「小茶巾」について

Category: 茶道具全般

裏千家で、濃茶を飲んだ後の
茶碗を清めるために用いる小布のことで、
素材は麻が主だそうです。

不織布製の「紙小茶巾」と呼ばれるものも
よく使われているようです。

最近は、ウェットティッシュのように
あらかじめ湿らせてある状態のものが、
「湿し小茶巾」「濡れ小茶巾」
などの名称で市販されているとのこと。

事前に湿らせて折りたたんでおき、
濃茶を飲んだ後に
茶碗の飲み口を拭って次客へと茶碗を廻すのですが、
たたみ方や使用する順番などは
各流派によってまちまちなんだそうです。

その用途から、使い捨てであることが多いようですが、
布製の場合は洗って何度か使うこともあるとか。


小茶巾

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「香盆」について

Category: 茶道具全般

香盆(長盆)は、
裏千家は塗り製を使い、表千家は桑製を使うようです。

神保博行著『香道の歴史辞典』の「香道用語集」をよると、
 「四方盆(しほうぼん):正方形の香盆のこと。
 志野流では四方盆略手前に使用する。
 また(中略)八角一枚札を並べる際には、
 大中小と大きさが異なる
 三枚の四方盆が一組となった三枚盆を使用する。」
のだそうです。

香道志野流のお手前には、
乱箱(乱盆)を使用する「真手前」の他に
「四方盆略手前」、「長盆略手前」のお手前があり、
四方盆式は十九世家元 幽求斎宗由宗匠、
長盆式は十八世家元 頑魯庵宗致宗匠が
考案したお手前だそうです。


香盆

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「香箸(香火箸)」について

Category: 茶道具全般

香箸(こうばし)は、香をたくとき、
香木を挟むのに用いる箸。
又は、火入の火を調整するための
小さな火箸だそうです。

煙草盆に仕込む場合、灰吹の右側へ、
頭を向側へもたせて置くみたいです。

武者小路千家では苞(つと)に納めて、
煙草盆に仕組むのだとか。

この苞というのは、
ワラ・葦(あし)・竹の皮などを束ねたり、
編み束ねてつくった容器のことのようです。

香木を挟むのに用いる香箸は、
香筋(きょうじ)とか、火筋(こじ)とか言い、
香道の火道具(七つ道具)のうちの一つのようです。


香箸

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「香合」について

Category: 香合


壺々蒔絵香合


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香合は、風炉や炉の中で焚く
「香」を入れる小さな蓋付の器
「合子(ごうす)」のことだそうです。

古くは、「唐物の塗物の香合」が大半で、
「室礼」(座敷飾り)に、香炉に付属して置かれたとか。

その後、草庵の茶室でも
香炉と一対で席中に持ち出し飾られたみたいです。

日本では、904年に建立された仁和寺円堂の跡から
純金・銀・白磁・青磁といった
「合子」が出土したとのこと。

平安・鎌倉時代の写経を埋納した
塚(経塚)から出土した影青合子(いんちんごうし)は、
後に、しばしば「香合」として使われるみたいです。

その後、南北朝時代の『喫茶往来』、
室町時代の『室町殿行幸御飾記』などに、
ようやく「香合」が出てきます。

炭道具として独立したかたちでの香合は、
記録では文禄年間以降とされるとか。

炭点前のときに普通は、炭斗に入れて席中に持ち出し、
炭をついだ後、火箸で香合より香を取り、
下火の近くと、胴炭のあたりに入れるそうです。

炭点前がない場合は、床の間に紙釜敷に載せて飾るようです。

江戸時代中期~享保年間(~1735年)の頃になると、
風炉には木地、塗物等の香合を使い、
「伽羅(きゃら)」「沈香(じんこう)」「白檀(びゃくだん)」
などの香木を使うようになるそうです。

また、炉には普通は陶磁器のものを使い、
「練香(ねりこう)」を使うみたいです。

炉の炭手前で灰器に濡灰を盛って使われ始める頃には、
「焼物香合+練香」という組み合わせで使うようなったとのこと。

これは、練香を塗物香合に入れると毀損の恐れがあることから
こうなったそうです。

江戸時代後期の文化・文政年間(1804年~1830年)頃になると、
蓋置などとともに小物に趣向を凝らす事が盛んになって、
「唐物」を中心に「陶磁香合」が重く扱われるようになるようです。

1855年には、唐物香合を主に編集した
『形物香合相撲番付』などが登場するとか。


香合

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「香」について

Category: 茶道具全般

香(こう)というと、
本来は「伽羅」「沈香」「白檀」などの
天然香木の香りを指すそうです。

そこから「線香」「焼香」「抹香」「塗香」などの香り、
またこれらの総称として用いられるみたいです。

仏教では、香を焚くと不浄を払い心識を清浄にするそうで、
仏前で香を焚き、花や灯明とともに仏前に供するようです。

ここから「香華を手向ける」という言葉があるとか。

茶道では、炭点前などで使用するほか、
七事式の且座之式のように、
「香りを聞く」こともあるようです。

■香の歴史
香の歴史はかなり古く、
紀元前3000年前のメソポタミア文明のころまで遡るそうです。

種類も多く、白檀、丁香などの「樹木の皮・葉・根などの粉末」や、
乳香、安息香などの「芳香のある樹脂」、
麝香、竜涎香などの「動物性のもの」があるそうで、
ふつう「香木(明香)」と「練香(煉香・合香)」とに
分けられるみたいです。

また、使用方法の違いで、焚いて使用する香「焼香」と、
焚かずに体に塗る香「塗香」に分けられるようです。

■且座之式
七事式の且座之式(しゃざのしき)について簡単に説明してみます。

これは、本来五人で行う儀式で、
「東(とう)」「半東(はんとう)」「炭」「花」「香」の役割があり、
その役は、その時引いたくじで決めるのだそうです。

亭主を「東(とう)」、亭主の補助役を「半東(はんとう)」、
客は三人。

それぞれ、
次客→花をいける
三客→炭をつぐ(初炭点前)
正客→香をたく
東→濃茶を点てる
半東→東のために薄茶を点てる
となるみたいです。

花をいける→炭をつぐ→香をたく→濃茶→薄茶
という感じになるでしょうか。

結局、一人だけお茶を飲めない人が出るのですが、誰でしょう?


香

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