銘入茶杓 久保良斎 銘:瑞雲
雲にもいろいろありますが、
流れ行く雲に数々の思いをはせ、
静寂の中、心豊かなひとときを、
この茶杓で演出できれば、良いのではないでしょうか。
雲にもいろいろありますが、
流れ行く雲に数々の思いをはせ、
静寂の中、心豊かなひとときを、
この茶杓で演出できれば、良いのではないでしょうか。

ブルグミュラー7番の「清い流れ」というピアノ曲もありますが、
美しい水の流れを想像できます。
日本の川と言えば、私は利根川や四万十川を思います。
屋形船での舟遊びや、渓流下りとかいろいろ思いますが、
どこまでも続く長い長い川もよろしいのではないでしょうか。

茶杓の色が、落ち着いていて、使い込むめば使い込むほど良くなると思われます。
全体の茶杓の形は美しく、特に櫂先が目を惹きます。
豊兆は「雪豊年兆」(雪が多く降るのは豊年の前兆であること。)から来ているようです。
「新しき年の初めに豊の年しるすとならし雪の降れるは」(万葉集)があります。
雪見の茶事で、松風の音が静かに聞こえる中、
茶室からふと外を見ると、雪がしんしんと降っている。
戦後の経済成長と共に、人々は豊さを手に入れていきました。
ただ、心の豊かさは、徐々に失われていったのではないでしょうか。
「報恩」という言葉があります。
親・兄弟に対し、恩に報いるという意味ですが、
いつの間にか、使われなくなって久しいと思います。
茶室から見る雪は、心の豊かさを彷彿とさせる兆しへと、
「豊兆」の茶杓を使った点前で、温かな抹茶を飲みながら
古き良き時代を懐かしむ時間となれば、良いですね。

唐津焼で、井上東也氏といえば有名ですね。
作品の特色としては、上が四角く下が円形の筒形ということがあげられます。
絵模様もポイントとして良いですね。
釉薬のたれ具合と、全体の焼きあがりが良く、
正客の前にあると、収まりますね。