「[懐石道具他]水嚢」について

Category: 懐石道具

水嚢(すいのう)は、茶碗蒸しの合わせ汁や、
味噌汁を漉す時などに使う、篩(ふるい)だそうです。

底を馬の尾の毛や針金、また竹や布で張ってあるとか。

汁もの専用なので、裏ごし器のように木枠の端に、
網が張ってあるのではなく、
縁を作り、液だれを防いでいるようです。

昔は、粒状の味噌を使用していたため、
水嚢は必ず使われていたのだとか。
現在は、味噌が精製され、需要も少なくなったみたいです。


懐石道具

「懐石道具」に関するページは、こちらから。

「[懐石道具他]木相(型抜き)」について

Category: 懐石道具

木相(もっそう)は、飯の型を抜くのに用いる型抜きで、
木製と押し蓋のついたステンレス製があるそうです。

ステンレス製の型抜きは、
四季の草花などを形どったものが多いようで、
料理の演出に役立つのだとか。


懐石道具

「懐石道具」に関するページは、こちらから。

「[懐石道具他]箸(黒文字)」について

Category: 懐石道具

黒文字(くろもじ)は、「主菓子」に添えて出される楊枝で、
「強肴」などの取り箸としても用いられるそうです。

一客一本使用するのが原則で、
銘々皿には一本、縁高には人数分の本数を添えるそうです。

ただし、食籠や盛込鉢には二本添え、
客はそれを一膳の箸のように扱って、
各自の懐紙に菓子を取り、
再び菓子器に戻して、次の客へ回すのだとか。

善哉のように黒文字一本ではいただきにくい菓子の場合、
黒文字とは別に杉楊枝(杉箸)一本を添え、
箸のように使うみたいです。

黒文字は、流儀により種類や寸法・使い方が異なるそうです。

裏千家では、「強肴」で「酒盗」などには、
黒文字二本を添えるようです。

表千家では、箸先を斜めに切って矢筈になっているとか。
長さは六寸のものを用いるみたいです。

他の流儀は菓子器に合わせて長さを変えるそうです。

元来は亭主が茶事の直前に自ら削って作るもので、
客は使用後、自分の分を懐紙にくるんで、
持ち帰えるのを礼儀としたとか。

■クロモジとは
黒文字の原料クロモジは、クスノキ科の落葉低木で、
本州・四国・九州などの低山や疎林の斜面に分布するようです。

黒文字の名は、若枝の表面に出る斑紋を、
文字に見立てたものなのだそうです。

古くからこれを削って楊枝を作り、
根本に皮を残すのが上品とされたみたいです。

また枝葉を蒸留すると、黒文字油が取れるそうです。
黒文字油はテルピネオール・リモネンなどを含有し、
かつては、化粧品・石鹸などに盛んに使われ、
輸出もされたのだとか。

また、養命酒などの薬用として、
枝(烏樟)や根(釣樟)を利用しているそうです。

■ガーデニング
花や実よりは、葉や枝振りの雰囲気を楽しむ庭木みたいで、
剪定の手間もほとんど掛からないようです。

庭に植えてしまえば水やりは不要で、
鉢植えにした場合も、
土が乾いてから水をやるようにするのだとか。

植え付けは真夏でなければ通年、
いつやっても失敗することはないみたいです。

土は水はけがよく肥沃なものを好むそうで、
赤玉土や腐葉土を入れ、
また堆肥を入れて土を肥沃にしてから植えるのだとか。

日当たりは、一日のうちで半日だけ、
日光が当たるような場所(半日陰)が良いようです。

寒さにも強いそうですが、急激な温度変化に弱いみたいで、
九州など暖かい地域で育てられた苗を、
寒い地域に植えると、寒さで枯れることがあるそうです。

模様よりは香の方が印象に残るみたいで、
クロモジの枝を折るとあたりに、スっとした香りがするとか。


懐石道具

「懐石道具」に関するページは、こちらから。

「[懐石道具他]箸(杉箸)」について

Category: 懐石道具

杉箸(すぎばし)は、菜箸の一種で、
善哉・汁粉用に、「杉箸」や
「杉楊枝」「黒文字」を用いるそうです。

千利休が来客の度に毎朝削って作ったといわれる
「利休箸(りきゅうばし)」は、現在も一本一本手で削るそうです。

「利休箸」には柿渋が塗られるものがあるようです。
こうすることによって強度が増し、
水をはじくので繰り返し使え、
また水分を吸収しないので驚くほど軽い箸に仕上がるみたいです。

