「泪の茶杓」の歴史

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「泪の茶杓」というのは、
千利休 が 豊臣秀吉 に切腹を命じられ、
その猶予期間に自らの手で削った中節形の茶杓のことだとか。

1591年2月、その茶杓を使用した生涯最後の茶会の後に、
古田織部に分け与えたのがこの泪の茶杓だそうです。

茶杓は白竹で樋が深く通り、有腰で、
利休 の茶杓の中でも、とくに薄作りにできているようです。

利休は、一体どんな思いで「泪」と名付けたのでしょう。

古田織部は、この茶杓を本来用いられるべきの着色のない木地の竹筒ではなく、
黒漆で丹念に塗りあげた茶杓用の筒を自作して入れたそうで、
位牌としての意味づけをしたみたいです。

所蔵する名古屋・徳川美術館では年に一度、
利休 の命日に当たる2月28日の前後、
一週間ほど公開しているとのこと。

茶杓

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「季語」の歴史

Category: 茶杓, 茶道史

季語は、連歌・俳諧・俳句などで、用いられる特定の季節を表す言葉で、
昔は、季の詞(きのことば)・季の題・四季の詞・季(き)・季節と呼ばれていたみたいです。

季語が成立したのは平安時代後期で、能因著『能因歌枕』には150の季語を
月別に分類したものが載っているそうです。

1124年以降に著されたとされる源俊頼著『金葉和歌集』には、
それまで季節が定められていなかった「月」(秋)と定められたり
以後、花(春)・ほととぎす(夏)・紅葉(秋)・雪(冬)といった「五箇の景物」が成立したようです。

鎌倉時代に連歌が成立すると季語が必須ものとなり、
南北朝時代の二条良基著『連理秘抄』では40ほど、
室町時代の里村紹巴著『連歌至宝抄』では270ほどの季語が載っているとか。

江戸時代に俳諧が成立すると季語はさらに増え、
野々口立圃著『はなひ草』では590、北村季吟著『山の井』では1300、
曲亭馬琴著『俳諧歳時記』では2600も載っているようです。

昭和初期に起こった新興俳句運動では、逆に無季俳句を容認するようになるけれど、
新しい季語は近代以降も、俳人が俳句に取り入れていて、
最近の『歳時記』では5000以上の季語が収録されているみたいです。

茶杓

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火入(織部松皮菱) 松本鉄山

Category: 火入


火入(織部松皮菱)



絵柄が織部焼らしくモダンで、
色合いも素敵です。

四角なので、莨盆の中で座りが良いでしょう。

織部焼は、美濃焼の一種で、
基本的に志野焼の後に造られたみたいです。

当時の南蛮貿易で中国南方からもたらされ、
茶人たちに珍重された交趾焼(華南三彩)を元にしたようです。

この名称が用いられるようになったのは、
織部の死後しばらく後の寛文年間頃からだそうで、
一般に広まるのは元禄に入ってからなのだとか。

片口水次(銀杏絵)

Category: 水次


片口水次(銀杏絵)



銀杏は、約5000年前中国での薬草医学が発祥だそうで、
『神農本草経』の365の薬物に、
銀杏の葉と実を煎じた吸入薬が
喘息と気管支炎の治療に使用された
と記載されているみたいです。

水指(紫交趾さざえ) 御室窯

Category: 水指


水指(紫交趾さざえ)



御室窯の紫交趾さざえとは珍しい水指ですね。

花器のような細い足がついていて、
貝の部分(外側)には、
トゲがついています。

貝の中央のブルーの色が鮮やかで、
どのような茶席にしつらえるのか、
想像が膨らみます。