「器据」について

Category: 茶道具全般

器据(きずえ)は、
茶箱の蓋とほぼ同寸の板四枚を、
紫の打ち紐で綴じつけたものだそうです。

裏千家十一代玄々斎創案の
茶箱雪月花点前のうち「月点前」の時、
この器据をひろげて、
その上へ諸道具を置き合わせるようです。

器据の広げ方は、
1.折りたたまれている器据の右側から後ろ中心を、
 両手で割って広げて置き、
2.真ん中から観音開きのように
 左右に一緒に広げる
のだそうです。

綴じる時は、
1.小羽根で器据を掃き清め、
2.右手に小羽根、
 左手に帛紗を握りこんだまま、
 広げたときと逆に
 右端と左端の両側から真ん中に折りたたみ、
3.折りたたんだ両端を持って、
4.左側が下になるように後ろ中心を割って折りたたむ
のだとか。

最後は、勝手付に置くそうです。


器据

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「燗鍋」について

Category: 燗鍋


燗鍋


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燗鍋(かんなべ)は、
「銚子」とか「銚子鍋」とも言うそうです。

銚子の「銚」は「鍋」のことだとか。

燗鍋は、古くは「さしなべ」「さすなべ」ともいったそうで、
注ぎ口のある鍋に弦をつけ、
湯を沸かしたり酒を温めるのに用いたみたいです。

燗鍋の材料としては、金属製のほかに、
古染付・新渡染付・古九谷・志野・織部・古清水・御菩薩などの
塗物や陶磁器のものもあるようです。

釜師の手になるものが多く、
一般的には丸形・角形・阿古陀形なのですが、

富士形・鶴首・車軸・四方・平丸など釜の形に倣い、
そこに口と手を付けたもの、
舟形・七宝形・竹節形など

種々の器形を型どった珍しいものも作られているそうです。

釜のように霰・浪・雷紋・糸目・七宝などの
地紋のあるものも多くあるのだとか。

燗鍋(銚子)の蓋は、共蓋で、
青磁・染付・色絵・祥瑞・織部・志野などが
用いられるようです。

中には、香炉の蓋、茶器の蓋、香合の蓋などを利用し、
それらの蓋に合わせて燗鍋(銚子)を作らせたものもあるようです。


燗鍋

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「喚鐘・撞木」について

Category: 茶道具全般

喚鐘(かんしょう)は、
青銅製の小さな釣鐘で、
茶会にあわせて様々な形態のものが、
用いられるようです。

銅鑼は普通「大小大小中中大」と七点打ち、
喚鐘は「大小中中大」と五点打つそうです。

貴人客などのときは、
五つのうち四つまで打ち、
最後を残して、亭主自ら迎えに出るようで、
これを「打ち残し」というみたいです、

撞木(しゅもく)は、
梵鐘を撞いたり、
摺鉦を叩いて鳴らす際に用いる木製の棒です。

茶道では、喚鐘を鳴らすのに用いるそうです。


喚鐘・撞木

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「鐶(釜鐶)」について

Category: 釜鐶


鐶


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鐶(または釜鐶)は、
茶の湯釜の上げ下ろしや釜を炉に吊るために、
釜の両端にある「鐶」付という穴に通す金属製の輪だそうです。

鐶は、金偏に丸で「金丸」と書く場合もあるのだとか。

釜を炉に吊るときは、
鐶を左右の鐶付に通し、それに釜釣の鉤をかけ、
その釜釣に鎖や自在の鉤をかけることにより、
釜を吊るようです。

また、釜を炉に吊るとき、
表千家では、通常の大きさの鉄の鐶に真鍮の弦を使い、
裏千家では、大鐶に鉄の弦を使うのだとか。

鐶に、風炉・炉の別はないみたいです。

鐶の材質は、鉄のほか、
真鍮・南鐐・砂張などがあり、
水屋用の鐶「水屋鐶」は、
釜を傷めないように鉄より柔かい真鍮の輪を使うそうです。

鐶には、いろいろな呼び方があって、
鐶の打ち方によって
「石目」「槌目」「空目」
と呼んだり、
鐶の形によって
「大角豆(鉈豆)」「竹節」「捻鐶」
「蜻蛉鐶」「巴鐶」「轡鐶」
「常張鐶」「割鐶」「虫喰」
「素張」「大鐶」
などと、呼んだりするみたいです。

利休形の「大角豆鐶」が標準で、
真の鐶として、
普通の鐶と合わせ目が逆になっている左鐶もあるとか。


鐶

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「訶梨勒」について

Category: 訶梨勒


訶梨勒


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訶梨勒(かりろく)は、
日本では、始め、訶梨勒の乾果そのものや、
銅・象牙で形を模したものを、
邪気払いとして柱にかけていたようです。

正倉院御物に鑑真和上が当時もたらしたといわれる、
「かりろくの実」として、一つ残されているそうです。

室町時代には、美しい緞子や綾絹の袋に、
五色の糸
(青[せい]黄赤[おうせき]白黒[びゃっこく])
で結ばれた、
十二個のかりろくの実を納めるようになるみたいです。

東山山荘に掛けられたといわれる足利義政好は、
長い五色の緒を飾り結びで垂らしてあるそうです。

足利義政に仕えた
同朋衆の著『御餝書(おかざりしょ)』に
「一かりろくとて柱飾なり」
とあるようです。

3000年もの昔から、
声ガレや胃腸薬としての薬効が知られていたようで、
 「釈迦が涅槃に入ったことを知った、
  釈迦の母(麻耶夫人)が、
  天上から駆けつけ、
  袋に入れた訶梨勒の実を投げるも、
  沙羅双樹の木に引っかかり届かず」
という涅槃図で、
薬を届けようとする姿が描かれているそうです。

また、煎じ液には強い抗菌作用もあるみたいです。

近年では、訶梨勒といくつかの漢方を混ぜた
「WTTC」という薬に、
抗ガン作用があるとの報告もあるとか。

中国には仏教と共にインドから伝来したようで、
唐代の書物『新修本草』に
「訶黎勒」
と記載されているそうです。


訶梨勒

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