動画では、聞香炉(もんこうろ)と聞香(ききこう)の読み方が、混ざってしまいました。
聞香炉(もんこうろ)は、香りを焚いてその香りを聞く「聞香(ききこう)」に用いる香炉だそうです。
茶席でも、七事式の且座之式・唱和之式・仙遊之式・三友之式・
香付花月などに用いるとか。
聞香炉を準備する場合は、灰を押切にするそうです。
大切なのは、香炭団(こうたどん)が消えないようにすることなのだとか。
風炉灰を温めておき、底からよくかき混ぜて、空気を含ませるみたいです。
香を焚く際は、頂上に銀葉をのせるので、
香炭団は真直ぐ立てて埋めるようです。
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■香炉とは
香炉(こうろ)とは、固体状の香料を加熱し、
香気成分を発散させる目的で用いる器だそうです。
上面または側面に大きく開口した筒・椀・箱・皿状の容器で、
床や机との接触を避ける目的から、ほとんどのものが脚を備えているみたいです。
また、持ち運べるように柄のついた「柄香炉」もあるみたいです。
穴の空いた蓋(火屋)を備えたものも存在するみたいですが、
茶道や香道で用いる「聞香炉(もんこうろ)」は、蓋を持たないようです。
茶道で用いる香炉は、原則として足一つを正面にして荘るそうです。
模様や釉がかりに景色がある場合には、その部分のある足を正面にするとか。
また、蓋の摘みに、動物などがついている場合には、
その面(おもて)が正面になるように扱うようです。
材質は、通常、陶磁器や金属・石材などみたいですが、
仏前または葬儀での焼香には、漆器やプラスチックの外枠に、
焼香用の香と香炉を備えた長方形の「角香炉」が用いられることもあるとか。
日本の仏具において灯明(燭台)・花瓶(花立て)とともに、
三具足(五具足)のひとつとされるようです。
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■日本での香炉の歴史
8代将軍足利義政の時代、青磁や銅で出来た香炉が中国から伝来し、
香炉の形や使われ方が、現代の香炉のそれに繋がってきたようです。
もとは仏や菩薩の供養のために香を焚く仏具だったみたいですが、
床の間や書院の荘りとして用いられるようになったとか。
室町時代に始まる「聞香(もんこう)」は、
当時から蓋のない香炉が使われたみたいです。
桃山時代になると、侘び寂びの茶道が発展し、
「香炉」はあまり使われなくなったそうです。
江戸時代に入り、特に武家の茶道が発達するとともに「香炉」が復活し、
これが上流商家にも使われるようなるとか。
江戸中期から後期にかけて商家の勢いが増し、
明治維新とともに中流階層の数が爆発的に増えると、
床の間を飾る「香炉」の生産が各生産地で増えて現在に至っているそうです。
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■空焚香炉(そらだきこうろ)
空焚香炉は、掛物に神号や仏号、画像などを掛けたときに、
その前で香を焚くために用いる香炉だそうです。
古くから伝わる炊き方で、
香木・練香・印香をたいて部屋に香りを漂わせるみたいです。
畳床に荘るには、香炉ををのせる卓(じょく)が必要となるようです。
これは、中央卓・春日卓・冠卓などのほか、
卓を略して丸盆や丸香台、薄板にのせる場合もあるとか。
板床の場合は、卓や台は用いないみたいです。
空焚香炉には、以下のようなものがあるようです。
種類 | 備考 |
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袴腰(はかまごし) | 人が袴を付けた様に見えることからの名称。 |
千鳥(ちどり) | 底の高台が大きく、周囲の三本の足が浮き上がったもの。 |
切立(きったち) | 筒型のもの。 |
一重口(ひとえぐち) | 切立てたままの口造りのもの。 |
阿古陀(あこだ) | カボチャの一種の阿古陀瓜に形が似ていることからの名称。 |
獅子(しし) | 獅子に似せた形の香炉。 |
舟(ふね) | 舟に似せた形の香炉。 |
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■袖香炉(そでこうろ)
衣服に香を焚きしめるために用いられる、
携帯用の丸い香炉みたいです。
袖炉(しゅうろ)とも言うそうです。
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■アロマテラピー(アロマセラピー)
花や木など植物に由来する芳香成分(精油)を用いて、
心身の健康や美容を増進する技術もしくは行為のことだそうです。
また、お香やフレグランス・キャンドルも含め、
生活に自然の香りを取り入れてストレスを解消したり、
心身をリラックスさせることも含めて呼ぶ場合も多いとか。
香りに関しては、5000年以上前から使われていたようですが、
アロマテラピーの原型と言えるのは、
ペルシアのイブン・スィーナーが、
蒸留による精油の製法を確立し医学に応用したのが始まりみたいです。
このアロマテラピーで香りを出すのに使われる道具は、
アロマディフューザー:精油を微粒子化して拡散させる方式、
または、水と精油を超音波でミスト化して拡散させる方式。
アロマランプ:電球やヒーターなど電気の熱で精油を温める方式。
アロマライト:電気や電池方式。
アロマポット:キャンドル方式。
などがあるようです。
香炉に近いのは、アロマポットでしょうか。
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■振り香炉(ふりこうろ)
振り香炉は、キリスト教の礼拝に用いられる香炉だそうです。
金属製の鎖によって吊り下げられた金属製の香炉で、
鈴が鎖に付けられている事が多いとか。
振り香炉が振られる際に発せられる鈴の音は、参祷者に祈りを促すとともに、
聖堂において炉儀(ろぎ)が行われている事を、
聖堂内の信徒に知らせる働きを持つようです。
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■火取り香炉
香道の香席に、熾した炭を持って行くのに用いる容器みたいです。
火屋をかぶせた香炉に似ているそうですが、
これで香を焚くことはないとか。
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■茶香炉
1997年、愛知県半田市に本社を置く愛知化学陶磁器が、
アロマテラピーで用いるアロマポットにヒントを得て
商品化したものに「茶香炉」があるそうです。
2001年に全国地場産業優秀技術・
製品表彰の最優秀賞「中小企業庁長官賞(地場産大賞)」を獲得したことから、
広く知られるようになったとか。
アロマポットより高い温度で茶葉を焚き、
使用済みの茶葉は焙じ茶として用いることができるみたいです。
茶葉の代わりに、コーヒー豆などを用いて香りを聞くこともできるとか。
現在は、全国で生産されているそうで、
焼〆三角柄・焼〆丸柄・石風角形などの他、
かわいいフクロウのついたものまで、形も様々みたいです。
材質も、備前・常滑などの陶器の他、ガラス製もあるようです。
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■千鳥の香炉
久須見疎安著『茶話指月集』に、以下の話があるそうです。
利休は過分の領地を拝領して、家も豊かでありましたから、
ある年、連歌師の宗祇が所持していた「千鳥の香炉」を
千貫文で買い求めました。
しばらくした頃、香炉を畳に置いて眺めていると、妻の宗恩が、
「私にも拝見させてください。」
と言って。しばらく眺めてから、
「足が一分(約3mm)ほど高くて、恰好が悪いので切ったらいかがでしょう。」
と言いました。利休も
「私も先ほどからそう思っていた。玉屋を呼びなさい。」
と言って、ついに一分だけ足を切らせました。
この宗恩は、茶の湯の作意にすぐれていて、
昔は短檠に取手の穴がなかったのを、
はじめて開けさせた人です。