1月 18, 2015
吸物椀(すいものわん)は、小さな蓋付きの塗椀で、
八寸の前に煮物椀と引き替えで席中に出されるものだそうです。
吸物椀は、一汁三菜を賞味し終えた後、
主客の献酬が行われるみたいですが、
その前に、今まで使った箸の先を洗い清め、口の中をすすいで、
改めるという意味の吸い物なんだそうです。
一口椀と言うように、一口位でいただける分量にするのだとか。
単なる白湯(さゆ)では物足りなく、
何かの心入れを、との思いから、
昆布の香りをうっすらと付けたり、
ごく少量の塩を入れたり、
梅干しを少量入れ、梅の香りを付けたりと工夫するみたいです。
そして、この汁の中に季節の移ろいを感じさせるような、
珍しい野草の芽や実、
木の実、またはそれらの小片や薄切りにしたものなどを、
ほんの少し浮かせるそうです。
こうすることで、吸物椀が、
次に出てくる八寸の二種類の肴の味を引き立てるのだとか。
■吸物椀の具
吸物椀に入れる、ちょっとした具の例です。
・[篠竹(しのだけ)]:稈(かん)が細く群生するタケササ類の通称。
・[蕎麦の実]:タンパク質やビタミンB群も豊富とか。
・[零余子(むかご):植物の栄養繁殖器官のひとつ。
・[海藤花(かいとうげ):マダコの卵またはその塩蔵品。
・[ちぎり梅]:梅の実をちぎったもの。
・[梅のじん]:梅の核の部分。
・[イワナシ]:ツツジ科イワナシ属の常緑小低木。
果実は緑色から赤褐色の果皮に包まれ、ナシのような甘味がある。
・[花山椒]:山椒の雄花。なお、サンショウの実が成るのは雌株のみ。
・[長ヒジキ]:褐藻類ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻の1種。
・[針山葵(わさび)]:わさびは、アブラナ科ワサビ属の植物で、日本原産。
・[南京の種]:カボチャ(南瓜)の種。
・[針茗荷]:ミョウガは、ショウガ科ショウガ属の多年草。
食用となるのは、花穂部分。
・[白木耳(きくらげ)]:キクラゲ科のきのこ。
中国では古くから不老長寿の薬として珍重された。
・[針生姜]:ショウガ科の多年草。
・[蓮の実]:ハス科多年性水生植物の種。
柔らかな皮の中に白い蓮の実が入っている。
・[山独活(うど)の芽]:ウコギ科タラノキ属の多年草。
・[鱧(はも)のフエ]:ウナギ目・ハモ科に分類される魚の浮袋。
・[芽蓮根]:ハス科多年性水生植物の地下茎。
・[松の実]:マツ科マツ属の植物の種子の胚乳。
・[菊花]:食用菊。
・[タピオカ]:トウダイグサ科のキャッサバの根茎から製造したデンプン。
・[椎の実]:ブナ科クリ亜科シイ属の樹木の実。
・[葛そうめん]:葛粉を用い、そうめんのように乾燥して仕上げたもの。
・[バジルシード]:シソ科メボウキ属の多年草・バジル(バジリコ)の種。
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1月 17, 2015
煮物椀(にものわん)は、
飯碗や汁碗より大きくて浅めの蓋付きの塗椀で、
懐石の主菜である煮物を盛り付けるものだそうです。
はじめは、四つ椀のうちで同色同塗同意匠のもので、
形が大きくて浅めの「平椀」だったものを、
後に趣向で種々の物が用いられるようになったようで、
椀蓋の甲・裏、椀の見込みに蒔絵を施したみたいです。
和食店などでは陶磁器製なども用いるそうです。
■懐石での煮物
一献目の酒が出された後、
一汁三菜の二菜目に当たるのが煮物碗みたいです。
煮物は、懐石のメインに相当する料理で、
しんじょ・麩・湯葉・野菜などを色取りよく盛り、
すまし汁仕立てにすることが多いのだとか。
煮物の前か後に、飯次(飯器)が出されるそうです。
飯次には、人数分の飯が入っているようで、
客は各自の飯碗にお替りの飯を付けるようです。
また、亭主から汁替えが勧められ、
味噌汁のお替りが運ばれるとか。
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1月 16, 2015
