2月 04, 2014

薮内竹心著『源流茶話』にこんな話があるようです。
昔は、銅鑼は、露地の木々が深くて銅鑼の音が静かに響く時に、
中立の客への案内の代わりに銅鑼を打ちました。
たとえ露地の木々が深くても、
客が貴人であれば、銅鑼を打たずに、
亭主は中露地を越えて、
よけ石より相伴の客に向かって
謹んで案内をするべきです。
愚祖剣仲が賞愛した銅鑼を孫の紹春が所持していましたが、
ついに茶会でその銅鑼を打つことはありませんでした。
息子の某(なにがし)が、
なぜ銅鑼を打たないのかと尋ねたところ、
「浅い露地ではあれほど銅鑼は打たないものです。
だいたい銅鑼に限らず、たとえ持っていても、
取り合わない道具は出さないものです。」
と語ったといいます。

「銅鑼」に関するページは、こちらから。
2月 03, 2014

古くは、「唐物の塗物の香合」が大半で、
「室礼」(座敷飾り)に、香炉に付属して置かれたとか。
その後、草庵の茶室でも香炉と一対で、
席中に持ち出し飾られたみたいです。
この頃の香合は、稲垣休叟著『茶道筌蹄』に
「香合は道具中にも至て軽き物ゆへ、
利休百会にも香合の書付なし、
夫故に名物も少なし、名物は堆朱青貝に限る」
といった感じの記述があるくらい、
かなり軽く扱われていたようです。

「香合」に関するページは、こちらから。
2月 02, 2014

茶道に用いる柄杓は竹製のみだそうです。
柄杓の名前は、水をすくうための瓢箪を指す
「ひさこ(ひさご)」が「ひさく」になり、
「ひしゃく」に転じたもので、
「柄杓」は当て字だそうです。
■柄杓の形
柄杓の形には、以下のようなものがあるそうです。
○合に柄を取り付けた部分
月形(つきがた):月形になっているもの。
指通(さしとうし):
柄が合の中まで突き通しになっているもの。
○切止の部分
風炉用:身の方を斜めに削いである。
炉用:皮目の方を斜めに削いである。
○合の部分
風炉用:合が小さい。
炉用:合が大きい。
■柄杓のサイズ
現在、点前で使用されている柄杓は、
以下の大きさのようです。
○風炉の柄杓
合径:一寸七分半~一寸八分半
柄の節上:五寸八分
柄の節下:五分五分
○炉の柄杓
合径:一寸九分~二寸
柄の節上:五寸七分
柄の節下:五寸五分
○差通の柄杓
合径:一寸八分~一寸八分半
柄の節上:五寸八分
柄の節下:五寸五分

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2月 01, 2014
茶杓の形状としては、
点前の「真」「行」「草」で節の位置が変わる
「無節」「元節」「中節」などの他に、
以下のような区別があるようです。
櫂先:「丸形」「一文字形」「剣先形」
「兜巾形」「平丸形」「葉形」「宝珠形」
撓め:「丸撓め」「一重撓め(折り撓め)」「二重撓め(二段撓め)」
腰形:「蟻腰(ありこし)」「直腰(すぐこし)」
樋 :「本樋」「逆樋」
切止:「一方切」「半切」「直角切」「六四止め(六四切)」
「七三止め」「五五止め」「角止め」
また、茶杓は、製作年代により、
ある程度、共通の定型があるそうです。
①村田珠光~利休前
茶杓は漆を拭いている。
筒は全部、皮を剥いだ真筒である。
無節・止節である。
②利休~少庵・道安頃
茶杓は漆を拭いている。
節を高くしている。
茶杓の裏を削っている。
③宗旦・遠州~
茶杓は木地のまま。
宗旦は侘茶杓。
遠州は美術的な茶杓。
④原叟宗左~現在
商業目的の茶杓が目立つようになる。
→誰にでもわかる銘、奇抜なデザインなど。

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1月 30, 2014

長次郎新選七種茶碗は、
金森得水(紀州藩領伊勢田丸城家老)が、
長次郎七種(利休七種)にならい選定したものだとか。
「風折」とは、茶碗の姿が風折烏帽子(かざおりえぼし)と、
似ていることによる銘なんだとか。
内箱蓋表に元伯宗旦による書付「長二郎、かさ折」とあるそうです。
「風折」は、比較的厚手の穏やかな起伏をもたせた丸い口造りで、
胴に一か所大きな窪みを付けた作行に特色が見られるようです。
底部は平たく腰を張った姿で、
高台は大振りで、低く平らな畳付きを持ち、
高台内には兜巾を付けず浅く削り込まれているそうです。
見込みは、懐広く、黒釉はカセているが一様に溶け、
腰から底部にかけて、茶褐色の窯変が、
まだらな釉調を見せているのだとか。
利休 から 宗旦 に伝わり、高弟の山田宗偏に贈られたそうです。
現在、静嘉堂文庫蔵のようです。

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