動画は、太い方、細い方、どちらも透木です。
■透木とは
透木(すきぎ)は、釜の羽根が炉壇や風炉の肩に掛かる場合に用いる、
拍子木形の木のことだそうです。
炉用の方が風炉用より少し大きいみたいです。
風炉では、夏の暑い時期、
炉では風炉にかわる前の温かくなってきた時期に、
炭火から釜を少しでも遠ざけ、通気を良くするために用いるようです。
古風の真の釜は、透木据えだったそうです。
好ものは、以下みたいです。
利休好:厚朴(ほお・こうぼく)
宗旦好:桐
竺叟宗室好:桜
円能斎宗室好:梅
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■透木の由来
透木は、敷木から転化した言葉だそうで、
風炉または炉に羽釜(はがま)を掛けるとき、
風炉または炉の縁に置く拍子木形の木片とのこと。
通風をよくするために、
風炉または炉と釜との間にすきま作るのが目的みたいです。
透木の用材は、利休形は厚い朴(ほお)、元伯形は桐のようです。
大きさは大小あるそうですが、通常サイズは、
炉用が長さ三寸九分、幅七分、厚さ四分、
風炉用が長さ三寸、巾六分五厘、厚さ三分八厘
になるみたいです。
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■透木の扱い
透木の扱いは、
まず、透木を炉壇叉は風炉の肩の左右の縁に置き、
これに釜の刃をのせるそうです。
五徳は必要がないので、とりのぞいておくとか。
炭手前は、本勝手の炭手前と変わりないようです。
釜にカンをかけて、釜敷を出し、釜をあげた後、
右手で右の炉壇の透木を取り、打ちかえして左掌にのせ、
ついで左の透木を取って、そのまま左掌の右の方の透木に重ね、
それを右手で重ねたまま持って、左手にもたせてカンの下座に置くみたいです。
釜を戻す時には、左手で透木を取り、
炉正面に向きなおり、右手で二ついっしょに打ちかえして、
右手で上のほうを炉壇の右に置き、
下の透木を打ちかえして左に置くようです。
ふたたび左ななめに釜の方に回り、
左手でカンを取り、釜にかけ、初めて上げた位置まで引き寄せ、
炉正面に向き直り、釜を炉にかければ、完了だそうです。
透木の扱いは風炉の季節にも行うようです。
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■透木釜に関して
透木の上に載せる透木釜は、
平たくて羽がついている形の釜で、
釜の羽を透木の上に乗せて釜を支えるようです。
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■透木に関する文献
稲垣休叟著『茶道筌蹄』に
「透木 利休形厚朴、元伯形桐、何れも炉風炉ともあり」
「ごう取手 百佗 千本松などの鐶を云ふ」
「端立 裏ごうにもちゆ、透木にかくるためなり」
「透木 庸軒このみのアラレの外イロリ透木カマ、
古作はこのみなし、原叟このみに乙御前あり」
とあるそうです。
宮崎幸麿著『茶道宝鑑』に
「透木 桐 ホウ。炉 長さ三寸九分、巾七分、厚さ四分。
風呂 長さ三寸、巾六分半、厚さ三分八リン」
とあるとか。