「野がかりの茶杓」とは

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茶杓は、 珠光 ~ 紹鴎 の時代までは
「節なしの長い竹」を用いていたそうです。

利休の頃より、長さを短くし中間に節が置かれるものが
好まれるようになったみたいです。

そして、節を元に寄せるようにして作れた茶杓。ちょっと物語風に書くと、

 「ある日、 利休さんが茶籠を持って外に出かけ、
 お茶を一服しようとしたとき、
 茶杓を忘れたことに 気づいたそうです。

 あたりを見回し、いろいろ探し、
 いったいどれだけ経ったのでしょう。
 ようやく茶杓に使えそうな竹を見つけ出しました。

 利休さん、元の方に節があるこの短い竹で、
 一本の茶杓を削り出します。」

この茶杓を「野がかりの茶杓」と言うそうです。

お話はここで終わりますが、
その後、お茶を飲んだんでしょうね、きっと。

茶杓

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「禅語」の茶杓の銘

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禅語の茶杓の銘としては以下があるみたいです。

 拈華微笑(ねんげみしょう)/ 知足(ちそく)/
 無功徳(むくどく)/ 無心(むしん)/  直心(じきしん)/
 平常心(へいじょうしん)/ 無事(ぶじ)/
 関(かん)/ 無一物(むいちぶつ)/ 放下著(ほうげじゃく)
この中でも特に有名なのが「無一物」でしょうか。

無一物というのは、蘇軾著『東坡禅喜集』の
 がんそ画(え)かず意高き哉
 若(もし)丹青(たんせい)を著(つ)くれば二に堕し来る
 無一物(むいちぶつ)中、無尽蔵(むじんぞう)
 花あり月あり楼台あり
から来ていて、要は
 「煩悩を払って心に一物も持たない爽やかな心境でいれば、
 すべてのものが自分の心の中に入ってくる」
という意味になるのだとか。

国宝「待庵」の竹を使って辻竹峰が作った茶杓にも
「無一物」の銘がついているそうです。

京都の妙喜庵にある「待庵」は、
日本最古の茶室建造物で、
千利休作と信じうる唯一の現存茶室のようです。

茶杓

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「泪の茶杓」の歴史

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「泪の茶杓」というのは、
千利休 が 豊臣秀吉 に切腹を命じられ、
その猶予期間に自らの手で削った中節形の茶杓のことだとか。

1591年2月、その茶杓を使用した生涯最後の茶会の後に、
古田織部に分け与えたのがこの泪の茶杓だそうです。

茶杓は白竹で樋が深く通り、有腰で、
利休 の茶杓の中でも、とくに薄作りにできているようです。

利休は、一体どんな思いで「泪」と名付けたのでしょう。

古田織部は、この茶杓を本来用いられるべきの着色のない木地の竹筒ではなく、
黒漆で丹念に塗りあげた茶杓用の筒を自作して入れたそうで、
位牌としての意味づけをしたみたいです。

所蔵する名古屋・徳川美術館では年に一度、
利休 の命日に当たる2月28日の前後、
一週間ほど公開しているとのこと。

茶杓

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「季語」の歴史

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季語は、連歌・俳諧・俳句などで、用いられる特定の季節を表す言葉で、
昔は、季の詞(きのことば)・季の題・四季の詞・季(き)・季節と呼ばれていたみたいです。

季語が成立したのは平安時代後期で、能因著『能因歌枕』には150の季語を
月別に分類したものが載っているそうです。

1124年以降に著されたとされる源俊頼著『金葉和歌集』には、
それまで季節が定められていなかった「月」(秋)と定められたり
以後、花(春)・ほととぎす(夏)・紅葉(秋)・雪(冬)といった「五箇の景物」が成立したようです。

鎌倉時代に連歌が成立すると季語が必須ものとなり、
南北朝時代の二条良基著『連理秘抄』では40ほど、
室町時代の里村紹巴著『連歌至宝抄』では270ほどの季語が載っているとか。

江戸時代に俳諧が成立すると季語はさらに増え、
野々口立圃著『はなひ草』では590、北村季吟著『山の井』では1300、
曲亭馬琴著『俳諧歳時記』では2600も載っているようです。

昭和初期に起こった新興俳句運動では、逆に無季俳句を容認するようになるけれど、
新しい季語は近代以降も、俳人が俳句に取り入れていて、
最近の『歳時記』では5000以上の季語が収録されているみたいです。

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茶杓(輪島塗菊桐蒔絵)

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茶杓(輪島塗菊桐蒔絵)



現在、日本の国の紋章が「十六八重表菊」で、
日本政府、内閣府、内閣総理大臣の紋章が「五七の桐」
となっているようで、
パスポートなどにもついているみたいです。

パスポートの場合「一重の十六表菊」なのですが、
八重は天皇陛下個人の紋章なため、一重にしているようです。