先日、自宅で正午の茶会(風炉)を行いました。
懐石は、真似事でしたが、
本格的な茶会で、3時間かかりました。
銅鑼を鳴らしたり、
つくばいの代わりに用意した水がめで、
左手から手を洗ったり。
懐石料理も、お弟子さんが、
フェルトで作って来てくれて、
見た目も懐石料理っぽくなりました。
食べたふりをして、
箱にしまっていく動作は、
終始、笑いが絶えませんでした。
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テーマを考えるのも楽しみの1つです。
今回の茶会のテーマは「水」。
いろんな色に染まることができ、
様々な形に変化することができます。
生きていくにも欠くことができません。
茶会のあちこちに「水」に関するものを
織り交ぜてみました。
例えば、掛軸の「山水画」。
山々の間に流れる滝と川が描かれています。
山は雲海に包まれ、裾野は見えません。
滝の音だけが聞こえてくるような山水画です。
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懐石では、千鳥の盃を省略しました。
これは、時間短縮の意味もあったのですが、
何より、客側にも所作の負担をかけてしまうためです。
千鳥の盃は、今後、やっていきたい課題の一つです。
手順は以下の通りです。
八寸と3度目の燗鍋を持ち出した後、
1.<亭主>が『蓋を拝借します。』と挨拶したら、
<亭主>にまかせ、次客以下もこれにならう。
2.<亭主>が<正客>前に戻り、『どうぞお流れを。』と言ったら、
<正客>は『別盃のお持ち出しを。』と言う。
3.<亭主>が八寸を<正客>の上座横に置いたら、
<正客>は盃を懐紙で清め、盃台に載せて<亭主>の前に出す。
4.<次客>が<亭主>に酒をつぎ、燗鍋を<亭主>に向けて置く。
<正客>は懐紙に肴2種を取り、<亭主>にすすめ、八寸を<亭主>の方へ向ける。
<次客>は『お流れを。』と言う。
5.<亭主>が『盃を、しばらく拝借を。』と言ったら、
<正客>は懐紙で盃を清め、盃台ごと<次客>に出す。
<次客>は<亭主>に酌をする。
6.<正客>は<詰>から、
<次客>と<詰>は<亭主>から酌をうける。
7.<亭主>が『ながながとありがとうございました。』と言ったら、
<正客>は一礼し<亭主>から酌をうける。
正直、複雑です。
祖母の茶会では、実際に懐石をやっていたのですが、
この千鳥の盃で、相当量の酒を飲むため
べろんべろんに酔ってしまったそうです。
以来、千鳥の盃は、省略することが
多くなっていったとか。
酒にも強くないと、懐石はできないのでしょうね。
昔の人は、そんなに酒に強かったのでしょうか?
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今後も、炉の正午の茶事などを
行っていきたいと思っています。
炉開きと一緒にするのは難しいので、
12月ごろになるでしょうか。