「利休箸」の両端が細くなっているのは、
片方は「神様が使う方」と考えられているからなのだとか。

また、高級割り箸「吉野杉箸」は、
節が少なく真っ直ぐで、
色つやがよく年輪が細かいため
強くて美しい柱が取れる「吉野杉」から作るようです。

■吉野杉箸の作り方
①製材所で出る廃材として、割り箸には、主に、
 丸太の外側の白い部分「背板(せいた)」を使うそうです。

②箸の長さにあわせ、高速で回転する円盤状のノコギリで、
 ゆっくりと「横挽き」して行くのだとか。
 ゆっくりと切ることで、断面がつるつるになるみたいです。
 なお、北に向いていた方の木材は、
 目が詰まり過ぎていて硬いので、
 箸作りには使わないそうです。

③年輪と直角に木を切る「柾目挽き(まさめびき)」で、
 板を作るみたいです。
 これによって、箸の表面に美しい縞模様があらわれ、
 真っ直ぐに割れる良い箸になるそうです。
 なお、年輪と平行に切る「板目挽き(いためびき)」の箸は、
 割ったときに斜めになることが多いのだとか。

④木材を、箸の厚み5.8mmに合わせて裁断し、
 カンナで削って上面と下面を滑らかにするそうです。
 
⑤箸の原型を束ねて、山の沢水に一昼夜浸し、
 その後、水槽から出し、半日ほど水切りをするようです。
 これによって木が柔らかくなり、
 最後の成型で刃こぼれを防ぐことができるのだとか。

⑥箸の原型を「箸の横幅をそろえる」
 「半端な部分を切り落とす」
 「箸の途中まで切り込みを入れる」などした後、
 持ち手の部分を斜めに切り落とす
 「天削(てんそ)げ」をするそうです。

⑦箸の口に入れる部分を「面取り」するようです。
 箸先は既に二つに割れているので、
 それをちょっと斜めにずらしながら四隅を削るみたいです。
 成型した箸を風に当てると花のように見えるのでしょうか、
 「箸の花」と言われる状態になるそうです。


懐石道具

「懐石道具」に関するページは、こちらから。

「[懐石道具他]箸(白竹箸)」について

Category: 懐石道具

白竹箸(しろたけばし)は、菜箸の一種で、
青竹箸(あおたけばし)と共に、
一般的に菜箸として用いられる取り箸みたいです。

白竹とは、青竹に油抜きという処理をしたうえで天日干しし、
白というよりも象牙色になった竹のことだそうです。

長期的に使用する上では、
平均的に青竹よりも白竹のほうが耐久性が優れているとか。

■白竹の作り方
①油抜きをする前に、竹は1~2ヶ月ほど陰干しして、
 水分を抜いておくそうです。
 門松の竹(マダケ)などが手元に残っていれば、
 それを用いてもできるみたいです。

②熱によって油を抜いていくそうです。
 方法は乾式と湿式の二通りあるとか。
 乾式は、一本ずつ火で焙る方法で、
 湿式は、熱湯を用いる方法みたいです。

③竹を傷が付かないようによく洗い、
 自然に乾くのを待つそうです。
 油を拭き取るのに布が必要なので、
 ここで用意するみたいです。

④乾式の場合、炭火かガスで焙るのですが、
 空気が抜ける穴を、節ごとに一カ所以上、
 必ず空けておく必要があるようです。
 そのまま熱すると空気が膨張して、
 竹が破裂する恐れがあるとか。

⑤竹を動かしながら、ゆっくり焙り、
 濃い緑だったところに、油が浮いてきて、
 徐々に薄い色になったら、布で油を拭き取るそうです。
 少しずつ焙る場所を移動して、
 気長にやるのがコツみたいです。
 また、一度油抜きした場所には、
 色が変色したり焦げる原因となるので、
 余計な熱は加えない方が良いそうです。
 
⑥出来あがったら、天気の良い日に日光に当て、
 色が白くなるまで繰り返して完成だそうです。


懐石道具

「懐石道具」に関するページは、こちらから。