「香合」について

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壺々蒔絵香合


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香合は、風炉や炉の中で焚く
「香」を入れる小さな蓋付の器
「合子(ごうす)」のことだそうです。

古くは、「唐物の塗物の香合」が大半で、
「室礼」(座敷飾り)に、香炉に付属して置かれたとか。

その後、草庵の茶室でも
香炉と一対で席中に持ち出し飾られたみたいです。

日本では、904年に建立された仁和寺円堂の跡から
純金・銀・白磁・青磁といった
「合子」が出土したとのこと。

平安・鎌倉時代の写経を埋納した
塚(経塚)から出土した影青合子(いんちんごうし)は、
後に、しばしば「香合」として使われるみたいです。

その後、南北朝時代の『喫茶往来』、
室町時代の『室町殿行幸御飾記』などに、
ようやく「香合」が出てきます。

炭道具として独立したかたちでの香合は、
記録では文禄年間以降とされるとか。

炭点前のときに普通は、炭斗に入れて席中に持ち出し、
炭をついだ後、火箸で香合より香を取り、
下火の近くと、胴炭のあたりに入れるそうです。

炭点前がない場合は、床の間に紙釜敷に載せて飾るようです。

江戸時代中期~享保年間(~1735年)の頃になると、
風炉には木地、塗物等の香合を使い、
「伽羅(きゃら)」「沈香(じんこう)」「白檀(びゃくだん)」
などの香木を使うようになるそうです。

また、炉には普通は陶磁器のものを使い、
「練香(ねりこう)」を使うみたいです。

炉の炭手前で灰器に濡灰を盛って使われ始める頃には、
「焼物香合+練香」という組み合わせで使うようなったとのこと。

これは、練香を塗物香合に入れると毀損の恐れがあることから
こうなったそうです。

江戸時代後期の文化・文政年間(1804年~1830年)頃になると、
蓋置などとともに小物に趣向を凝らす事が盛んになって、
「唐物」を中心に「陶磁香合」が重く扱われるようになるようです。

1855年には、唐物香合を主に編集した
『形物香合相撲番付』などが登場するとか。


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