銘入茶杓  桂堂(瑞峰院前住職)  銘:豊兆

Category: 茶杓

銘入茶杓:豊兆



茶杓の色が、落ち着いていて、使い込むめば使い込むほど良くなると思われます。
全体の茶杓の形は美しく、特に櫂先が目を惹きます。

豊兆は「雪豊年兆」(雪が多く降るのは豊年の前兆であること。)から来ているようです。
「新しき年の初めに豊の年しるすとならし雪の降れるは」(万葉集)があります。
雪見の茶事で、松風の音が静かに聞こえる中、
茶室からふと外を見ると、雪がしんしんと降っている。

戦後の経済成長と共に、人々は豊さを手に入れていきました。
ただ、心の豊かさは、徐々に失われていったのではないでしょうか。

「報恩」という言葉があります。
親・兄弟に対し、恩に報いるという意味ですが、
いつの間にか、使われなくなって久しいと思います。

茶室から見る雪は、心の豊かさを彷彿とさせる兆しへと、
「豊兆」の茶杓を使った点前で、温かな抹茶を飲みながら
古き良き時代を懐かしむ時間となれば、良いですね。

桶側八景火入  中村秋峰

Category: 火入

桶側八景火入



内側にあるのは、幕房模様でしょうか。
非常に繊細に描かれていて目を惹きます。

白と青の二色なのですが、発光が良いので
非常に良い仕上がりになっています。

唐津焼火入  井上東也

Category: 火入

唐津火入



唐津焼で、井上東也氏といえば有名ですね。

作品の特色としては、上が四角く下が円形の筒形ということがあげられます。
絵模様もポイントとして良いですね。

釉薬のたれ具合と、全体の焼きあがりが良く、
正客の前にあると、収まりますね。

雲華焼灰器(炉用) 寄神崇白

Category: 灰器

雲華焼灰器(炉用)



雲華焼といえば崇白氏ですね。
この作品は、内面にも雲がかかったような黒や灰色のむらが見え、
表面につるつる感があり、これを持った時にとても手にフィットします。

炉用は、灰をたくさん使うので、灰匙が立たなくてはなりません。
もし私が、この崇白氏の灰器に取り合わせるのなら
中川浄益氏や木村清五郎氏の灰匙を使いたいと思います。

唐金竜耳波紋花入 金森紹栄

Category: 花入

唐金竜耳波紋花入



この花入は、金森紹栄氏なんですね。

耳が竜耳なので、竜が昇っていく様子が、おめでたく感じます。
首の部分の波模様が繊細で、
胴の凹凸も色が変化していて、みどころがあります。

高台部分は、更に細かく、
雷文を下地に様々な模様が配されているように見えます。

この作品は、真の花入なので、
椿(白玉椿とか)・牡丹・槿(むくげ)・芍薬などを入れると良いですね。