1月 12, 2014

※画像を押すと拡大できます。
以下に、錫いぶしの製造工程を説明しようと思います。
溶解
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232℃で溶け始め液状化したスズを、
232℃:黄色がかった銀色
240~250℃:赤味がかった色
260℃:青味を帯びたグレイ
のどれかに変色させる。
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鋳造
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土型・金型・木型などに、錫の地金液をゆっくり流し込み約30~50秒後に型を開ける。
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加工
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鋳造で出来た一次製品は旋盤加工で型を削り、表面をなめらかにする。
内側も削り、指先の感触でそれを判断し最適の厚みを創る。
形状とともに厚みが重要なポイント。
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絵付け
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絵付けは、耐酸性の高い漆で行われ、下書きはせず最初から筆で描いていく。
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腐食作業
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絵付けしたものを、希硝酸溶液に浸ける。
希硝酸溶液に浸けるとすぐに表面が白色化し始める。
およそ20分程度浸けておくと、絵付けされている部分が浮き上がる。
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イブシ加工
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必要に応じて、漆に油煙の顔料を混ぜ色合わせした漆を塗って着色する。
室生と呼ばれる容器の中で、温度は20℃、湿度70%に保ち乾燥させる。
一日一度しか漆の付色、作業が出来ないので、5日間に渡り同じ作業を繰り返す。
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仕上げ
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漆の艶出し作業。
木工用ロクロに作品を固定し、ロクロの回転を利用して柔らかい布で磨く。
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茶道具「燗鍋」に関するページは、こちらから。
1月 12, 2014
建水には、特に定まった形はないそうなのですが、
一応「建水七種」という名称で分類されているようです。
大脇差
(おおわきざし)
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利休所持の黄瀬戸。一重口の筒形のものだとか。
「大脇指」とも書くみたいです。
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差替
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大脇差の小版で、利休所持の楽焼。
一重口の筒形で捻貫(ねじぬき)だとか。
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棒の先
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円筒形で底にやや丸みがあって、
駕籠とかの担い棒の先端につける金具
みたいに見えるところから名前が来ているとか。
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槍鞘(やりのさや)
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寄せ口の円筒形で、
蓋置は吹貫のものを柄杓の柄に刺通して持ち出すとか。
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箪瓢(たんぴょう)
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上が大きく下が小さく膨らんだ形のもので、
茶入・水指・釜にも同じ形があるとか。
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餌畚(えふご)
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袋形で上部が開いた形で、
鷹匠がもつ鷹の餌入れに形状が似ているとか。
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鉄盥(かなだらい)
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口が広く浅くて背の低いもの。
同じ形状のバラエティ番組で登場する金ダライは市販されているとか。
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茶道具「建水」に関するページは、こちらから。
1月 12, 2014
茶杓は、 珠光 ~ 紹鴎 の時代までは
「節なしの長い竹」を用いていたそうです。
利休の頃より、長さを短くし中間に節が置かれるものが
好まれるようになったみたいです。
そして、節を元に寄せるようにして作れた茶杓。ちょっと物語風に書くと、
「ある日、 利休さんが茶籠を持って外に出かけ、
お茶を一服しようとしたとき、
茶杓を忘れたことに 気づいたそうです。
あたりを見回し、いろいろ探し、
いったいどれだけ経ったのでしょう。
ようやく茶杓に使えそうな竹を見つけ出しました。
利休さん、元の方に節があるこの短い竹で、
一本の茶杓を削り出します。」
この茶杓を「野がかりの茶杓」と言うそうです。
お話はここで終わりますが、
その後、お茶を飲んだんでしょうね、きっと。

茶道具「茶杓」に関するページは、こちらから。