち出し方
長盆(脇引)に向かって左側、
口が右を向くように湯桶を、
右側に香の物鉢を載せ、
湯の子すくいを二つの前に置いて、
持つ出すそうです。
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