折敷(おしき)は、懐石家具のうち、
檜の片木(へぎ)で作った縁つきの盆のことだそうで、
食器などを載せるようです。
一般的に懐石では、
折敷に「飯椀」「汁碗」「向付」を載せ、
縁に箸ををかけて出すことになっているとか。
折敷とは折って敷くという意味みたいで、
昔は木の葉を折り敷いて食器の代用としたものを、
後世に至って檜の片木を押し曲げて角盆にして用い、
古名のまま「折敷」と呼んだものだそうです。
本来は脚のない膳のことをいうようですが、
脚の付いたものもあるそうで、
足付・足打(あしうち)と呼ばれるとか。
■折敷の形
折敷の形としては、四角の物を「平折敷/角不切」、
四隅を落とした「角切折敷/隅切折敷」、
隅切の縁を高くした「縁高折敷」、
足を付けた「足打折敷/高折敷」、
足打折敷の脚に刳形のない「傍折敷」等があるそうです。
■折敷の真・行・草
折敷は、皆朱の角切を「真」として精進に用いるようです。
黒塗りの「角不切(すみきらず)」を「行の真」、
「角切」を「行の行」として一般に用いられるとか。
「草」には、春慶・うるみ・摺漆・一閑など、
形も舟底・丸盆・半月など、糸目や鉋目や、
模様や簡単な蒔絵が施されたりと様々あるそうです。
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1月 15, 2015
しばらくの間、懐石道具について説明していこうかと思います。
懐石道具は、以下の種類があるようです。
○懐石家具:折敷、両椀、煮物椀、吸物椀(箸洗)、
八寸、飯器、杓子、湯桶、湯の子掬い、通盆、脇引など
○懐石器物:向付、焼物鉢、漬物鉢、預鉢など
○酒器:銚子、引盃、盃台、徳利、石盃など
○箸:食箸(利休箸)、菜箸(青竹箸、白竹箸、
杉箸、煤竹箸、黒文字、杉楊枝など
また、配膳棚などもあるそうです。
■四つ椀(よつわん)
四つ椀は、懐石道具のうち、
懐石家具に分類されるようです。
四つ椀は、「飯椀」「汁椀」「平椀」「壺椀」の
四つ揃えの塗椀を指すみたいです。
■両椀(飯椀/汁椀)
四つ椀うち「飯椀」「汁椀」のことを、両椀というようで
ご飯物や汁物などの椀のことだそうです。
一般的には、利休形小丸椀が用いられるとか。
利休形小丸椀は、黒漆塗が多く、
入子になっていて、飯椀が汁椀より少し大きく、
身の方を重ね、蓋をその中へ重ねると、
四つ重ねに収まる「四重椀」になっているようです。
■平椀(平皿/平盤)
四つ椀うち「平椀」は、
煮物などの椀のことだそうで、
胴に帯状の「かつら」と称される、
加飾挽きが施されているみたいです。
浅めの大振りな塗椀だとか。
■壺椀(壺皿/壺盤)
四つ椀うち「壺椀」は、
和え物などの椀のことだそうで、
平椀同様「かつら」が施されているようです。
深めの小振りな塗椀だとか。
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1月 14, 2015
折据(おりすえ)は、厚紙でできた折り箱で、
七事式の基本となる道具だそうです。
席中では、花月札や雪月花札などを入れて、
とり回して役を決めたり、
点前を修証する札を入れたり、
名乗紙を入れたりして使うようです。
また、式の前に札で役や客順を決める際に使うこともあるとか。
■折据の種類
折据には、三種類あるそうで、
それぞれ「小折据」「中折据」「大折据」というみたいです。
小折据は、一辺約7.5cmで、天地がわかるよう、
口に「一」と書くそうです。
裏千家の場合、花月之式・一二三之式・仙遊之式・法麿之式・
三友之式・唱和之式などに用いるようです。
中折据は、一辺約9.0cmで、
口に「関」の字を書き、雪月花之式に用いるとか。
大折据は、一辺15cmで三つ組になっていて、
口に「一」「二」「三」と書くそうです。
三つ組で茶カブキ之式に用いるようで、
「一」の大折据だけは、員茶之式・花寄之式に用いるみたいです。
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